「南京路に花吹雪」の読み切り「花は辺りに雨と降り」のカラー表紙です。
黄子満とキャバレーのピアノ弾きマルセル・シャンタルが出会って、別れていく「悲しいお話」(ラブ・ストーリー)。
パステルとカラーインクの併用というのは、じーつーはー、一番手がかからず、それなりに画面をキレイに埋められる「効率的」なカラーの描き方です。
まず、イラストボードに下絵を描きます。
チョーク型のパステルをナイフで粉状に削り、その粉をボード上にばらまいて、ティッシュを丸めたものでボカします。
次に、イラストボードの決めた部分をあらかじめ水で濡らして、それが乾かないうちに筆に浸したカラーインクを、ボンボン置いていきます。
置いたカラーインクは水たまりのなかでにじんで広がり、ロールシャッハ・テストのような模様を作ります。
それは下のパステルと重なって、ふしぎな模様として画面を飾ります。
これに色鉛筆を加えれば、パーフェクト。
カラーインクは化学変化を起こしてまったく違う色に変化することがあるので、ほんとうは透明水彩のほうがいいのですが、発色が悪いうえに、使う紙によっては水彩の顔料が紙の繊維にそってムラになるので、キケンという点ではどっちもどっち。
どっちも使いにくいんだからと、私は発色のいいカラーインクを選んでました。
いいかげんにぼわ〜っと広がるくせに、かってにフォルムを作り、それなりに「絵」になってくれるこの方法に、時間が無いとき、何度助けられたことでしょう(笑)。
でもこのイラストは、そのぼわーっとしたカンジが、マルセルの「ぼわー」っとしたカンジにつながって、効果的だったような気がしています。