200012月の トンテンカン劇場


2000/12/29(金)『Flashアニメは輝く流し目で私を誘う』

とーとーFlashアニメに手を出してしまった。
といってもまだ雑誌の付録に付いてきた「Flash5.0」のお試し版です。

ウェブで使われているアニメーションを作るソフトとしてその名も高い「Flash」はMacromedia社の製品で、同じMacromediaのWebページ作成ソフト「Dreamweaver」+Web用画像作成ソフト「Fireworks」にこの「Flash」を揃えると、Webページ作成でたいがいのことは出来るといわれる三種の神器、「Macromedia三兄弟」と呼ばれています(?)。

ようするに原理はパラパラ漫画だと思うんですが、最初と最後のグラフィックを指定すると、「タイムライン機能」とかいうのを使って、そのあいだを自動的に埋めてアニメ作ってくれたり、画面が勝手に動いたり、音が入れられたりするという…ワケの分からないソフトです。
それらを複雑に組み合わせると、アニメやムービーばかりか、ゲームまで作れるらしくて、しかもファイルサイズが軽い!というので、今いろんなところで使われてます。
オフィシャルの映画サイトのムービーもかなり「Flash化」しています。
動きがぎこちないけど、とにかく軽い。ってムービーは、そうです。

私にとっては次に手を出してみたいソフト・ナンバーワンでした。
このソフトの名を呼ぶとき、いつも両手を上げて「マクロメディア」と一息に「フ」で一拍おいて「ラーーーシュ!!!」と○○戦隊の○○レンジャーのポーズを取ってしまう。なぜか分からないが、いつもこのポーズを取りながら「欲しいなあ」と思っていた。
たぶん「踊る大捜査線」と「中田英寿サイト」を見て以来。
両方ともすっごくカッコいいオープニングムービーを「Flash」(だと思う)で作っていた。

プロデザイナーの「芸」は私にはとても出来ないが、まあWebページをちょっとでも動かすと楽しいんじゃないかな、っと。

「Flashムービー」を作ること自体はカンタン。
グラフィックを動かすことはすぐできた。
それを直そうとしたり、思い通りに操作しようと思うと、メニューやウィンドウが多くて、どこで操作していいのか分からなくなって…ああ。
この道はいつかきた道。
操作ポイントが多すぎて道に迷うのはMacromediaの業なのか。
機能が多くていろんなことができるってことなんだけど。
でも「Painter」はMacromediaじゃないけど操作ウィンドウが多かったな、ぶつぶつ。

テキスト、グラフィック、さまざまの要素を組み合わせて 「なにか」を作るWebページ作成は楽しい。
特に「瞬間芸」の楽しさときたら、多種多様のスタイルとインパクトがある。

過ぎ去っていく一瞬の感覚に賭けてあとに何も残らない「芸」というのに、昔からひかれるクセがあるようだ。
お芝居に惹かれるのもこのせいじゃないかと思う。
Flashアニメを見て、これは宝塚の舞台の上でスターの流し目に捕らえられる一瞬に似ていると思って以来、いつか私はFlashアニメをやらなければならない!と決心した…すごい三段論法(笑)。

そしてとうとうなんとか初めての「Flashアニメ」を作り、ここに目出度く公開するに至ったわけです。ぱちぱちぱち。

第二弾は、さあて、どうなりますか。

製品版を買うかどうかは、今迷っています。
だって私はWebページで食べてるワケじゃないシロートだもの。
4万円なんてお遊びには高すぎる。

おまけに「Photoshop」も「6.0」にバージョンアップして、「えっ、一年もたたないのに三万円?」(5.5から6.0へのバージョンアップ料金。これで「Flash5.0」が買える)と思ってるうちに、まだ使い方もよく分かってない「Dreamweaver3」と「Fireworks3」が「4.0」にアップするに至っては。
ちょっとぉ、いいかげんにしてよぉ。

これは、あれですね。以前の「トンテンカン」でも書いた、今空の彼方で「Photoshop」のAdobe帝国軍と「Dreamweaver」のMacromedia連合軍の「スター・ウォーズ」が戦われているせい?
(インターネット・ソフト界をどちらが支配するかでし烈な争いをしている、らしい)

競い合うことでソフトの性能がアップし、使いやすくなるならいいけれど、最近のバージョンアップは「ここまで必要なの?」って思ってしまう。
Webデザイナーじゃない一般ユーザーは、なにがどこまで必要なんだろう。 分からない。
ふつうの個人ユーザーにもプロデザイナー並みのことが出来るってことは、プロデザイナー並みのお金と時間のコストを払わないと、いつか自分のマシンが動かなくなるってことじゃないんだろうか。

