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芳紀66歳
自動車学校てんやわんやのてんまつ記(1)

「えっ、ホントですか!」と私は叫んでいた。夕食の支度をしている時に鳴った電話。
その電話が、すべての始まりだった。電話の女の人は、夫が道路で倒れていると言うのであった。
「ご主人にお電話番号をお聞きして、掛けているんです」
「すみません、ありがとうございます」と電話を切るなり、私は家から駆けだした。夫が倒れているのは、家から出て右へ曲がり、ゆるやかに下り坂になっているところを100メートルばかり行ったところだと聞いたからである。駆けていって、ほんの5分のところだ。もう仄暗くなっている道を私は駆けていった。
実はその次ぎの日、私は北海道へ飛び立つことになっていた。飛行機の切符も予約済みだ。というのは北海道は静内から、講演を依頼されていたからである。
夫は酔い止めの薬がないというので、自転車に乗って出掛けたのであった。私が、「薬なんか飛行場の売店で売っているからいい」って言ったのに……。そうして、自転車で転倒したのだ。
病院に運ばれた夫は、なんと、左大腿骨を3カ所も骨折していたのであった。それが木曜日の晩で、手術は月曜日と決まった。骨の代わりを勤める金属を夫の体に合わせたものを、注文するからなのだ。手術は月曜日だと医者から聞いて、良かったと思ったのが本当の気持ちだった。
「すみません、明日からいないのですが」と私は医者に言った。
「それは大丈夫です。しかし、手術の時は来られますか?」
「手術は月曜日なのですね、日曜日の夕方には来ることができます」
「それならいいでしょう」
冷たいようだが、もし私がいなくても良いのであれば、北海道の講演には行くつもりだった。向こうさんだって、急なキャンセルは困る。
私は、翌日、北海道へ飛び立った。

 

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