神戸はおしゃれ散歩がよく似合う

 


サンダーバードに乗って大阪で列車を降りると、駅を歩いてる人がみんな目がぱっちりしていて、鼻筋が太くて通っているのにいつも驚く。
関西は美男美女率が高いんじゃないかと思う。
男はみんな沢田研二と平井堅で、女はサカタヤスコかモリワキマスミなのだ(二人とも関西系の美女)。

眉がちょっとこゆくて、男はあつくるしく、女はいい女系の、沖縄ガオというのがある。
秋田ガオというのもあって、色白のもち肌のこけしのような目鼻立ちで、よーするに典型的日本の美男美女を産出する。
昨年初めて九州に行った時は、南国ガオとも違う、これはこれでまた特徴のある顔を多く見かけて、九州民族はクマソじゃないらしい…。

というわけで、いろんな人の住む多民族国家日本の中でも、美男美女が多い関西に旅行することは私にとってはとても楽しいことで、そこから神戸に行って阪急電鉄宝塚線に乗ってウロウロするのは着飾ったおハイソな集団を多く目にすることなので、私にとって大阪ー神戸ー宝塚周遊旅行はいつも人生の休日、目の保養になる楽しい旅です。

今回、神戸の友人の案内で神戸ハーバーランドへ行った。
ここは今神戸で一番トレンディなスポットだそうで、南欧風の町並みを模したブティック街に帽子屋さんやアジアの民芸品店や気の利いた雑貨屋さんが入っていて、二階の食堂街にはこれまたエスニック料理のお店やイタリアンレストランなど、コンセプトもインテリアもおしゃれな店が入っている。
買い物をしながらブラついたり、お茶を飲んだり、アベックは遊園地の観覧車に乗ったり、港に面したテラスで語り合ったりして、夜景を見ながら食事したりするらしい。

周辺にはファッションビルが立ち並んで、あ〜でもないこ〜でもないとウィンドウ・ショッピングしてるだけでおしゃれでリッチな神戸っ子気分になれる。小物や輸入アクセサリーやカバンがかわいくて、どれもぜんぶ欲しかった〜!
オリジナルやインポートものを売るブティックも、ユナイテッド・アローズやSHIPSなど有名なセレクトショップも、神戸店は東京や金沢とは品揃えがまったく違って、カラフルで見てるだけで楽しい。はっきりしたカラーを打ち出す神戸テイストはイタリア、それも南の方にちょっと似てるような気がする。

今年の流行はカラフルでお花やラインストーンが付いてて女の子っぽい、去年までの「ベトナムのおねえちゃん」ふうにコンサバを加えた感じかな?
三宮や元町をうろついて阪急線に乗ると、ワンピースを着てこういうカバンを手にさげたお嬢さんたちが数人連れだっておしゃべりしてたり、街を歩いていたりする光景をよく見かけて、私はその度に感動してその集団を眺めてしまった。

ハンドバッグは私もいろいろ持っているが、あれは左手の筋肉を無理な形で緊張させるので、イザ外に出るとなるとつい肩下げバックやリュック、それもB4原稿が入る(笑)巨大サイズのものばかり選んでしまう。神戸のお嬢さんたちは機能性と体の健康をカミサマにすると、生きているのがつまらなくなりませんか?と私に人生の喜びを教えてくれたような気がする。

南京町を流して、雑貨屋さんやアンティーク・ショップをのぞき込む。
アンティーク・ショップといえば、神戸は観光名所「異人館街」自体が巨大なアンティーク展示場だし、ヴィトンやフェラガモなどのブランドでストリートを埋めた旧外国人居留地もあるけど、この町ははとにかくアンティーク・ショップが多くて趣味がいい。外国人が多いせいで、目が肥えてるのかな。そのうちアンティーク店めぐりをしに神戸に行きたいなあ。

今若い女の子のあいだで「中国茶」をいれて飲むのが流行ってるんですと、連れて行かれたのが「LOIS CLAYON」というお茶の店(同じ名前のブティックがやっている)。観葉植物の繁るなかに仏像などが置かれ、その間に水が流れ、業界人の打ち合わせによく使われそうな無国籍アジアンインテリアのお店。
メニューにはいろいろな中国茶が並んでいたが、そこのコーヒーのオススメに「サイゴン・カフェ」という名が付いているのを見て、今は無き南ベトナムの首都サイゴン(今はホーチミン・シティ)の名前を冠するこの不穏なコーヒーはいったい何〜?と注文してみたら、アルミニウムのドリップ器の下に、生クリームではなく練乳を入れたガラスのカップを置いて、そこにコーヒーをポタポタたらす。