近頃ソフトの進歩にはちょっと懐疑的で、文化系はローテクにしがみつこうかしらと思っているんです。

2000/12/25(月)『 サバとアジの日々』

ところで私の眼医者遍歴について少し書きます。

最初に行った近所の眼医者さんでは「近視が進んでます」>パソコンのせい、と言われ、満を期して行った国立病院では、暗い部屋で検査機械に向かってこちらをロクに見もせずにカルテを読む先生に、「疲労ですね。目を使わないように。はい、次の人」と言われました。

この病院は15年ほど前に母が入院してた病院で、ずいぶん立派になったなあ、でも売店の狭さは変わらないなあとウロウロ散策して帰ってきました。
国立病院の先生は大学病院の先生が一年単位でかわるがわる来るそうです。
ただし付属の看護学校があり、そこで徹底的に教育を受けた者が国立に入るらしくて、看護婦さんたちがすっごく優秀でした。

病人をかかえたいろんな人と話をするたびに、いつも「医者より看護婦さんだね」という話になるのですが、見てて涙が出てくるくらい努力して下さったあの時の国立病院の看護婦さんたちのハードボイルドな勇姿を私は死ぬまで忘れないし、感謝と尊敬を払い続けるし、見ていてムチャクチャやがなこれ…と思った労働環境は何とかすべきだと思う…。

で、次はどこに行こう…と途方に暮れている私に、金沢に親戚がいるという編集さんが有松の「藤村眼科医院」を紹介してくれました。

1月6日発売の「月光の帝国」第三回の原稿を仕上げたあと、行ってみたら、ホントーにいい先生だった。
眼精疲労と老眼が入り交じった複合的症状で、老眼鏡作れとか、病気としては後部硝子体剥離とか飛蚊症とかいうものだが、病気とかそういうことではまったくなくて、もうトシなんだからこれからは気を付けなさいと全部ちゃんと説明して、こうしろああしろと指示してくれました。
これからこの先生についていこうと思っています。

そんなこんなでお騒がせして申し訳ないと平謝りするばかりの最近ですが、なんだか体調は絶好調!を記録しています。

ビタミンAとビタミンBを取ろうと煮物、おでん、ポトフを作って、毎日オニのようにニンジンやジャガイモ、ほうれん草、大豆製品の豆腐や油揚げを食べています。
ずっと自分で作っていると、できあいのお総菜とかコンビニのお弁当は不味くて食べられなくなりますね。
その上、朝鮮人参、プロポリス、ローヤルゼリーもいつも以上に取っています。

それに加えて、11月から東京の友人が金沢に来て、近くのホテルに居続けで仕事をしていて、食べることだけが喜びという彼女に付き合って割烹やおでん屋さんや寿司屋さんで、ゴールデン・デリシャスな夕食が続きました。
こうばこガニ(これは子持ちのメスガニで、オスはズワイガニ。私はどっちも食べるのが面倒で、たま〜にでいいわ派ですが )、サワラのトロ、寒ブリの刺身、シマアジの刺身(筋肉質で美味しかった!)、甘エビの刺身に赤いかの刺身(とろ〜り)、のどぐろばちめの焼き物、白子の天ぷら、甘くてほっこりぶり大根、そして…ひもきゅう(ホタテのひもとキュウリを海苔で巻いたもの。あっさりの中に脂がジワッとしみている)なんてものを毎日食べておりました。

友人は寒ブリのはらみ(腹の身、ですね。トロだと思うんですけど)が気に入ったようですが、私は寒サバをちょっとシメてすし飯の上にのせたものが忘れられません。
サバなんて下魚、とバカにしてはいけませんね。
日本海の寒サバは太平洋岸でとれるサバとはちょっと違う。脂が乗るこの時期にさらにあっさり生臭さが消えて、サバ特有の身のパワフルさが強調されて絶品の味になるようです。
冬の日本海は寒ブリではなく、寒サバかもしれないと最近考えなおしつつあります。

