アサンビーチ・アガットビーチ
太平洋戦争国立歴史公園内(20cm砲・25mm連装機銃) 


 グアム島の中央部やや西側に、オロテ半島・またアプラ湾というやや目立つ地形の場所があります。ここを挟み、二カ所の広い平地帯を抱えた海岸があるのですが、そこが1944年7月のグアム奪還作戦における米軍上陸地点となりました。現在、この海岸は「太平洋戦争国立歴史公園」として保存されています。 

●アサンビーチ

 グアム島の繁華街・タモン湾一帯を離れて西行すると、歴史公園内に入ります。まず博物館があります。

 博物館駐車場辺りから西方向を見ると、アサンリッジと呼ばれる小さな岬がみえます。上陸作戦当時は日本軍守備隊の備砲陣地が設けられていました。

 博物館からアサンリッジまでは、やや長い距離があります。その一部は写真のように整備され、バーベキュー場として用いられています。

 米軍の物でしょうか、日本軍の物でしょうか、何の掲示もなくポツンと薬莢付きの砲弾が置かれています。 

 アサンリッジの近くは、広大な駐車場のある広場になっています。石碑には「War in the Pacific National Historical Park ASAN BEACH 」と書かれています。

 公園入り口近くには、米軍の魚雷と爆弾が展示されています。
(このページの公開当初以後、ずっとこれらを「日本軍の酸素魚雷と250kg爆弾」と紹介しておりましたが、実際は「米軍のMARK-XIV MODEL-4 魚雷とMARK-80 MODEL-O 1700 LBS BOMB LAND」であるとのご指摘を頂きました。【平成16年7月修正】)

 公園奥、アサンリッジ突端には、海兵隊由来の記念碑が建てられています。

 公園内の各地には、写真入りで丁寧な解説板が建てられています。
 帰国時、グアム上空の機上から、ちょうどアサンリッジが見えました(写真中央やや下方)。 

●アガットビーチ

 アサンビーチから更に西に行くと、アプラ海軍基地ゲート前を通過してアガットビーチに着きます。
 石碑には「AGAT UNIT-GA'AN POINT 」と書かれています。ここは特別な場所として扱われています。

 この公園敷地の海岸には、戦争のモニュメントとして日本軍兵器が展示されています。国旗掲揚塔の右脇にある小山は、遠目にはなんの変哲もない小さな丘に見えますが……。

 グアムの旗、星条旗、日章旗と並ぶ場所に、20cm砲と25mm連装機銃が白く塗装されて展示されています。 

★ガーン岬のトーチカ

 先に「なんの変哲もない小さな丘に見える」と書きましたが、この波打ち際の小山には、頑強なトーチカが構築されていました。写真には二つの小山が見えます。それぞれにトーチカが築かれていました。写真手前の方から見ていきます。

 見る位置を変えます。波打ち際を背に撮影しています。
 
 上の写真では黒く潰れてしまっている場所に、銃眼が開けられています。銃眼部の斜め上には、指揮所らしき場所があります。
 このトーチカは、上陸部隊の正面攻撃には堪えましたが、最終的には上陸した米軍戦車により背後から攻撃されて破壊されたとのことです。

 もう一方の小山に築かれたトーチカは、比較して高所に設けられています。

 砲床部への入り口です。こちらの銃眼部は完全に破壊されて大きく開口しています。こちらにも銃眼部斜め上に指揮所らしき場所がありましたが、下草に覆われていて撮影はできませんでした。
 構築当時の鉄骨は完全に腐食してしまっているので、新たに鉄骨などで補強されています。

 二つの小山ともども、幾つもの穴が掘られています。当時は連結されていたのかも知れませんが、現在ではいずれも内部は崩れたり埋められたりしています。

 トーチカの小山上から内陸部、アリファン山方面を撮影しています。この山は日本占領時は有羽山と呼ばれていて、アガット地区担当の日本軍守備隊司令部が置かれていました。

 今は平和そのものの、美しい浜辺です。