練乳はとても甘く、ベトナム産の豆のせいか、ドリップ器の作りが素朴なせいか、コーヒーは舌を刺激するワイルドな味で、うわっ、これは植民地の味だ! と、さらに不穏なことを口走ってしまって、おっとっと〜っ。私は一時期ベトナム戦争のことを調べていたことがあって、不味いとはいわないが妙に荒削りで強く迫ってくるこの味は、温度と湿気がまったく違う土地でフランス人たちが故郷の味を思いながら作り出し、クーラーではなく天井に扇風機がくるくる回るカフェで戦場から帰ったアメリカ兵や戦場特派員たちがひとときの平安をかみしめながら、今度出かけていくジャングルから帰ってこられるんだろうかと自問しながら飲んだんだろうなあと意識が一瞬トリップしてしまった…。
サイゴン・カフェ、もしくはベトナム・コーヒーはちょっと最近流行のファッショナブル・ドリンクだそうなので、機会があったら飲んでみて下さい。重くて悲惨な歴史が作り出した飲み物がファッション・アイテムになるのは、この地域が今は平和になったんだなあ…。

それから有名な「高架下」に初めて行きました。
おお、これが西村しのぶさんの「下山手ドレス館」に出てくる「高架下」かぁ!と大感動。JRの高架の下のアーケード街で靴屋さんが多い。安い靴から輸入物の高い靴までものすごい量の靴!靴!靴!のオン・パレード。神戸っ子はカバンと靴に命をかけるそうで、スタイリッシュでハデでキュートな靴がズラッと並んでる。他にも雑貨屋さんや洋服屋さんなどなど。 「昔はもっと汚かったんだけど…」と神戸っ子のいう、闇市の香り漂うファッション街。
そこで買ってしまったのがこれです。
漫画家はウチでする仕事だから、ヒールのあるパンプスははき慣れません。私も近所を歩き回ったり、旅行先ではいたりするために、ズックとローファーを愛用しています。前のが疲れてきたので新しいのを探していたのですが、近所の靴屋さんにあるのは流行にあわせたデザイン・ローファーばかりで、古典的ローファーがほしいんだけどなあと困ってた。(REGALは足形が合わなくて、6,7万のGUCCIなんてとてもとても…)

G.H.Bassというアメリカの会社のローファーで、とってもキレイなあめ色のなめし革。ところがはいてみたら甲がキツくて「ダメだ〜」といったとたん「ローファーはすぐ甲が伸びてダボダボになる。アンタにはこのくらいでちょうどいい!最初はストッキングではきなさい!」と雷のようなおオジサンの声が落ちた。その勢いに気押されてつい買ってしまったのだが、ウチへ帰ってストッキングではいてみると、ホントにたしかに甲が伸びてすぐに足に合うようになった。ソックスではけるくらい伸ばそうと、今のところこればかりはいているのですが、お天気が悪くてなかなか外へ出られない。赤い鼻緒のじょじょはいた〜みよちゃんになってしまった。

 

「神戸の若い子って、みんなオシャレでメッチャかわい〜!」
「自宅だからみんな電話代を親に払わせてるんです。東京は下宿だからタイヘンでしょ?」
ああ、そうなのだ。
最近洋服屋さんがつぎつぎ潰れているのはユニクロのせいではなく、ケータイ電話料金のせいだといわれている。
この頃東京へ行って中央線に乗ると若者の服装がどんどん汚くなっているのに驚く。 あんたら全共闘世代か…ってくらい学生のファッションがGパンにヨレヨレのジャケットで、三十年くらい昔に戻っているのだ。
十年ほど前のバブルの頃、東京の学生はみんなブランドものに身を固めていた。バイト代が高かったんだろうな。
30代のサラリーマンで、今より学生時代の方が稼ぎがよかったとボヤいてる人、多いんだろうなぁ。

こんなにトレンディ・スポットへ行ったのは、案内役の友人がマーケティングを仕事にしていたからですが、「マーケティングやるなら宝塚を見なきゃね〜!」とその手を引っぱって、翌日一緒に宝塚へ行きました。 …続く。

 

宝塚の一日へ続く…