2008年3月のトンテンカン劇場

2008/3/17(月)『お酢を飲むとちょっと体の調子がよくなります』

今本屋さんの料理本コーナーにはお弁当本が平積みになってます。
春はぴっかぴかの一年生が町にあふれて、これからお弁当を作らなきゃ!って人が増えるからかな?って思うんですけど、ひょとするとこれはギョーザの皮やひき肉が売れるのと同じ理由かな…。つまりお弁当も自分で作らなきゃダメだ…!って、今みんな思ってる?

自分では作らないくせに、なんでだろう。私は「お弁当の本」が大好きです。
子供時代の思い出…というより、生まれついての「おままごと遊び大好き」からきてるような気がします。「おべんとう箱」という限られたスペースにいろいろなものを入れて一つの作品に仕上げる。お弁当箱が原稿用紙で、料理のひとつひとつが絵の具を使って描き上げたモチーフに見えるのかもしれません。

もちろん自分で作らないからそんな呑気なこといってらるれわけで、なにごとも毎日のお仕事となると大変です。漫画だって仕事にすると〆切に追われて、苦労ばかりが増えるのだ…。

え〜っと、私がこれまでいいな!っと思った「お弁当の本」は

 500円でわかる!「基本のおべんとう」GAKKEN HIT MOOK 500円
● ケンタロウの「ドーンと元気弁当」文化出版局 1400円

ですが、最近

「サルビア給食室のおいしいおべんとう手帖」ワタナベマキ 主婦と生活社 950円

という本を買いました。

デザイナーだった著者が自慢の料理のウデを生かしていろいろなところにお弁当を配達するようになって、母や祖母から教わった日本の伝統的な料理法で作ったそのお弁当が評判を呼んで、本を出すことになったそうです。

ケンタロウ氏の本が「食べ盛り、伸び盛りに」と銘打ってるように、ごはんの上に焼き肉やハンバーグがドーンと乗った『男の弁当本』なら、こちらは季節の移り変わりを伝統の煮物や漬け物に生かした和のテイストの『女の弁当本』です。

その本に「酢たれ」の作り方というのが載っていて

 

酢たれ
米酢 2カップ
昆布 20センチ×2枚
60ml
みりん 50ml
小さじ2

材料を鍋に入れて弱火にかける。
ひと煮立ちしたら火を止め、そのまま冷ます。
それをざるでこす。
保存瓶に入れて、冷蔵庫で約2週間保存可能。

さっそく作って冷蔵庫に入れておきますと、これがとっても便利なのです!

お酢でお料理を作るときは二杯酢、三杯酢を作らなければなりませんが、そのためにはダシやお砂糖と合わせなければならなくて、その場で合わせるとお酢の匂いがハナと舌にツンときて、私はもともと柑橘類や酸っぱいものが苦手なので(体にいいからと黒酢を飲み始めてもいつも冷蔵庫の中で腐る…^^;)、酢の物が好きなくせにそれを作るのがとてもヘタだったんですが、この「酢たれ」はお酢の匂いがマイルドになっているうえにダシと塩が効いているので、そのまま材料と合体してあっという間に「お料理」を一品作ってくれます。

●酢たれ+お醤油+ごま油で ほうれん草や小松菜のおひたしに合うドレッシング(ちょっと中華風)

●酢たれ+塩+オリーブ油で タマネギのみじん切りと茹でたミックスビーンズのサラダ

●大根とニンジンの細切りを和えるとあっという間に「なます」ができる

●カブの薄切りを塩でもんで 「酢たれ」と昆布の細切りを加えて和えると あっという間にカブの甘酢漬け

●茹でたカリフラワーやカブや大根やニンジンやピーマンをこれで和えると あっという間に和風マリネ

●ジャガイモを茹でてこふきいもにして それを潰したものにちょっとたらすと マッシュポテトのサラダ

●ケチャップに酢たれを入れたものをオムレツにかけると あっという間にレストランの味

早いハナシがれ〜ぞ〜庫に入ってるゴボウだろうがキュウリだろうがセロリだろうがトマトだろうがブロッコリだろうがキャベツだろうがモヤシだろうが、なんでも煮たり刻んだりして、それを塩やしょう油やマヨネーズで和えて、それに酢たれをちょこっと加えると酢の物ができちゃう。
しかも美味しくてレストランの味!
おかげで以前冷蔵庫に半年くらいゆっくりしていた私の千鳥酢は(米酢はいつも千鳥酢。京料理の薄味が好きなので)、一ヶ月くらいで次のビンに変わるようになり、おサイフにはキビシイが健康にはいいのではないかと思っています。

私のようにお酢が好きなんだけどどうやって使ったらいいか困っちゃうな〜と思ってる方は、ぜひこの酢たれを作ってみることをオススメします!

ほかにも八方だしという自分で作るダシ醤油や昆布ダシの作り方や、もちろんお料理の本ですから季節感豊かで野菜を多く使うお料理の作り方や、作り置きしておくと便利な保存食のレシピもいっぱい載っていて(キノコの塩漬けとか、ゆで豚とか、なすとししとうのオイル漬けとか…etc.)、それを入れてるガラスの保存容器がカッコいいな〜と思ってたら、近所のお店の料理用品売場で売っているのを見て、つい買ってしまった(笑)。

ドイツのWECKというメーカーで、再生ガラスを使用していて、ゴムパッキンを使って煮沸して中を真空にするとジャムやピクルスを常温保存することができる。というリコウモノなのですが、そんな高等技術はとてもできない私は、キャベツやキュウリの即席漬けを数日冷蔵庫に入れておく容器として使用しているだけです。

 

 

「サルビア給食室のおいしいおべんとう手帖」
ワタナベマキ 主婦と生活社 950円