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芳紀66歳
自動車学校てんやわんやのてんまつ記(4)


シルバー色の車は大きな車だった。2,000CCあるという。
翌朝の光の中で、Yさんからもらった車は輝いて見えた。綺麗なシルバーであるだけに、正面にある茶色く錆び付いた傷跡が、やたら目立つのであった。
「うーん、これはちょっと恥ずかしいかな……」
Yさんが買い替えたくなった気持ちが、理解できる。たしかに、車の鼻が大きくへこんでめくれている。カリフラワーのように三角にめくれ上がった銀色の下に茶色い地肌が見えて、雨に錆が流れたものだろうか、茶色の筋が二筋、バンパーまで流れ落ちていた。これでは、「この車をぶっつけました」と、宣伝しながら走っているようなものである。
「うーん、どうしたらいいかな?」
車を眺めているうちに、私は良いことを思いついた。
長男が東京から帰るとき持ってきた洋服掛けのスタンドを、家に入り切らないものだから、表に置いておいて錆が出てしまった。その時に銀色のラッカーを買い、吹き付けた。その銀色ラッカーが残っている。
「それを吹き付けてみよう!」
私はさっそく華ばさみでミカンの皮がめくれたようなところを切り取った。そして錆落としでこすり、銀色ラッカーを吹き付けた。茶色の傷跡が隠れると、おどろくほど車は美しくなった。(そうだわ、もっと綺麗にしよう)私は車の周りを回って点検した。あすこも傷が、ここも傷がある。私は傷をめがけて、しゅうしゅうと吹き付けた。(これで、きっと、サラみたいになるわ)
ところがである。銀色は銀色でも、車の銀色とラッカーの銀色は微妙に違う色合いなのだった。鼻の頭だけだったら、それは綺麗にマッチして見違えるようになっただろう。だが吹き付けた分は案に相違して、豹柄のような、まだら模様になってしまったのだった。

 

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