「ライオン・シティー」のこと

 

「ライオン・シティー」は1988年月刊ASUKA7月号に載った作品です。66P。読み切り。

単行本『アズ・タイム・ゴーズ・バイ』角川書店ASUKA COMICS1989年8月17日発売に収録されましたが、絶版になっているので、読んでみたいという方はこの雑誌でごらん下さい。


どるちえ公司にも入れたこのイラストが「ライオン・シティー」の表紙ですが、うしろのブルーのシマシマはあとでPhotoshopで入れたもので、原稿では人物とバックの後ろは白で、そこにタイトルが入るという、あっさりしたものでございます。

描いたのは「Shang-hai1945」を描いたあとくらいでしょうか。
現代のアジアを舞台にアクション物を描きたいな、と思ったんですね。
しかも、主役は女性で。

 

 

 

 

宙出版から出ている雑誌「Hiミステリー」は、以前皆川博子さんや浅田次郎さんや夏樹静子さんなどの短編集を毎号一冊分、いろんな作家が漫画化するという試みをしていて、つまり皆川博子号とか、夏樹静子号とかを出していて、小説の漫画化って原作に頼ってしまうこともあるんですが、やはりストーリー・テリングの専門家の技術に「うわ、これは漫画家にはできない〜!」とうなることも多くて、それを漫画化する作家さんも橋本多佳子さんとか篠崎佳久子さんとか花村えい子さんとか実力派ぞろいで、読みごたえのあるとても面白い雑誌でした。
皆川博子さんの時はやらせて下さい〜!とお願いしてたのですが、結局描く機会がありませんでした。残念。

あの頃はたしか逢坂剛さんとか船戸与一さんの小説が好きで、でも主役はみんな男なので、女が主役のアクション物を描くとどうなるかな、っていうのをやってみたかったのです。

歴史モノを描いていると、女性を主役に出来ないことにとってもイライラします。
歴史は「パワー・ゲーム」だから、女性は主体的に動けないんですね。
西太后のように地位のある男性を操つることで権力を手に入れた女性はいますけど。
そういう女ゆえの宿命を逆手にとって、カゲの黒幕的存在になる女を描くのも面白いのかもしれませんが、ボールを受け取ったらまっすぐ突っ走るのが好きな人間は、閨房政治が好きじゃない(笑)。

尾美さんは、商社も最近は昔ほどハデではないようですが、こういう商社マン、あの頃いましたね。
でも彼は会社を利用して自分の欲望を実現しようとしていた人間で(そんな大それたモノじゃないが)、東南アジアから日本人を見るとどうなるんだろう?とか、 日本から自由になるために、日本の力を利用する人がいてもいいんじゃないか。とか、この頃思ってたようです。

しかし、読み切り連載のむつかしいところは、ヒキにまだ出てこないキャラクターを使ってはいけないというところです。いつ切られるか分からないんだから(涙)。
この作品でじゅうじゅう反省いたしました。二度とこういう間違いはいたしませんm(_ _)m。

続編の「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」は前後編で100p、ちと長い。
みなさんがアンケート出して下さったら、ひょっとすると載せていただけるかもしれません。
どうかよろしくね〜!

 


 

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