20082月のトンテンカン劇場

2008/2/28(木)『未来はいつもカスミのかかった向こう岸』

思い返せば2007年はほんっとうにヒドイ年でした…(涙)。
「逃げきれるだろう」と思っていたのが、これは「逃げきれないかもしれないなぁ」…という暗い予感に襲われて、心の中で舌打ちした年でした。これからずっとあとになって、ああ、あの年からだったなあ…とふり返ることになる歴史的な年になるんじゃないかなあ。

なにから「逃げきれる」かと思っていたかといえば、まあ、環境問題です。
人間が住めなくなるのは孫の世代かそのもっとずっと先だと思ってた。
その環境問題を生みだしたのは「自然に逆らう生きもの」としての人間の矛盾で、それを生み出したのは「西洋文明」が発明した「人間主義」と「資本主義」で、つまりキリスト教徒ではない人々もみんななかよく「林檎」をかじっちゃったんだなあ…というようなことです。

去年、これまで経験したことのない雪国なのにまったく雪が降らない「冬。とはいえない冬」があって、アル・ゴア氏の「不都合な真実」と国連IPCCの地球温暖化に関する発表があって、4月に町がまっ黄色に染まりました。
窓ガラスが一夜にして砂ぼこりで茶色になって向こうが見えなくなって、ビジュアルは強力で、これまで理屈で分かったつもりでいたものも目の前で見せられると本当に今世界でとんでもないことが起こってるんだ、とココロもカラダも震えあがった。北極で氷が溶けるのを見ている人の危機感は比べものにならないくらい深いことでしょう。

そしてそのあと私は持病の皮膚病を悪化させて数ヶ月苦しんだのですが、花粉症やアトピーも悪化したと聞くから(汚染黄砂)、今年の春もきっとあの黄色い嵐が来襲するだろうと思うと、核爆弾が空から降ってくるような緊張感と恐怖感で春が来るのを待っています。

でもね。これは人から聞いた話ですが。
数年前にユニ○ロが品質のよいカシミアを安価で売り出し、それが大ヒットしたせいでモンゴルの人たちが羊をたくさん飼うようになって、羊は草を食べるので草原が砂漠に変わり、そのせいで黄砂がひどくなった…(笑)。
たぶん砂漠化の一つの要因ではあるのでしょう。

そんなふうに自分たちがあたりまえと思って送っている日常生活が、遠いところでなにかに影響を与えて、それがめぐりめぐって自分たちの生活に返ってきて被害を与える。

人間がみんなアポリジニやアイヌのようにこの世界は神さまから借りたものと思って暮らしていれば、産業革命も起こらなかったし、原子爆弾も発明されなかったし、グローバリズムの波にもみくちゃにされることもなかったし、自然の法則に従って飢饉の時はみんな飢え死にし、災害が起これば全滅し、ときどき隣の村を襲って収穫物を奪ったりして食いつないで、それでも地球は人を乗せて平和に回っていたことでしょう。
地球は人を乗せない方がきっと平和に回ると思う(笑)。

でも私たちは飢え死にしたくなかったし、天災で全滅したくなかったし、恐竜のエサとして食べられるのはイヤだと思ったし、そうやって生きのびるためにいろいろな技を身につけて、自然と戦う方法をたくさんたくさんあみ出して(武力だけでなく、アタマもいっぱい働かせて)、これまで戦い続けてきた結果の収支決算をそろそろ自然から判断される年度末に至ったのかもしれません。
…あ、確定申告…。

先日TVで家電メーカーの人が「インドのエアコン普及率は2%。これからはインドですよ〜!」と言っていたんですが、平均気温40度以上のインドでエアコン普及率が100%になったら…。インドや中国の人がみんなエアコンと車を持って、石油を消費し、二酸化炭素を吐き出したら。それに続くロシア、トルコ、ヴェトナムetc. 発展途上国の人たちがみんなエアコンを持ち、車に乗るようになったら…?

