眠れる森の魔女 P.2

そうです。
お姫さまはローター・マテウス姫といいます。

「まあ〜、今年は大漁だわ。
三人も送ってくるなんて、村の連中も気が利くじゃないの。ホ〜ッホッホ!」

「なにをっ。村人を恐怖の底に突き落とす邪な姫め!退治してくれる!」

三人は勇ましく戦いますが、お姫さまはドイツ軍の重戦車みたいに頑丈で、
倒しても倒しても死にません。

「こいつ、剣もパンチも効かないぞ。化け物だ」

「ホ〜ホッホッホ!
金髪もよいが、ドレッドのお兄ちゃんもハンサムね〜。私好みだわ〜」

マテウス姫は突如ドロンパと竜に変身し、口からボーボー炎を吐いて暴れまわります。
「アッチッチ〜ッ!」と逃げまわる三人。

そうこうしてるうちに、三人を見失った手下の化け物たちがお城に帰ってきて
姫の加勢に加わります。
三人、追いつめられて、絶体絶命。

その時、「昔じっちゃんが言ってたんだけど」と都合よく思い出すユルゲン君。
「竜は心臓をビンの中に入れて別のところに隠してあって、それに剣を突き立てないと死なないんだって 」
「別のとこって?」「どこだ?」
「たとえば、女の命は…」
グーリとマルコ、顔見合わせて「…化粧室?!」

お城の化粧室に並んだビンを片っぱしから割ると、その中から白と金色の六角形で縫い合わされた生命の球が転がり出ます。

グーリ、マルコ、ユルゲンと、マテウス竜と手下たちは
焼けこげるお城の中の床の上を転がる六角形模様の生命の球を追って、部屋から部屋へ駆け回ります。

「こっちだ、マルコ!」
「後ろだ、気を付けろ、グーリ!」
「くそっ、ファウルだぞ〜!右膝には古傷が…」
「僕に渡して!決めてみせるよ!」
「それっ、パス」
おお、ユルゲン君たら足早いじゃないの。
なんて見とれてるうちに、敵に奪われた。
それをまた取り返す。

しかし、多勢に無勢で、だんだんボールキープ率が低くなります。
「くそっ。中盤が繋がらない。フランクがいてくれたら…!」
「仕方ないだろ。作者がこんなものには出したくないって言うんだから」

「ああ、やっぱり負けるのか…」

その時、部屋に雷が落ちたような大音響の声が響きます。

「おまえったらまだこんなことやってるのね〜!」

 

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