高射砲第一連隊跡地(元歩兵第六十七連隊跡地)
静岡県浜松市城北(静岡大学浜松キャンパス)
静岡県浜松市内、浜松城から北西の方向少し離れたところに、静岡大学浜松キャンパス(工学部、情報学部)があります。
明治大正期、ここには「歩兵第六十七連隊(第十五師団)」が置かれていました。
「歩兵第六十七連隊」は1925年5月に陸軍軍縮によって解体され、ここは「歩兵第十八連隊第三大隊(第三師団)」の分屯地となります。
さらにその後、「高射砲第一連隊」が置かれました。

敷地南西部のグラウンド。

敷地を囲む土塁は、ほとんどがそのまま残っているようです。
門柱
東面中央に位置する正門は全く新しく整備し直されていますが、北面と南面、また東面北端には、当時のものと思われる門柱が残っています。

北面の門柱です。

門は、普段は閉じられているようです。

東面北端の門柱です。
煉瓦面が剥き出しで、また基礎部の高さが現在の外周道路からかなり高いところになっているのが特徴です。

南面の門柱です。三つとも形状が異なります。

当時の建物(詳細不明)
キャンパス敷地内の北西部に、高射砲連隊当時の(と思われる)建物が残っています。

構内を見て回ると、やや古めの建物が一棟残っていました。

中で作業をしていた方によると、「これは戦前からある建物だが、何の建物かは分からない」ということです。

外見は当時のもののように見えます。


内部を撮らせてもらいました。

西側には小さな離れがあります。つまりトイレです。
ここらへんの構造も古っぽさを感じさせます。

この建物の南側に、煉瓦製の建物基礎部が残っていました。これはまず間違いなく当時のものでしょう。
弾薬庫跡

先の建物から北側に少し離れた所に小さな建物がありまして、その北側が鬱蒼とした森のようになっています。

少し離れて全景を。

周囲は土塁で囲まれていて、その一部が開放されています。右端はキャッチボール中の大学生。

開放部。正面に木柱、その背後に三角形の小山があります。左右は四方形の平坦な場所になっています。
木柱には「奥に捨ててください」と書かれています。現在は大学のゴミ捨て場?でしょうか。

木柱背後の小山から解放部を撮影。左右にコンクリート製の低い壁があります。
コンクリ壁の形状から見ると、当時もここが開放部だったのでしょう。

左右に分かれた平坦部の内、南側の平坦部から開放部を見ています。
キャッチボール中の大学生が顔を向けている方にも平坦部があるわけです。

上の写真で大学生が顔を向けていた方、北側の平坦部から、開放部を見ています。

開放部脇のコンクリ製の低い壁。土塁の土が崩れるのを防止するものでしょう。
全周を囲む土塁の一部には、石階段が残っていました。
南側の平坦部の奥に、井戸がありました。
その他

敷地の周囲の土塁、高さは場所によって異なっています。
ここらへんは子供の遊び場みたいな。

このような、ちょっと由来の怪しいものもあります。当時のゴミ焼き場?か何かでしょうか。
練兵場跡(現・和知山公園)

静大浜松キャンパスの北側に隣接している和知山公園は、元練兵場でした。

今では名残はまったく見当たりません、が、リスには会えます。
和知山公園に「高射砲連隊跡碑」があると聞いて探したのですが、結局見つかりませんでした。残念。