200111月の トンテンカン劇場


2001/11/30(金)『つかの間の小春日和は終わり、金沢は冬に突入』

壊れたCDプレイヤーが、やっと直って帰ってきました。
嬉しい〜っ(感涙)。
MERIDIAN 506はいい音だけど、とっても金属音だったので、またCDを聴くのが苦痛になり始めていたところだったので、本当に嬉しいです。
レーザー読み取り部を総取り替えしたそうで、ほとんど新品です。
なんで壊れたんですか?と聞くと、LINNがいうには「初期不良です」。
初期不良…なんだかよく聞いた言葉だ。
これに続くのは「だから初期ロットは買っちゃいけないよ」。
おまえはLINNの皮をかぶったMacか…?

いや、最近のMacは製品管理がしっかりしてきたようで、昔ほどの初期不良はなくなったようですが(笑)、私が愛するものはみんなワキが甘いんだろうかとちょっと落ちこみました。

でも、やっぱり、LINNの音はいい。と、再び、いえ、何度でも強調させていただきます。
高音の伸びとか、低音のレンジの響きとか、MERIDIAN 506や以前のKENWOODのCDプレイヤーの方が、よく、遠くまで響いて、情報量としては多いかもしれないんですが、 LINNは人が歌う声や楽器が鳴らす音を、そこで演奏しているように、何キロメートルも、何年も何十年もへだてて、お茶の間にはるばる届けてくれるんです。
人が聴きたい、あるいは心地よいと思う音の情報量には限度があって、LINNはそれを心得ていて、デジタル情報に微妙な操作を加えて、そういう音になるように加工するようです。
人間の耳と神経レンジに合わせたそのバランスが、LINNのハイ・テクなのかもしれない、と思います。

いっぽう壊れた私の腰の方はといいますと、い〜っぽ進んで二歩下がる、じゃなくて、さ〜んぽ進んで二歩下がる〜。

よくなったなあと思って、冷え込んだりすると、また起き上がれなくなったりして、ぐずぐずしているうちに、16日に東京へ行ったんですが、金曜日、ヒコーキは満員だったので、北陸線の「はくたか」で越後湯沢まで行って、そこで上越新幹線の「あさひ」に乗り換えたんですが、 金曜日の上越新幹線は中央線だった…(笑)。

新潟ですでに立ち席が出てて、越後湯沢では通路ぎっしりになって、新潟から東京までは、二時間、越後湯沢から一時間なんですが、だからまあ私も、東京から立川あたりまで乗ってるつもりで一時間がまんしたんですが、たしかに二時間は東京のビジネスマンの通勤距離だから、単身赴任のオジサンたちが洗濯物の入ったボストンバックとともに、金曜日に埼玉や八王子の家に帰り、日曜の夜に新潟に戻るのも当たり前なのかもしれませんが、おつきあいするこちらの身にもなっていただきたい。
ヒコーキは観光客が多いせいか、こういう局部的込み方はしないので(金沢ー越後湯沢間の「はくたか」は空席があった)、新潟のオジサンたちが毎週、こんなふうに民族移動してることを、今回初めて知りました。
オジサンたち、負けないでね。ドリンク剤飲んで、がんばって下さい。
でもあんなこと毎週やってたら、寿命縮むよ。。。

16日に上京したのは、H・アール・カオスの「ロミオとジュリエット」を見るためです。
H・アール・カオスは今話題のダンス・カンパニーです。
すごく面白かった。
そのうち「JUNE」に観劇記が載りますので、よろしくね(^^;)。

せっかく上京したんだから、もっといろいろ遊びまわろうと思ったんだけど、体調は悪いし、絵を描いている途中だったので、早く続きが描きたいと翌日絵の具や筆を買って金沢に帰りました。

ところが帰ってから、腰痛はぶり返す、悪いものを食べたわけでもないのに胃が痛む、眠くて眠くて起きたと思うとまたすぐ寝てしまう。はては熱っぽいと、計ってみると37度。次に計ってみると37.4度。次に計ってみると38.2度。
すわ、肺炎か〜?

