やけど(熱傷)について
家庭でできるやけどの応急処置について教えてください。
 まず、冷たい水で冷やすことです。
衣服に火がついた時はもちろんですが、熱湯をかぶったような時でも、衣服の上から
とにかくすぐに冷たい水をかけることが重要です。やけどの部分を冷やすとやけどの深さが進行するのを止
めることが出来ます。
またやけどの痛みに対しても非常に効果があります。冷却水で手っ取り早く簡単なのは手足なら水道を流し
っぱなしにして、水をかけることです。
また、きれいな容器に水を満たしつけるのも良いし、水につけられない場所なら清潔なタオルを使って冷や
すのも良いでしょう。
冷やす温度は、10〜15℃くらいがよいといわれ、10〜20分くらいが必要でしょう。
冷やしたあとは何もつけないで清潔なタオルで創部を覆い病院にいくことです。
消毒薬をつけることは必要ありません。強い殺菌力の薬は創に対しても障害があります。
今でもやけどに味噌や油を塗ってくる人がありますが、逆効果ですので絶対やめてほしいものです。
浅い小範囲のやけどの場合はどうですか?
やけどしたところを水道などでよく洗い流します。その次に、抗生剤の入った軟膏をぬってガーゼをかぶせ
て軽く包帯を巻きます。
創からの分泌物がなくてガーゼの表面が乾いているようならば4〜5日してから包帯を交換します。一番下の
ガーゼが乾いて創にくっついているような時は無理に取らないでそのままにしておいて、その上からガーゼ
を当てたまま包帯をします。
10日ぐらいで自然にガーゼがはがれてきます。
4〜5日後になっても分泌物でガーゼがぬれているような時はやけどが深いか、感染している可能性が強いの
で素人治療では無理です。必ず医師の治療を受けて下さい。
やけどの深さに関して、どう判断したらよいのでしょうか?
やけどは深さによってI度から・度まで分けられています。
I度は表皮まで、・度は真皮まで、・度は皮下組織まで達しています。
やけどの深さはどの位の熱さのものが、どの程度接触していたかで決ります。
一番浅いI度では、やけどをした部分が赤くなってヒリヒリ痛みます。海水浴での日焼けなどと思ってくだ
さい。ほうっておいても自然に治りますが、保湿剤など皮膚を保護する外用剤をぬったほうが良いでしょう。
・度のやけどは、水ぶくれ(水疱)をつくりますが、浅い・度と深い・度に分けられていて症状も治り方も
かなり違います。
あさい・度のやけどは水疱のところが赤みがあってい痛みが強く、適切な治療がされると、おおよそ2週間で
上皮がはってきて、ほとんどあとを残さないで治ります。
ふかい・度の場合は赤みが少なく、むしろやや白っぽくみえ痛みも少ないのが普通です。
水疱の下に死んだ皮膚の白っぽい痂皮(かさぶた)ができます。これがとれると下に皮膚がはってくるわけ
ですがそれまでにかなり日数がかかり、治った後にもかなり目立ったあと(肥厚性瘢痕)を残します。
したがって深い・度の時は次に述べる・度のやけどと同じように植皮が必用となることも多いのです。
ここで重要なことは同じ・度のやけどでも深さによってきずあとが残るか残らないかの決定的な違いがある
ことです。
かりに最初は(受傷時)浅い・度のやけどであっても不適切な治療のために深い・度のやけどになってしま
い、きずあとを残してしまうこともあります。このためやけどは初期治療が最も大切になります。
やけどを良く理解していてやけど治療の経験が豊富な医師の治療を受けられることが大切です。
・度になると、受傷時は白っぽく乾燥した状態で、あまり痛みはありません。
組織が死んで、むしろ痛くないこともあります。このため、軽いやけどであると誤解する患者さんもいます。
しばらくすると、その部分は壊死におちいり、深い潰瘍を形成してきます。
皮膚が全部やられてしまうので、ごく狭い範囲の場合をのぞいて植皮が必要となります。
以上のやけどの深さの判断は、実は早期では難しいことが多く、受傷後2日から2週間ぐらいではっきりして
きます。
やけどが重いか、軽いかの線をどこに引くのですか?
I度はのぞいて・度・度のやけどを合わせて体の面積の15%以上あれば、重症と考えられ入院して積極的な
治療を行なわないと生命の危険があります。
小児や老人の場合は10%くらいでもショックになることがあり入院が必要となります。
またもっと小範囲のものでも・度や・度の深い場合や、体の部位によって、たとえば顔や手のやけど、肛門
部、陰部のやけどの場合も入院した方が良いでしょう。
重症のやけどと思われる場合はどんな病院で治療を受けるのが良いでしょう?
形成外科のある綜合病院が一番適していると思われます。
やけどの後遺症はどんなものがありますか?またどのように治療するのですか?
 やけどの後遺症として一番問題になるのは、治った後のきずあとの醜さと、創部のひきつれのために関節
の動きが悪くなった
り、形が変わったりすることです。
しばらく経過を見て瘢痕が目立つようなら、この瘢痕を切り取って皮膚移植をするか、範囲が狭ければ縫合
します。手術の是非の判定は難しいものですので形成外科の専門医に相談されることをおすすめします。
どのようなやけどの時に植皮が行なわれるのですか?
やけどがある程度以上の深さになると植皮をしなければいつまでも創がふさがらなかったり、たとえ創がふさ
がっても醜いきずあとを残したり、ひきつれのために、関節の動きが悪くなったりします。
形成外科の進歩によって植皮の技術も進歩したため、通常の植皮でつかないということは、あまりなくなりま
した。しかしむずかしい手術であることにはかわりがありません。皮膚をうすく採って植えたり厚く採って植
えたり、いろいろの方法が行なわれます。
植皮した場所は約1週間は包帯で圧迫して固定します。皮膚がつけば約1カ月で普通に使えるようになります。