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芳紀66歳
自動車学校てんやわんやのてんまつ記(8)


私は、JRに出るのが便利なところに住んでいる。この自動車学校はJR沿線にはなかった。N自動車学校は、近鉄沿線から通うのに便利な場所にある。
私の家から一番近い近鉄の駅でも、5キロあるのであった。車に乗れない私としては、ずいぶん困ることになるはずだ。
私はこの日、近鉄電車に乗って所定の駅まで行った。私は第一日目の朝、学校の送迎バスを待ちながら、少しばかり後悔していた。肝心の、JR奈良駅の送迎バスの回数が少ししかない上に、土日や休日には、まったく来ないのだ。
第一日目の12月7日は日曜日であった。しかし、入校式がこの日だ。好き勝手な日から行けるのかと思っていたら、第1の学科の課題をいっとう初めに受けないと、次に進めないという規則である。免許を取るのも年々厳しくなってきているらしい。
第1学科さえ受ければ、後の授業は、どの課目から取っても良いのであった。その後は自分の時間に合わせて、取りたい『学科』と『技能』の二つを平行して学んでいくのである。
ところで『学科』だが、いやあ驚いたのなんのって、「車」と「自動車」はイコールだと思っていたら、ぜんぜん違うのであった。今まで、車、車と気安く呼んでいたが、自動車と言わなければ、いわゆる自動車ではない。また、自動車は自転車と字が紛らわしい。「動」と「転」が違うだけ。もっと他の呼び名を付けてくれよと言いたくなった。
そして『技能』では、まず、ハンドルを回す練習が授業だった。ハンドルも、勝手な回し方ではいけなくて、ちゃんと回し方があるのだった。
何もかもカルチャーショック! しかし、ショックはカルチャーだけではなかったのである。
コンタクトを両眼にはめると、たしかに良く見える。両方の目で見ると1.5くらいは見える。だが哀しいかな、両方の目にはめると、今度は本などの文字が読めなくなるのであった。
ハンドルを回す練習が終わって、教官が、「では、運転教本を開いて下さい」と言った。
私は慌てて右目のコンタクトをはずした。「ああっ!」コンタクトがピンッと指先から離れて、落ちていった。

 

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