人のせいにしてはいけません。先日やっと光フレッツにしたらアダプターが三つに増えてしまって、それがぜんぶ電話に繋がっているのでタップで切ることができなくて、待機電力が増えてしまって、省エネっていったいどこのハナシや〜と自己嫌悪。オール電化マンションやユビキタスなんて、それに使われる電力が地球に与える影響を考えたらホントに必要なものですか?

世界はお釈迦さまが下された「蜘蛛の糸」にすがるカンダダとそのあとを追ってくる者たちに分かれて、やがて環境権をめぐって戦争が起こるのでしょうか(戦争は一番の環境破壊なんだけど)。
ヘビの狙いどおり、「林檎」は世界を破滅に導く「スイッチ」になるのでしょうか。

最近小麦の値段が上がって、近所の美味しいパン屋さんのサンドイッチが小さくなってしまいました。はうぅ〜。素材にこだわるところほど大変なんだろうなあ…。小さいお店は自己防衛のために売れ残りを減らそうとして、作るパンの種類や量を抑えるんですが、そうすると買いたいものが無いとお客さんが離れていくという悪循環に陥るみたいで…、あのお店が無くなったら私は途方にくれてしまいます(涙)。

石油や大豆の値段も上がって、そんな私たちの生活を、お願いですから、税金を払いますからどうか守って下さい。とおすがりするこの国の政府は、年金の支給ミスも修正できないくらい無能だということを、これもなぜか去年露呈しちゃって…(笑)。

サブプライムローンが破綻したとき、アメリカがこんなモラル・ハザードを起こすとは…!とヒザを折ったんですが(私はけっこうアメリカ好き)、それで株式市場から商品市場(コモディティとかいうらしい)に「お金」が流れたとかで、これっていったいどういうお金なんだろう。
お金はモノとモノとを交換するときに使う符丁だったはずなんですが、今はモノを持っている人間より「符丁」を持っている人間が世界を動かしているらしい。

どうやら世界が根本からおかしくなっているような気がするのですが、おかしくなった世界をこれからどう修理するのか。修理できるのか。
そんな問題に直面することから「逃げきれる」と思っていたのに、どうやら「逃げきれないらしい」とわかったのが2007年だとすれば、2008年以降はこれまでより難しい覚悟をもって「世界」に対処していかなければならないらしい。
人生ただでさえしんどいのに、これからますますしんどくなるなんていやや〜というところです。

2008/2/7(木)『明けましておめでとうございます(遅っ!)』

いつものことですが、明けましてが遅くなりました。
コリコリあたまを掻きながら、すいません。
昨年中は本当にお世話になりました。今年もどうかよろしくお願いいたします。

2007年は春に黄砂が降って、能登地震が起こって、それから年金が崩壊して、夏にはサブプライムローンが破綻して、そのせいで石油や小麦が値上がりして、12月には新しいコミックスが出て…なんだか波乱の一年でした。

新しいコミックスが出たのは本当に嬉しいことでしたが、でも次のコミックスはいつ出るのだろう…?ごほっごほっ(と、ワザとらしくセキをする)。はるか道のかなたの向こうまで、これからもヨロヨロしながら歩んでいきますのでどうかよろしく。

たしか10月までは金沢でも青空を見たような気がするのですが、それからだんだんとお天気が悪くなって、11月…12月…1月…とほとんど青空を見た記憶が無い…、いつもの冬です。この頃は雪も降ったりして、暗いうえに寒いのはホントつらいけど、暖冬はキモチ悪いので、ちょっとホッとした気分でもあります。

持病の腰痛の方は整形外科へ行った人間が必ず次にとる行動…代替医療(鍼とかマッサージとかカイロとか)にかかっているところです。
いろいろな人から腰痛には東洋医学だよ、漢方薬が効くよとご忠告をいただいたので、落ち着いたら先生とも相談してそちらの方もやっていきたいと思っています。
それにしても日頃の生活態度が大事だよと先生からも言われてしまって、よ〜するに自分で気を付けなきゃダメなんだなあ…とションボリしています。