ところが熱はすぐ下がる。でも気管の熱っぽさは取れなくて、ムリをするとまた熱が出る。イヤな予感。セキや鼻水のハデな症状はないのに、筋肉痛と空咳が続くこの症状は、春にかかったインフルエンザそっくり。ひょっとしてウィルスは夏のあいだお休みしていただけで、寒くなってまた活動をはじめたんじゃないの?
「風邪のウィルスは二週間しか生きていません。あなたの考えは非科学的です。御自分の不摂生が風邪をひきやすくさせていることを反省なさい」とお医者さまに言われ、「はは〜、おっしゃるとおりです〜」(平身低頭)

でも、なかなか抜けないんですよ。
プロポリスは外にいる細菌から体をプロする(守る)ためには働くけど、体内に入った病気を治すためには朝鮮人参やローヤルゼリーの方が効いて、それも漢方薬系の緩慢な効き方で、抗生物質は劇的に効くけど、劇的に体内の免疫システムを破壊するので、病気は治るけど体ボロボロになっちゃうし(笑)、いったん壊れた健康維持システムは、戻すのに一苦労します。

寝込んでいるあいだに、買ってあった『アメリカン・デス・トラップ』(J・エルロイ 文芸春秋)を読みました。
本屋さんで見たとき、「あ、まずい」って思ったの。
エルロイは好きな作家ですが、もともと小説が読めなかったのが、最近ますます読めなくなっていて、とくに今は時間が無いし、ずっと待っていたエルロイの新刊だからと買ったんですが、書評も出たけどみんな「読みやすい小説ではない」って書いていたし(笑)、しばらく読めないだろうなあと思っていたら、横になることを強制されて、ヒマだからと読み始めたら、イッキに読んでしまいました。

『アメリカン・タブロイド』の続編です。
( 時期に合わせて、文春文庫から出ましたね。オススメします!)

私がエルロイを好きなのは、小説を物語で描くのではなく、登場人物の情念というか、これは日本的な概念かもしれないので、アメリカ人的には自意識とでもいうのでしょうか、それを前面に出して読者を引っぱって、最後に物語を完結させるところかもしれないと思います。

物語は1963年のJ・F・ケネディ暗殺から始まって、1968年4月 マーチン・ルーサー・キング牧師暗殺。1968年6月 愛しのボビー(ロバート)・ケネディ暗殺。
まことに…アメリカが清らかだったことは一度もありません。

60年代というのは、山口文憲さん的にいうと「うちのママは世界一」で「パパはなんでも知っている」古き良きアメリカが、その欺瞞をハナ先に突きつけられて、自己解体しつつも「理想の国」再建の道を探り続けた「激動の時代」だったのかもしれません。
ヴェトナム戦争がクライマックスを迎えるなか、最後に許されない罪を犯したウェインが、次の作品でいったいどこまで堕落するのか、楽しみにしています。
暗くて救いのない話でありながら、情念で語られ、破裂する話は、なぜか読む人に浄化作用をもたらすようで、この小説を読み終わったあと、私はしばらく幸せで精神状態が安定しました。

 

2001/11/1(木)『人もモノも壊れる…秋』

桜の木はすでに落葉しました。そろそろ紅葉が本格的になりそうな金沢に、突如響きわたる「いった〜い!」の悲鳴。
久しぶりにやっちゃいました、ギックリ腰(^^;)。

飯田橋駅の階段でグキッと切れたのは、東京を動きまわる体力で、そのあと大阪から姫路をまわって金沢に帰ったときはグッタリ疲れ果ててたんですが、帰ってからも毎日テレビでニュースを見て、テレビを見ていない時間はCDを聴いていて(笑)、一日が24時間やら30時間やら、いつが朝やら夜やらわからなくなって、ふと気付くとストレッチ体操をサボるようになっていて、マズイなあ。
重いものを持ったり中腰になったりするとピリッとくるようになって、あ、悪化してると思いつつ、このところギックリ腰が出ていなかったんでつい油断しました。
熊本旅行で歩き回って疲れて、これは本当にイカンと一大決心して、久しぶりにストレッチ体操。腹筋20回、逆腹筋4回、腰回し20回のつぎは前屈、両手を床に着けたとたん、グキッ

ああ、懐かしい。久しぶりのこのカンジ。直立ができず、歩くときは背中を曲げて足はガニマタ。くしゃみやセキをすると背中から全身にビリビリ走る激痛。いつものギックリ腰。
この「いつもの」というのが要注意。私のは病院に運び込まれて痛み止めを打って「絶対安静」というドラマチックなギックリ腰ではなく、一週間ほど横になって寝ていれば治る「ものぐさ病」です(原因も)。