とにかく眼精疲労者が取らなくてはならないのはビタミンAとBです。
その成分表のどこにでも顔を出すのが、サバ、アジ、イワシなどのひかりもの(あお魚)。加えて頭がよくなるというDHA(いつも本当の名を忘れるので、アンタガタドコサイクダヘキサンと覚えている)も豊富な、泳ぐビタミンがサバ、イワシ、アジです。
そんなわけで、最近近江町で買うのも、寿司屋で注文するのもサバ、イワシ、アジなどのあお魚ばかりで、ひかりものでキラキラ輝いて、健康な上に経済的な日々を送っています。

 

2000/12/5(火)『すいません』

「月光の帝国」の三回目を落としました。

じつは一回目の締め切りの数日前、寝て起きたら右目に糸くずみたいなものが現れて、ピョンピョン飛び跳ねて、ウチは祖母は白内障、父は緑内障の家系なので、うわ〜っ!とゲンコー放り出して眼科に駆け込んだら「疲労です」と言われました。
ホッとしましたが、まだ心配だったので、国立病院にも行って見てもらいました。
そこでも「まだ病気ではない。単なる疲労。」とのことでした。

ところがこの「眼精疲労」、日常生活にはまったく影響がありません。
ちょっとモノが見えづらくなって、本を読むのがツラくなったかな。 メガネ変えようかな、と思いつつ、そのままほったらかしておくだろうな。 ってカンジでした。
パソコンでなったんだろうなとは思いましたが、そのパソコンを使うにも不自由がなかったし、漫画家でさえなかったらそのままほっておいたんじゃないかと思います。

二回目の締め切りに突入した時も、なんかヘンだな、いつもと違うな、と思いつつ、疲れてるんだろうと思っていたんですが、どんどんひどくなって、三回目のネームにかかる頃にはネームの文字も読めなくなって、下絵からペン入れに入る頃には、ぼけたりくっきりしたり視界が点滅するようになって、二重、三重に見える鉛筆線をペンでなぞろうとすると、グサグサの線を描いて、うわあ〜、これは大変なことになったぞとやっと自覚して、これは病気だ、治さなくちゃと真剣に思い始めました。

しかし、治すといっても「眼精疲労」には「野菜と果物を取ること」と「目を使わないこと」以外に治療法がありません。
「目を使わないこと」は無理なので、ポトフやらおでんやら煮物やら作って、毎日ニンジン一本を食べるようにしました。
ほうれん草の油炒めも作りました。
ポリフェノールが効くというので、赤ワイン、チョコレートも食べました。
ウナギとウナギの肝の蒲焼きも食べました。
ブルーベリーもヨーグルトに入れて食べました。
愛飲していたプロポリス、朝鮮人参、ローヤルゼリーに加えて、キューピーコーワiも飲みました。
お医者さんでもらった、たぶんビタミン剤の点眼薬に飲み薬錠剤も飲み、サンテ40Hiもしょっちゅう使いました。

でもこーゆーのはどれも慢性病を治すための体質改善薬ばかりで、対症治療的即効性のある薬、例えば注射してすぐ効く「抗生物質」みたいなものは「眼精疲労」には無くて、どれもめざましい効き目はなく、「月光の帝国」三回目は落としてしまいました。
今、一月発売の「トムプラス」に載せようと毎日少しずつ、無理をしないように目をあやしながら、描いているところです 。

「月光の帝国」第一回目はかなりのストレスがかかっていたので、ああ、しょうがないかなあと思うんですが…。
読み切りと違って、連載というのはずっとそれが成功するか否かという不安をかかえ続けて、執筆期間が終わっても解放されることなく、またすぐ次の締め切りに突入して、精神的にかなり縛られるところがあります。それに耐えようとしてグッと無理すると、体に来てしまう…というわけで、今までも月刊連載をするたびに、あんな病気やこんな病気を引き込んできました。
ストレスから来る心因性の病気は、たいがい慢性病で、完治しないまま、それをあやしながらやっていくのが私の漫画家人生なのですが、眼精疲労で命がどうこうということはないですが、これは今までで一番困る病気かもしれません。

眼精疲労にはこれが効くとか、私はこうやって治ったとかいう体験談がございましたら、どうか教えて下さい。治療法を書いた本とかありましたら、教えて下さい。いい眼医者さんをご存じでしたら紹介して下さい。

潮出版さんにも、楽しみに待っていた読者の方にも多大のご迷惑をおかする事態になってしまい、本当に申し訳なく思っています。
私としても描きたいのに目がおかしくて描けないというこの状況は自分でも悔しくてしょうがありません。

とにかく今は目を治すことを第一に考えて、これからは生活に気を付けて、二度とこういうご迷惑をおかけしないようにしたいと念じております。