ホーム

 
 
 

(工事中)かぐや絵巻

 
 
 

メイキング・オブ・草子

 
 
 

グッズ販売

 
 
 

Reikoかわら版

 
 
 

リンク

 
 

お知らせ飛脚便

 
 

Reikoの執筆最新情報

 
   
 
   
 

芳紀66歳
自動車学校てんやわんやのてんまつ記(12)


どれだけ、事故のビデオテープを見せられただろうか。自動車事故は悲惨であるということ、そして、特にどういう点に注意すべきかを、繰り返し繰り返し教えられる。
スクリーンを見ているうちに恐ろしさに気持ちに竦み(すくみ)あがって、飛んだところに迷い込んだ子どものように泣きたくなってくる。
「体育が一番の苦手科目だったのではなかったの! それだのに免許を取ろうと思うなんて……」と、そんな風に思いだすと不安でたまらなくなる。
その上、学科のほうも覚える尻から抜け落ちていくような気がするのだ。そして、一生懸命勉強して、もし学科が通ったとしても、実際問題、私が運転できるようになるとは、自分で自分が信じられないのだった。
まず、50分の実技が終わると、忘れないうちに直ぐさまメモを取らないと覚えられない。それどころか自動車から下りたとたん、つい今さっき何を言われていたのかさえ、あやふやにしか思い出せない始末である。
私の挑戦している免許は、AT車だ。
「えっと、発進する時は、先にドライブに入れたんだっけ? ハンドブレーキを戻すほうが先だったのかしら?」と、こんな具合に、思い出せないのであった。「次の時間こそ、ここのところを、しっかり覚えとかなくっちゃ!」
そして、「分かった。発進はドライブからハンドブレーキ。停止はその逆だ!」休憩時間は、おにぎりをモグモグやりながらメモを書きつける。実技の手順を、まるでお経を唱えるようにして覚えるしかない。いやまあ、こんな調子なのだから、後はおして知るべしである。
習いに来ている若い男の子など、習わぬうちから、自動車の構造や運転の仕方まで知っていたりする。そんな中に混じって、右往左往している私があるのだった。先生もさぞ辛抱がいったことだろうと恐縮する思いなのだが、どの先生も、丁寧に知らないことは答えてくれるので、本当にありがたかった。とにかく、ここの学校は、実技で同じ教官にかかることは、ほとんどなかった。
さて、事故が起こることを心配している私だったが、ある日の授業で、事故を起こすのは技術的な問題だけでは無いと聞かされて、びっくりしてしまった。

 

前のページ | 12/20 | 次のページ

メイキング・オブ・草子へ