大和ロケセット
広島県尾道
 平成17年末、「男たちの大和」なる映画が公開されました。現在、その撮影に使われたロケセットが一般公開されています。
 見過ごすは一生の損!と急遽行って参りました。
1・序章
 
 JR尾道駅前。特別仕様の自動販売機がお出迎え。

 尾道駅前。渡船でほんの数分程度の水路の向こう側がロケセットのある造船所跡地です。

 渡船から。ちょうど正面がロケセット。
 
 第二主砲塔がはっきりと見えてきました。期待に胸が高鳴ります。
 
 船を降りるとすぐに造船所入口です。入口前の立て看板も巨大です。

2・ロケセット到着

 造船所入口からロケセットまではバスで移動します。数分ほど、あっという間です。

 バス降り場は艦首部の近くで、ロケセットの向かって右側にはなかなか好い感じのドックがありました。
 
 ドック脇に、三連装機銃の爆風除けセットなどが置かれていました。
 
 バスを降りて、入場待ち。かなりの人出でした。まずは御紋章を見るというコースになっています。
 プレハブ小屋くらいの高さの向こうに御紋章が見えます。階段はけっこう急で危なげでした。
 
 個人的には、御紋章よりも脇の穴の開いた部分の部品の巨大さ、荒々しさに圧倒されました。
 なんというか、我ながらおかしな例えですが、鬼瓦のようなイメージを受けました。
 
 巨大すぎて、困ってしまいます。写真撮り難いです。
 もう少し離れたところからも見られるようにして欲しかったです(ないものねだり)。
 艦首脇から中央部を見ます。目を引くのはなんといっても主砲塔。

 望遠でドン。

 一旦階段をおり、左舷側を歩いて中央部に行きます。写真左側が艦首。とんでもないスケールです。

 クレーンの下を潜ってしばらく歩くと乗艦場所です。
 
 主砲塔を下から仰ぎ見る格好の撮影ポジション、の筈でしたが、現在は障害者の乗降場所となっているのが残念。まあここしかないのだろうが。
 
 船外より第二主砲塔部、また第一副砲塔部。
 やはりもうちょっと離れた場所から撮りたかったです。
 
 乗艦前に艦尾方向を見ると、三連装機銃群が整然と並んでいるのが見えます。

3・ロケセット左舷前方部

 左舷中央部からセット上に上がります。
 遠方に艦首旗竿が見えます。左舷の微妙なラインが面白いです。

 乗艦して正面に三連装機銃が置かれています。
 ところどころに解説説明ボードが置かれています。
  
 弾薬箱などの撮影の小物が置かれて、雰囲気を出しています。
 
 フレームに気を付ければ、臨場感充分の写真が撮れると思います。
 というのは、背景に艦橋が無いというのがどうにも辛いんですよねえ。
 
 どうですこの情けなさ。
 
 第二主砲塔の威容は素晴らしいです。これが第一主砲塔をフレームに入れようとすると……
 
 これですよ。とほほ。
 
 とか不満に思いつつ、ここらへんはシャッター押しまくりでした。

 やっぱり、実物大スケールという素晴らしさが有無を言わせないのです。どうですこの広さ。
  
 見学通路は、左舷側を艦首部に向かい、折り返して右舷側を中央部に戻り、艦尾に抜ける、というコースです。

 望遠でドン。 右舷側はいろいろと省略されてます。

4・ロケセット右舷前方部

 さて艦首旗竿で折り返し、主砲塔群の右舷側を通って中央部へ向かいます。
 見学客の列で、甲板のアップダウンの激しさがわかります。
 
 艦橋が無いのは残念ですが、正直ここまで来るとどうでも良くなってきました。
 
 圧倒的迫力が有無を言わせません。


 第一主砲塔後部の向こうに、先程見学した三連装機銃を見えています。

 第二主砲塔の砲身が第一主砲塔の上まで伸びています。実際はもう1〜2m長いとのことです。
 
 先程の三連装機銃を裏側から見ています。右舷側のそれは省略されています。

 
 主砲塔に続く副砲塔。軽巡洋艦クラスの主砲サイズですが、大和に搭載されると小さく見えますね。
 
 主砲塔と副砲塔の間を通って、右舷から左舷に抜けるコースになっています。
 
 主砲塔の下部に、映画のスチールなどが展示されています。
 
 艦橋基部の裏手を覗くと、奧のセットの骨組みが見えています。

 本当はこの上に艦橋がそびえ立つのですが、これはこれですばらしい。
 
 このあたりにも撮影に使われた小物が置かれています。
 機銃座の一部は上塗りが禿げて木目が見えてしまっています。



5・ロケセット左舷中央部
 
 第二主砲塔後部の後ろを通って再び左舷部へ出ます。ここには三連装機銃座が二つ展示されています。

 艦首方向を見ています。第一主砲塔の省略部が目立たない、よいスポットと思います。
 
 一つは両脇に機銃操作要員の座る椅子が再現されているタイプです。
 
 細かい所まで作り込んでいます。
 
 もう一つは両脇の椅子の無いタイプで、細部の造形も省略されています。
 
 左舷部から艦橋基部を見ています。こう見ると、これだけでなかなかの威容です。
 これで完全再現されたらどんなにか素晴らしかったでしょうか。
 
 艦橋部の後ろには、機銃や測距儀などの台座が密集しています。
 後部の高角砲群が見えてきます。

 次いで見学コースを艦尾に向かって進みます。機銃や高角砲を間近に見ることができます。
 主砲爆風除けの覆いがついた三連装機銃。
 
 実にリアルです。

 
 ここらへんは何も考えずにシャッターを押しまくってました。
 
 そんななかに、ふとこうした空間があるとホッとします。
 
 
 再び乱射、止まりません。
 
 それにしても仰ぎ見るだけなのが残念無念でした。

6・ロケセット左舷後半部
 
 高角砲群を抜けると、唐突にロケセットが途切れます。
 階段を下りて裏を覗くと、骨組みの鉄骨が見えています。
 
 ロケセットの前方部を見ると、乗艦前に見た三連装機銃群が間近に見えます。
 最寄りの一つは、弾痕が付けられ、銃身が一つ折れています。

7・ロケセット遠望

 ロケセット左舷側の、隣のドックを越したところに売店などがあります。
 その通路の途中で振り向くと、目を見張る素晴らしい光景が。

 ロケセット上に居ては判りづらかった艦首部甲板の傾斜の度合いがよくわかります。
 主砲塔の巨大さも、これくらい離れていたほうがよくわかると思います。

 艦橋以降の銃座砲座群も、近くで見たのとは全く違う威容を感じます。

 金網を避けて撮影できるところを探してあちこち右往左往。
 
 ソフトクリーム屋さんの窓から砲座群が見えました。


 ロケセットの左舷側にあるドックが、個人的にとても気に入りました。
 
 ドックを興味深く見ている人、結構いました。

 ドックは大正期に造られ、以後改修を続け昭和40年代に現在の姿になったとのことです。

 ここは造船所の跡地である、ということを思い出し、急にもの悲しくなりました。


 いずれ儚き 夢の跡・・・