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モントルーとその周辺 (Montreux and its suburbs)
4. パノラマ急行沿線

シャトーデー(Chateau-d'Oex)のチーズ工房


 スイスのチーズといえばグリュイエール(Gruyeres).でも,列車で行くにはパノラマ急行路線(MOB)の鈍行列車しかとまらない駅からローカル線に乗り継がなくてはならず,本数が少なく乗り継ぎも悪いので,必ずしも限られた時間の中で見に行くことはできません.車かバスであれば比較的行きやすいのですが...実はパノラマ急行沿線で急行列車も停まるシャトーデー(Chateau-d'Oex)という村にチーズ作りの実演を見せてくれるレストランがあります.ル・シャレ (Le Chalet) です.そこでは昔ながらの銅の大鍋を使ったチーズ作りを見せてもらいました.
 チーズ作りは月曜を除く13:30〜17:00(地球の歩き方による).最初から見たければ13:00くらいには着いていた方がよいと思います.チーズ作りの場所はレストランの一角にあり,食事をしながらゆっくりと見ることができます.もちろん,チーズ料理は一通りメニューにあります.また,チーズや民芸品を売っている売店もあるので,途中そちらを見て回るのもよいでしょう.
 ただ,チーズ作りの説明はありませんでしたので,ここではチーズ・フーのチーズ・アカデミーを参考にして解説を付けてみました.もしかしたら,私の勘違いがあるかもしれませんので,そのときはお教えください.なお,撮影はいずれも95.12.3(日)です.
【左】まずは,銅の大鍋にミルクを入れます.
【左下】【右下】まず乳の中の蛋白質や脂肪分を凝乳酵素の働きによって固めて取り出します.大鍋を火にかけてミルクを温め,スターターと呼ばれる乳酸菌の培養液を加えます.乳酸菌が十分繁殖し,酸度が高まった時点で,レンニンを主成分とする凝乳酵素であるレンネットを加えてカード(主として乳に含まれている蛋白質や脂肪分)を凝固させます.レンネットを添加してからカードができるまでは大体30分程度で,この間,酵素の働きを持続させるために,ある温度で一定にしなければならず,これが難しいそうです.


【左】カードができている様子.
【右】できたカードをカードナイフで1〜2cm角程度に細かく切断して表面積を大きくし,撹拌しながらさらに加温してホエーを排出させます.



【左上】大鍋を火から下ろし冷まします.
【右上】【左下】布を大鍋の中に入れカードをすくい取ります.
【右下】すくい取ったカードを型枠に詰めます.

 型枠に詰めたカードの上に,漬物を漬ける時のように型の上に重しを載せてホエーを押し出します.こうするとカードに残っているホエーが押し出されてカードの粒どおしがくっつき,チーズの形になります.

 見せてくれたのはここまでです.あとは塩分を加えて更にホエーの排出を促し,チーズに残る水分量の調節をするそうです. この段階でも食べることはできますが,風味に欠けた淡白な味で,さらに熟成が必要です.さらに長時間寝かせる間に,微生物や酵素によってチーズの蛋白質や脂肪分が徐々に旨み成分のアミノ酸や脂肪酸に分解し,初めてチーズらしい風味,香り,色艶が出てくるのだそうです.手前の大鍋の中にはホエーが残っています.


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