錬金術師

 

 


カタルーニャの千年の歌
Cancons de la Catalunya millenaria
Planys&Llegendes

指揮:ジョルディ・サヴァール Jordi Savall
ソプラノ:モンセラート・フィーゲラス Montserrat Figueras
ラ・カペラ・レイアル・デ・カタルーニャ
La Capella Reial de Catalunya
録音1991年

ASTREE ES9937


 

 

「オーディオ貧乏」でも紹介したCDです。
この中にはサヴァールの生まれ故郷のスペインのカタルーニャ地方に伝わる古謡が九曲入っています。

舞曲は入っておらず、古い伝説をうたうメランコリックなバラードなど、ゆったりしたリズムの抒情的な曲ばかりです。

四曲目に入っている「鳥の歌」は、有名なパブロ・カザルスがチェロで演奏したことで世界的に知られるようになったカタルーニャ民謡ですが、フルート、ハープ、ヴィオラ・ダ・ガンバによる合奏曲としてサヴァールが指揮する「鳥の歌」も、絶品です。ぜひ、一度お聴き下さい。
たぶんこのCDをサヴァールの最高傑作の一枚に入れる人は多いと思います。

 

中世からフェリペ二世のもとにスペイン帝国が栄華を誇った時代まで、イベリア半島の東南でサラセンの影響を受けた吟遊詩人たちによって歌われた曲を集めたこのCDを聴いて、なぜ私が「錬金術師」を思うのかといえば、このCDを聴いているとメロディーや演奏の向こうから、カタルーニャの風や土や木々のそよぎが伝わってくるからです。

「音楽の力」とはこの世の森羅万象を構成する「第一原理」を明らかにすることかもしれないとこのCDを聴いて思ったので、「錬金術師」。

そしてそんな音楽を現代に甦らせたサヴァールは「音の錬金術師」。