2007年

  

大根の 重さもうれし ひなた道

家のすぐそばの道ばたで、農家の方が野菜を売っています。
キャベツ、ネギ、ニンジン、大根、ブロッコリー、ホウレン草、里芋・・・
ほとんどが100円で買えるのです。
特に、ぶっとい大根を100円で買えたときは、本当にホクホクしてしまいます。
ぶり大根、うまいですよね。

(2007.1.23 記)

  

  

過ぎし日の ほろほろ苦き ふきのとう

知人から、ふきのとうを頂きました。
天ぷらにして塩をつけて食せば、早春の香りとほろ苦さ・・・。
いろんなことが思い出されます。
日本酒でも呑みたい気分。

  

  

白梅の上で三日月笑ってる

暖冬で、梅の咲くのも早いようですね。
薄暮。
うすむらさきの夕空。
ぼんやり灯るような白梅が一本。
その上に三日月が、チェシャ猫の口のように空で笑っていました。

(2007.2.12 記)

  

  

遠い道 白木蓮よ 鳥になれ



はるか昔の話。
妻とふたりで、どこか広い公園に行ったことがありました。
奥に歩いて行くと、大きな白木蓮が花盛りでした。
「ね、あの花、白い鳥がいっぱいとまっているように見えるね」と彼女。
「うん、見える見える。バニラアイスにも見えるけど」と私。
「すぐ、食べ物にいくんだから・・」
ふたりで笑った記憶があります。

(2007.3.12 記)

  

  

チューリップ ぽからぽからと笑ってる

庭で赤や黄色のチューリップを咲かせていたことがあります。
まだ保育園に行っていた子どもが、
「あのね、チューリップにはプロペラがあるんだよ」と教えてくれました。
「ん? プロペラ??」
花を覗いてみれば、ナルホド確かにめしべの先が分かれていて、プロペラに見える!
「そうか、チューリップは空を飛べるのかあ・・」

そんな息子も、この春、高校生になります。

(2007.4.6 記)

  

  

パンジーの 肩寄せ合って コーラス隊

ご近所を歩くと、あちこちのお家でパンジーの鉢植えに出会います。
パンジーの花って、どうしても顔に見えて。
そして、たいていが寄せ植えになっているので、みんなで合唱している風情です。
「春の小川はさらさらいくよ♪」とか歌っているような・・・。

(2007.4.21 記)

  

  

ばあちゃんの てんてんてまりや 春はずむ

晴れた日、道を歩いていたら、
ある家の2階のベランダで、おばあさんがまりつきをしているのを見かけました。
おそらく80歳くらいのおばあさんが楽しそうに唄いながら。
そして、それを60歳くらいのおばさん(娘さん?)がニコニコして見守っておられました。
ほのぼのとした光景。
ごく自然に、この句が生まれました。

(2007.4.23 記)

  

  

さば寿司を食べたくなるよ柿若葉

5年前の句です。
柿の若葉の黄緑色は、本当に鮮やかでつややかで、青空と似合います。
そして、どうしても、大好きな柿の葉寿司を連想してしまう。
その頃は俳句なんてやっていなかったのに、なぜかぽっと浮かんだのでした・・・。
それを書き留めたわけでもなく、
なぜか、ず〜〜〜〜っと覚えていたのです。

(2007.5.6 記)

*またバラの季節がめぐり来て、
おかげさまで、この「くるくる」も一周年を迎えます。
その割に、ちっとも進歩していないのですが(笑)、こりずに続けて行きます。
よろしくお願い致します。

  

  

腹がへる これもしあわせ 燕とぶ

普段は、忘れていること。
生きているだけで幸せなんだってこと。
だけど、人間は・・いや私は、忘れっぽくていけません。
生きているうちに、
やるべきことは一杯あるというのに・・・。

(2007.5.27 記)

  

  

金魚草 ネコも寝言をいうのかな?



うちのネコが昼寝をしているときに、
「ニャグ〜・・」とか何とか、寝言をいったのを聞いたような気がするのです。
でも、私も昼寝してて寝ぼけていたので、本当に聞いたのか、はっきりしないのでした。
ネコは、どんな夢を見るんでしょうかね??
夢を交換できると面白そうデス・・・。

(2007.7.1 記)

  

  

問いかけるように吠えてる夜の犬




猫の次は、犬ですが・・・
あれれ? この句には、季語がありませんねえ。
う〜〜〜ん・・無理矢理入れるとすれば、「梅雨の犬」とかにするのかな?
でも、いいや。
自己流なんで、気にしない気にしない。

(2007.7.2 記)

  

  

向日葵に会うたび空を仰ぐクセ

風よ雲よ 生きているぞと 蝉は鳴く

蝉しぐれ 坂をのぼれば そこは海



暑い日が続きます。
強い日射しと照り返しの中、長い上り坂はつらいです。
そんなとき、想像するのです。
この坂を上りきったら、向こうに海が広がっている・・・
お、潮の香りがして来た。波の音も聞こえる。海風が気持ちいい・・・
なんて考えながら、歩きます。
想像力は、時空を超える。

(2007.8.19 記)

  

  

夕窓の ツリーを飾る 小さな手



夕暮れ時、坂道を歩いていたら、ある家の二階の窓がオレンジ色に照らされていて、
サンタクロースや星など、クリスマスの飾り付けがされていました。
「もう、そんな季節かぁ・・」
と、見上げていると、カーテンが揺れて、子どもの手が動きました。
飾り付けの最中だったのですね。
手しか見えなかったけど、きっと幸せな笑顔だったのでしょうね・・。

(2007.11.20 記)