スケッチブックに描いたルネサンス風のいたずら書きです。
たぶんフランコ・ゼフィレッリ監督の映画「ロミオとジュリエット」を見て以来、ルネサンス風の衣装のフォルムや材質感にひかれるようになりました。
中に人が入ってなくてもそのまま立っちゃうような重い織りの布地に、金糸や銀糸が唐草やいろんな模様を浮き立たせて、コスチューム展とか舞台衣装展とかで目の前で見ると、もうこれだけで芸術や〜とすそにすがって泣いてしまいます。
どういうアクセサリーを合わせるかとかも、楽しくて重要な問題だったでしょう。
フィレンツエは今も昔も金細工や宝飾品のメッカです。
たしかこの時代のタイツは、キッド(子羊の皮?)仕立てだったと思う。 柔らかくてキレイに染色できたからかな。
アルマーニやロメオ・ジッリなどのイタリア・コレクションを見ると、あんたら同じことやってるねえ。
刺繍の美しさも皮の使い方も、ルネサンス時代と同じ。
ひとりひとり払えるお金は安くなったけど(笑)、イタリアには今でもあの時代と同じ時間が流れている。キレイなものが好き、キレイなものを身に付けたいというイタリア人の「欲望」は今も昔も変わらない。

群青でちょっと暗めにまとめたこのイラストは、メディチ家の参謀だろうか?それともピコ・デラ・ミランドラ?(フィレンツェのメディチ家のロレンツォが主催していた「プラトン・アカデミー」の人文主義者)
やがてヨーロッパの絶対主義に破壊される「フィレンツェの春」は 、どこか悲しいものがあります。私にとっては。
コシモ、ピエロときて、三代目のロレンツォの時代にメディチ家は隆盛を極め、それはフィレンツェを中心とするイタリア・ルネサンスの絶頂期なのですが、ロレンツォにはもうすでにこの繁栄は続かないという予感がありました。
ロレンツォの浪費癖もありますが(笑)、ヨーロッパ自体の変化もあって、個人では時の流れに逆らえないことを、彼は知っていた。
栄華のなかで、闇を見つめる青年です。