零戦52型甲
愛知県西春日井郡・三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所小牧南工場資料室 

 
 名古屋空港に隣接して、三菱重工業小牧南工場はあります。この工場自体は戦後開場されたものです。
三菱の航空機技術の変遷と、先人の偉業を後世に伝えるために平成2年3月に工場内の一棟に史料室が設けられました。史料室の外は、撮影厳禁ですので、いきなり内部からです。

 入ってすぐに、先のパネルがあります。パネル右側にある管理人室の方に進んでいくと、ありました零戦。

 零戦52型甲。零戦の初期型はあまりに軽量過ぎて急降下速度の制限があったために、鋼板を厚くしてその改善を図っている。また武装を強化しているが、そのために総重量が増加してしまい、全般の性能は低下したと評価されている。ために、後期型を敬遠して慣れた初期型を好んで使ったベテランも少なくなかったようである。
 52型は小改良タイプ甲乙丙3タイプ合計で、零戦総生産数の半数を占める、もっとも一般的な型となった。

機首部

 展示位置の問題で、前方からの見やすい写真は撮れなかったのは残念です。

 プロペラ機の魅力の第一は、やはりその機首廻りだと思います。
操縦席部

 左翼脇から、操縦席に近づくことができます。この水滴型風防も大きな魅力のある所です。

 風防は開閉できます。枠のところに突き出ていた母指頭大のノッチを握ったところ、ガーッ……と下がっていってしまって、一瞬「壊した!」と思って焦りました。

 操縦席から前方を見ると、こんな様子です。

 許可を求めれば操縦席に座ることが出来るようですが、止めておきました。
 座席の裏側は真っ暗ですが、胴体内部の様子を腰ダメで撮影してみました。中央からは大きくズレてしまっていますが、雰囲気はわかると思います。
細部その他

 足周りと翼内機銃周りを撮影しています。

 フラップは下げられた状態のままで展示されているようです。……保存の観点からは、好ましくない状態だと何かの本で読んだ気がするのですが……。

 今回は修復された零戦本体のみの紹介ですが、実は、修復段階の記録や保管物、零戦以外の展示物も実に膨大なものがありました。いずれ追加紹介したいと思います。

 先日亡くなられた坂井三郎氏のご冥福を心からお祈りいたします。