『芸術』とは「特殊の材料・技巧・様式などによる美の創
作・表現すること。技芸・学術」と広辞苑には載っています。
『美』をひくと「美しいこと。立派なこと。哲学的な意味で、
知覚・感覚・感情を刺激して内的快感をひきおこすもの」と
あります。
形と色を用いる美術、文字を使う文学、音の音楽、体の動
きを主に使う舞踏や芝居。舞踏や芝居には音や言葉も加わり、
背景には美術の要素が加わる総合芸術で、代表は映画です。
ひらたく言うと「何かを使って、美しいものや立派なもの
を作ったり、表現したりすること」なのでしょう。
ここで「美とは何か」という、分かるようでいて分からな
いことが問題になってきます。
「美学」という学問もあって、哲学的な方面では「美」は
客観的に存在するか? などの論争が決着つかないままだっ
たりしていて、なかなかやっかいなしろものです。
私たちの日常生活での様々な判断と決断のもとにあるのが
「美しくありたい、立派でありたい」「美しいもの、立派な
ものが好き」という感覚・感情なのも確かです・・・。
一人一人の感性による判断が寄り集まって「世論」ができ、
時代の方向が決まり、歴史はつくられてきました。
学者たちはそんな結果を研究して「美とは何か?」と考え
ているのでしょう。
『美』とは、人間がどう生きるかという「価値観・世界観
=ものの見方・考え方」に密接に関係しているようです。
なぜ、人はそういう(芸術)行為を必要とするのでしょう
か? 単なる「自己主張」の方法としてなのでしょうか?
上手くなりたい、良い絵が描きたい、褒められたい、有名
になりたいなどなど、いろんなことを言います 。
厳しい現実を生き抜くため、精一杯に、さもなければ薄汚
なく生きてる中で、『芸術』や『美』を求めるというのは、
実は「美しくありたい。立派でありたい」という自己変革の
欲求が本質としてあるような気がするのです。
だから「人生はみじかし、芸術はながし」などと言われる
のかもしれません・・・。
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