眠れる森の魔女 P.3


ベッケン・カラボッス、どど〜んと登場。
チャーム・ポイントは額の十字しわです。
これがないとベッケン・カラボッスじゃありません。

「私の言いつけに従わないからと、この城に閉じこめたけど、
反省もしないでまたこんなおイタしてるのね。ききーっ!」

ベッケン・カラボッスの激烈な怒りの前に、マテウス姫の反抗は空しく潰え、
心を入れ替えてこれから王子様を捜すさすらいの旅に出ることにします。

みんな仲良くしよーねなどと誓いあい、城を出てそれぞれの方向へ散っていきます。

 


村に平和が戻りました。

ユルゲンの帰還を喜ぶ両親。

「ありがとうございます。あなた方のおかげでユルゲンの命は助かりました。
なんとお礼をいっていいか・・」

「これが我々の使命です。それでは我々はこれで」と立ち去ろうとするグーリとマルコの背中へ。

「あの」ユルゲンおずおずと声をかける。
「よかったら、遍歴なんかやめて、この村で暮らしませんか?
あなたのおかげで平和が戻って、これからはきっといいいところになります。」

見上げるユルゲンの純朴な瞳に心グイッとつかまれながら、騎士グーリ
「ふっ。申し出はありがたいが、我々は遍歴の騎士なのさ。
今日もどこかで誰かが我々を呼んでいる。」

悲しげな瞳でいつまでも立ちつくし見送るユルゲン。
小さくなっていくその姿を振り返りながら、
「いいのかい?」とマルコ。

「所詮あいつらは土着のゲルマン。オレたちは「さまよえるオランダ人」さ。
生きる世界が違いすぎる。」

そうして小さな恋は消えていきました。

The End

 

解説


う〜ん。自分ではりつけの刑にしてやりたいくらいひどい話です。

山の下からこんなん出てきました、一緒に笑ってやって下さい〜ってことでお許し下さい。

ごらんになって分かるとおり、私は似顔絵が得意ではありません。
キャラクターはみんな実在のサッカー選手がモデルですが…似てません。

ドイツファンの方、ごめんなさい。どうか怒らないでください。
私はオランダファンですが、ミラノで見たユルゲン・クリンスマンが可愛くって、ファンになっちゃいました。
顔もですが、プレースタイルがケナゲっていうか、果敢ていうか、まあとにかく印象的でして。
なんとなく自分のキャラにして、動かして、なんかバカなお話し描きたいな〜と思ったのか、
「シャンペン・シャワー」の影響でサッカーパロディ漫画が描きたかったのか、
単にロールプレイング活劇漫画が描きたかっただけなのか、
今となっては当時の心境は定かではありません。

時代背景をちょっと説明させていただきますと========

90年のイタリアW杯の頃のヨーロッパサッカー界は、スーパースター、ルート・フーリット(あだ名がグーリ
のいるオランダサッカーチームと、ベッケンバウアー監督率いるドイツチームが人気を二分していました。

イタリアのセリエAでも、同じミラノに本拠をおく「インテル」というチームには、
ドイツ三人組(ローター・マテウスユルゲン・クリンスマン、アンドレアス・ブレーメ)が所属し、
「ACミラン」というチームにはオランダ・トライアングル
(ルート・フーリット、マルコ・ファンバステン、フランク・ライカールト)の三人が所蔵し、
その二チームが優勝争いしたりしておりました。

W杯でドイツ対オランダがあると、「インテル」対「ミラン」だと騒がれ、
セリエAで「インテル」対「ミラン」があると、ドイツ対オランダだと騒がれるような、
まあとにかくハデで話題に事欠かない、ミーハーになってキャアキャアいいたくなるような、
サッカーファンには胸騒ぎで走りまわりたくなる「いい時代」だったなあと、ノスタルジーをもって思い出します。

フーリットはとにかくカッコよかったし、マテウスはタフで「ゲルマン魂」の権化みたいだったし、
彼らみんなキャラクターが立ってたというか、あの時代に比べると今のサッカー界は大人しくなったなあ…
それともサッカーファンになりたてのホヤホヤで免疫がなかっただけか…
それとも私が年取っただけか…(号泣)。

少なくともパロって「いけない漫画」描いてやりたい〜って人は、今はおりませんねえ。
TVの前でおとなしく拝見させていただきます、てカンジです。

ここにカラーで載せたキャラクターは三人ともドイツチームなんですが、オランダチームはうまく描けませんでした。
特に一番好きだったライカールトはぜんぜん描けなかった。
えんぴつ書きで、下の絵の左がフーリットで右がマルコですが。ああ、似てない、似てない。

このあらすじで16ページくらいの漫画描いて、サッカ−本作って、コミケに参加しようとどうもしていたらしいんです。

もうすっかり忘れてて、久しぶりに山の下から出てきた原稿を見て、げげ〜っ、もうばか〜っ、何やってんの〜って
恥じいったんですが、 けっこうキレイにペン入れなんかしてありましてね。
それ見たら、 ああ、私あのころ本当に好きで狂ってたんだなあって、
サッカーファンになりたてだったあの時代の頃が懐かしくなって、ここに載せてしまいます。

画像が入ってページが重くなりそうだったので、3枚に分けて載せました。

笑っていただければ望外の幸せです(汗)。

 

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