『ライフ・イズ・ビューティフル』
LA VITA E BELLA

 

  

お天気がよかったので、フラフラ町中へ行って、アカデミー賞外国語映画賞、作曲賞、主演男優賞を取った話題の映画「ライフ・イズ・ビューティフル」を見てきました。

これ、イタリア映画だ。
最初こういう作りすぎた喜劇は趣味じゃないなあと思って見てて、主人公のユダヤ系イタリア人が子供と一緒に収容所に入れられるあたりから泣き始めました。
(時代はイタリアがナチ・ドイツと手を結んでユダヤ人迫害が始まった1940年前後)

収容所の生活を「これはゲームだよ。一番の成績を取ったらご褒美に戦車がもらえるんだ」とウソを言い続ける父親。そのウソをつき通すためにありとあらゆる才能を使う父親。
うるさくて口がうまくてアテにできないイタリア男の典型が、生きていくために本当に必要なのは想像力で、これさえあれば人は暴力に勝てるんだよとパーフォーマンスを続ける。イタリア男のあの調子良さは、この裏打ちがあるからが許されるんだよなあ。

ついでに、ものを作る人間のアリバイは、想像力が現実を超えるってことです。
「現実?それは真実の敵です。」
これはミュージカル「ラ・マンチャの男」の名セリフですが、自分を取り巻く現実が絶対的なものではなくて、状況さえ変わればすべては可変。そんな世の中で何が真実かといえば、可愛いドーラ(奥さん)。可愛いジョズエ(息子)。それを守るために何でもする。真実を守り、現実と戦い続けて、やがて力尽きる・・・。

この映画、ビデオ借りてウチで1人で見た方がいいかもしれません。
私、映画館でしゃくりあげちゃいました。恥ずかしかった。
いい映画だけど、「ニューシネマパラダイス」や「L.A.コンフィデンシャル」みたいに誰もが見て面白いかっていうと、わからないです。

でも、イタリアの本質に迫りたい方にはぜひ見て欲しい映画です。


1999/5/15