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芳紀66歳
自動車学校てんやわんやのてんまつ記(10)


技能の授業で、いよいよ自動車に乗ることになった。
「これがブレーキ、これがアクセル。はいアクセルを踏んでみて下さい」
「踏むんですか」
「踏まないと走りません」
「走ったら怖いです」
「大丈夫です、ちゃんと横に付いていますから大丈夫です」
恐る恐る足を乗せる。踏むのにも決心がいった。初めてアクセルの踏んだ時のドキドキした気持ちは、今も記憶に残っている。私が足で幽かに踏んだら、自動車は動いたのだ。この感動を忘れられようか!
そして自動車に乗ってみて初めて分かり、大変に驚いたことがある。それは、『運転席から全部は見えない』ということである。相当な死角があるのである。
そう簡単に言うけど、全部を見ることができないのですよ。あのスピードで突っ走る自動車が見えない部分があるだなんて、どうして想像できようか。自動車というのは、見えないまま感覚を駆使して、走ったリ曲ったりするのだ。これは、自動車に乗らない人も覚えておく方がいいと思う。運転しなくても運転席に座ってみて、どれほどの死角があるものか、確かめてみるのもよいと思う。私も、自動車から見てくれていると思っていたが、これ以後、考えを改めた。
それから、ハンドルを回すのなんて易しいと思っているでしょう。ところが、さにあらず、なかなか難しいのだ。
ハンドルは、自転車でもガチガチに握っていると、うまく走れない。自動車のハンドルもガチガチに握りしめてはいけない。
「握りしめてはいけません、それでは微妙な調整ができませんよ」
「はい」
「送りハンドルになっています、90度回したら、ちゃんと持ち変えなければいけません」
回し方を気にしていると、こんどは他がおろそかになってしまう。
技能は学科と違い、頭で覚えても体が言うことを聞いてくれないと困ってしまうのだ。私は家で練習することにした。30センチ四方の真四角に段ボールを切り、90度ずつ回しては手を持ち変える訓練だ。「初心忘るべからず」この段ボールは記念だと思って、いまも捨てないでおいてある。

 

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