舞台は虚飾の街ラスベガス

 

 

時代は・・・現代か?

宙(おおぞら)出版ハーレクイン・コミックス
世界一の贈り物(森川久美)
ISBN4-87287-335-1 \630(税込み)
2000年1月11日(火)発売

本屋さんのコミックス・コーナーの宙出版のハーレクイン・シリーズのとこに並んでいると思います。手に取って見て下さい。


原作付きは好きで、今までいくつか描いています。たぶんシェイクスピアの「十二夜」が一番最初だったと思う。原作付きはオリジナルと違う想像力の使い方を要求されます。自分ではこれがけっこううまい方だと思っています。
ただし、「私に原作を下さい。全然違う話を描きますから。」というのが口癖ですが(^^;)。


ハーレクインは今までの作品に比べて制約が多かった。男と女のラブ・ロマンス。しかも必ずハッピー・エンドで終わる。これ、苦手。少女漫画家失格です。
でも描いてて楽しくないことはやりたくないので、黒髪であることをいいことに、主役の男性をガイ・ピアースにキャスティングしました。
*ガイ・ピアースは映画「L.A.コンフィデンシャル」の主役の一人をやった俳優さん。↑見てない人は見てね

 

ガイ・ピアースラブ・コメディをやるとどうなるか!?

あ。引かないで下さい。
けっこう似合うと思いませんか?私は見てみたいな。
でも、たぶん彼がラブ・コメディをやることはネヴァネヴァ〜無いと思うので、
見たい人はぜひこの漫画を読んで下さい!(笑)


それにしても書き下ろし154ページというのは描いても描いても終わりません。
でも私は、以前描いていた「歴史ロマンDX」という雑誌が季刊で長い読み切りが多かったので、長いページ数は慣れてる方かもしれない。
今までで描いた一番長いページのもの。

一位:『信長』(1992年「歴史ロマンDX」)196ページ!
64ページずつ三つに分けて、一週間で下絵ペン入れと並行して背景を入れるいうのを三回繰り返した。戦国時代物だというのに鎧のおどしを一コマも描かなかった覚えがある。ネームに手間取ってそれどころじゃなかった。
三位:『エリザベート』(199年「歴史ロマンDX」)160ページ
ですが、これは80ページずつの前後編に分かれたので、まあ、なんとかなりました。

この間の二位に書き下ろし154ページ『世界一の贈り物』が入るわけですね。


でも一度にたくさんのページを描くのが好きな漫画家はあまりいないと思います。連載って銀行に定期預金するようなもので、30〜50ページのネームと絵を少しずつ積み上げて一冊の本にする。ネームにしろ絵にしろ集中力と体力が必要で、集中力と体力なんてそんなに保たない。締め切りに向かって出し尽くして、ちょっとひと休み。さあて次いこか〜てなもんですが、ページ数が多いと長時間休みなしにこの緊張が続きます。途中で息切れする。体力がなくなる。右手中指にできたペンダコがどんどん膨れてペン軸どころかおはしも持てなくなる。
でも100ページでも200ページでも全く乱れなくキレイに原稿を仕上げる漫画家もいる。ネームも絵も一日何ページと決めてその通り仕事が出来る人です。
締め切りの後でいつも私は後悔して、今度こそ予定を立てて描こう!と決意するんだが、予定通り机の前に座るとまったくアイデアが浮かばない。どうも私は火事場のバカ力で漫画を描くらしい。バカ力をパワーアップさせる方法を探した方がいいような気がする。


ところで今回途中でペン先が無くなって買いにいったら、タチカワの丸ペン先がまた質が落ちていた。このタチカワの丸ペン先には数十年前から泣かされ続けてます。

15年ほど前(「Shang-hai1945」を描いていた頃)タチカワの丸ペンは細い線はあくまで細く(何十枚カケアミをやってもすり減らなかった)、そのくせホンのちょっと力を入れただけで強弱のある線の引けるエンジェル・ペンだった。繊維をまったく引っかけることなく、紙の上をミシェル・クァンのスパイラルのように滑った。
ある時(「Shang-hai1945」を描き終わった頃)質が落ちて使いものにならなくなった。仕方なくゼブラの丸ペンに戻ったが、これ太い線を引くのに苦労する。ところが最近また質が戻って(昔ほどではないが)ほほう同人誌相手に色気を出しおったなと喜びつつ、再び愛用していたのに。今回買ったペン先はまったく使いものにならなかった。またゼブラに戻るのか。これ疲れるんだよなあ。さめざめ泣きたい気分だ。


その前はジロットの転落という悲劇を経験した。ジロットはフランスの文房具メーカーだと思うが、大学時代に愛用していた(まだ恐竜が生きてた頃だ)。ここの丸ペンはタチカワ以上に細い線はより細く、太い線はよりくっきり原稿用紙に芸術的なカーヴを描くアート・ペンだった。ある日突然品質が落ち、二度と戻らなかった。今でも時々買って試したりするが、紙にグッサリ突き刺さる。ダーツ・ゲームか、おまえは〜。


あれもこれも私がGペン先さえ使えればしなくていい苦労なんだ。わかってる。でも私は生まれつきGペンが使えない体質なんだ。
弘法筆を選ばず。なんて一度でいいから言ってみたい。

女のキャスティングは・・
考えてない。
すまん。

 

 

 

 

原稿がまだ戻ってこないのでスキャンできないので、ほかの画像で飾ってみました。


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