特に今ははやく熊本でお世話になった方へお礼を送らないと不義理をしてしまうし、冷蔵庫の中はカラッポで買い出しに行かないと飢え死にするし、お天気がいいうちに買い物をすませないと連休が来て、町もデパートも人で身動きとれなくなっちゃうし、H.P.も改造したいし、父のドライブに付き合って白山スーパー林道と永平寺に行かなきゃならないし、11月にまた東京に行くんですが、雑用が遅れてそのあとのスケジュールが押したら予定がぜんぶ狂ってしまうし、12月もたぶん上京するんですが、仕事とぶつかるとその準備もできなくなってしまうし、マズイ。ものすご〜くマズイ。

しかも、たかが腰痛です。アタマも内蔵も気管支も健康でピンピンしてるんですよ。悔しいったらありません。よくもこんな時にギックリ腰なんか来たわね〜と、自分の不摂生をタナに上げて、どうせ一週間も寝てれば治る軟弱腰痛のくせにナマイキよ、っと怒りまくり、「のんびり寝てる余裕なんかな〜い!!!」っと買い物に出たら、5分で歩けなくなって、泣きながらガニマタでUターン、ベッドに倒れ込んでそのまま起き上がれなくなりました。

翌日目覚めると痛みは軽くなるどころかひどくなっていて、これはちょっと面倒かもしれない…と悩んだあげく、夕方に車でおなじみの鍼灸師さんのところへいってチクチク鍼を打ってもらったら、帰りは歩けるようになったので、「もうダイジョーブ」と食料品の重い袋を下げて、散歩散歩と長い距離を歩いて帰ったら、翌日目覚めるとまた歩けなくなっていた(笑)。
バカだ〜、私(どんどんどん)。
軟弱な私の腰椎よ、ホント、時間が無いんだ。頼むから早く治って元気になっておくれ…。

おまけにLINNのCDプレイヤーまで壊れました…。おいっ?
突然音がポンポン飛ぶようになって、「あれ、おかしいな」と思っているうちに、CDを差し込んでも認識しなくなって、ボタンを押してもウンともスンとも動かなくなって…キミ、にじゅうごまんえんでそれはないんじゃないかい、なんで買って一ヶ月で壊れるの?音がいい機械は体が弱いの…?
オーディオ店の「Dig」さんが修理のために取りに来て、かわりにこれを聴いててくださいと置いてったのが、英国のBOOTHROYD STUART MERIDIAN 506というCDプレイヤー。変わったキカイばかり扱うところだね。大英帝国ってところで合わせてくれたんだろうけど。
音の伸びや細部を再生する能力はすごいんですが、それをぜんぶ金属音で再生するので(以前使っていたKENWOODに似てる)疲れる、疲れる…。これだと長時間聴いていられません。
愛しのLINNよ、早く元気になって私のところへ帰ってきておくれ〜(涙)。

* * *

おっとっと、音響機器でひとつご報告!
金沢には「金沢蓄音器館」以外にもう一つ蓄音器コレクションがあるということを最近知りました。
兼六園の近くにある「県立歴史博物館」は、数年前まで金沢美大の校舎だったところで、その前の戦前は金沢駐屯の第七歩兵連隊(第九師団かもしれない)の弾薬庫という、煉瓦作りの明治末期の建物です。展示物は石川の縄文土器とか江戸時代の商家とかどこの県にもある(熊本にもあった^^;)もので、建物ほどの価値はない(笑)。
そこに鞍信一さんという方の蓄音器コレクションが収蔵されています。
鞍信一さんというのは戦前モボ(モダンボーイ)として遊びまわって、戦後は喫茶店の店主をしていた「地方の有名人」。そのお店にクラシックを時々聴きにいっていた私は、文化の香りをかぎたいとちょっと背伸びしていた高校生(^^;)。
10年ほど前に鞍さんが亡くなられたあと、戦前からのばく大な蓄音器コレクションが「県立歴史博物館」に寄贈されました。数年前に私が聴いて感動した蓄音器はどうやら「県立歴史博物館」のコレクションらしい。常設展示ではなく、毎年6,7月にだけ特別公開するそうです。
一方 「金沢蓄音器館」は「山蓄」という戦前からある大きなレコード屋さんの社長さんが集めた蓄音器コレクションを金沢市に寄贈したもので、いつでも見られるし、定期的にコンサートを開いています。

すごいね、金沢。蓄音器だらけだ! 蓄音器お大尽だね。こんなに蓄音器をたくさん持ってる市町村ってそうそう無いんじゃなかろうか。
この二つをまとめて、さらに日本中からお蔵に眠ってる蓄音器をつのって、「日本蓄音器博物館」を作る予定はないのか?…ないのか!?

 

 

これは尾張町にある方の金沢蓄音器館のレポートです