ところでどうも仕事用のイスの座り心地が悪くて、腰に悪くて、作業効率を下げているような気がしたので、新しいイスを購入することにしました。

これまで使っていたイスは古いオフィス用で、オフィス用のイスって体にそって曲線を描いてゆったりしていて、座り心地はいいんですけど、重心が後ろにあってふんぞり返るカタチになるので、机に向かってペンを動かそうとすると、体は前傾姿勢なのに腰は後ろに引っぱられて、なんとなく腰に負担がかかるような気がしていた。

このイスを買ったのはもうずいぶん前だから、そのあと長時間作業用とかユニバーサル・デザインとかアルゴリズムとか「体に優しい椅子」をうたうキャッチフレーズをこれまでいろいろ聞いたような気がするので、今は技術も進歩してどこかに私のための「腰に優しいイス」があるに違いない。 …と思って

腰痛持ちは体にいいイスを求めて旅に出た。

いえ。
インターネットで調べただけですが、それらしいものはあるにはありましたが、どれだけ優しいデザインなのか、それが私の体型に合うのかどうか、座ってみないと分からない。

というわけで近所の家具屋さんに行くと、ちょうど「学習机フェア」をやっていて(今使ってる机も学習用フェアで買った^^;)、そこに置いてあるイスに次から次へと片っ端から座ってみた。

その中に通販カタログなどでよく見る、曲線に曲がった木の台に二つソファがついてて、高い方のソファに腰をのせて、その前の低いソファにヒザをのせてずり落ちないように体を支えて、足は宙に浮く…という木馬のようなイスがありました。
ノルウェー製で、姿勢が良くなって集中力が増して勉強がはかどるのでノルウェーの学校では広く使われている…などと書いてあって、うっそでしょ〜。こんなのまるで曲芸用のイスじゃないの〜。
と座ってみた。
ほ〜ら、安定が悪いし、体は緊張するし、座り心地が…えっ、メチャクチャいいぞっ?!
その上に30秒くらい座っていると、腰が楽になって、スースー呼吸ができて、ものすごく気分が良くなったので、本当に驚いた。

説明書によると、腰とヒザの二点でバランスを取ると人間の体は整体学的に背骨がまっすぐに伸びる、のだそうです。

でもこのイスは回転ができないし、72時間徹夜してフラッとしたときに(そ〜ゆ〜ことするから腰痛になる!)背もたれが無いと、床に倒れ込んで右手を骨折するかもしれないし…と、結局最低限の背もたれが付いてて、ソファ部分が二つに割れてHIPを包み込み、ちょっと前傾体制で、座るときは足を90度に開いて股関節に無理をかけないよう座るというシステムの、日本製のイスを買いました(コイズミ製)。

これも日本の学校や塾で使われているという、とても腰がラクで座り心地がいいイスなんですが、動いたり回転したりするときにちょっと不自由で、「さあ、勉強せいっ」って後ろからムチで脅されてるカンジの学習用特化なんだな…。

良し悪しは一長一短、ですね。
新しいこのイスは仕事をしているときはいいけど、資料調べであちこち動いたり、机の前で考えごとして中途半端にのんびりしたいな、というときはちょっと不便。

オフィスチェアってきっと人が出入りするオフィスで作業しながら、資料を調べたり、いろんな人と話したり、あれこれ指図したりするために設計されてるんだろうね。

ふと気が付くと近所の杉の木は早くも茶色の花を付けて花粉をばらまく用意を整え、春になると海を越えてまた黄砂がやって来るのだろうと今年も覚悟しておりますが、みなさま方もくれぐれもお健やかに無理をしないでお体に気を付けてお過ごし下さい。