じつは今度宝塚でやるミュージカル「エリザベート」を漫画化しないかとお話があった時、
漫画と演劇の「文法」とくにミュージカルのそれは、小説や映画のそれと比べてもあまりにも違うので、最初お断りしました。
でも今は、この企画でウィーンに行き、そこでいろいろな方とお会いしたり、
「エリザベート」という素晴らしい作品とある関係を持って
それに夢中になれたということを心から感謝しています。
演劇自体がプロデューサーや脚本家や役者さんや衣装さんや大道具さんが力をあわせて作る総合芸術ですが、「エリザベート」の日本公演を成功させようと、ウィーンの人も宝塚の人も心を合わせて(ビジネス以外に、オーストリアの人は日本びいきが多いようです。ロシアが嫌いなのかしら)、いろんな人の才能と心がひとつになって国際的プロジェクトに結晶するのを側で見ているのは、いつも部屋で一人で仕事をしている人間には新鮮な感動でした。
本当はルドルフが主役の話を描く予定があったのですが、ちょうどその時宝塚からお話があって「エリザベート」を漫画化することになって(雑誌は売れないと潰れますから(^^;)、そのネタを「エリザベート」に入れてしまったので、オリジナルの方は描けなくなりました。
ルドルフとハンガリー貴族アンドラーシがオリジナルのキャラクターで、トートとエリザベートが(母親として出たとは思いますが)後から付け足したキャラクターです。ちょっと愛情の差があるかもしれません(笑)。
一ファンとしてミュージカル「エリザベート」をこれからも見続けていきたいと思っていますが、漫画「エリザベート」も一緒に読んでいただけると嬉しいです。