明野陸軍飛行学校・天竜分教場跡・静岡県磐田郡竜洋町袖浦公園

 明野の陸軍飛行学校というのは有名だと思いますが、その分教場となるとマイナーだと思います。
 明野陸軍飛行学校の分教場が、静岡県内には二カ所置かれていました。天竜川河口部東岸のここ天竜分教場と、富士川河口部東岸の富士分教場です。

 昭和14年(1939年)から飛行場造成が始められ、天竜川河口部東側の元耕地に、東西約1600mの滑走路二本、四つの格納庫、射撃場、兵舎が建設されました。
 ここで用いられていたのは二人乗りの練習機、また九七式戦闘機、一式戦闘機(隼)などです。この分教場は訓練のための場所なのですが、戦争末期には米軍の攻撃も受けたそうです。

 現在、文教所跡地は農地・工場団地・住宅地となっています。
 平成5年、元格納庫の場所が袖浦公園として整備された時、残っていた格納庫コンクリート基礎部も
現在のように保存されて、元飛行場跡地であることを偲ぶものとして残されました。

 今は、コンクリート基礎部が二列並んでいる間にF-86F戦闘機が展示されています。
 袖浦公園が整備されたことを記念して、北西部に近接している航空自衛隊浜松基地の展示品を提供されたものです。

 F-86Fの尾翼側に並ぶ格納庫コンクリ基礎部です。これを基に格納庫の鉄骨が並びます。

 高さはだいたい2.5m位だったでしょうか?

 南北方向に並んでいます。南端のひとつだけ、形状が頑丈なものです。

 F-86Fの機首側に並ぶコンクリ基礎部です。

 尾翼側のものと比べて形状が異なります。

 尾翼側、機首側と合わせて格納庫一つ分のスペースができるわけです。

 当時、格納庫は二つ並べて作られていたそうです。
 こちらの斜めになっている基礎部・斜めではない基礎部・逆向きに斜めになっている基礎部と並べてそれぞれに鉄骨を立て、二つ分の屋根をつなげていたのでしょうか……。