前世紀前半、祖国日本に見放された一人の芸術家がフランスにいた。
この日記はその芸術家、藤田嗣治に魅せられた貧乏サラリーマンが
無謀にもコレクターに成らんとする苦難の記録である。
尚、本人は結構幸せらしいが、寄付は随時受付中である。


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2006.11.18
4週間程前に世田谷美術館で開催中の
『ルソーの見た夢、ルソーに見る夢』に行って来た。
この展覧会はルソーとルソーに続く素朴派の画家たちと
ルソーに魅せられた日本人作家たちの描いた夢をテーマにした
展覧会でルソー自身の絵は少ないが、ルソーといえば藤田、
そして岡鹿之助である。それからなぜか?松本竣介。

藤田は講演や対談の中で、ピカソの画室で初めてルソーの絵を
目にした時の驚愕を述べている。またその自書『腕一本』の中
ではルソーとの出会いは『是は私には全く寝耳に水の様な警鐘
であった。』と書いており、初期の作品にはルソーの影響を感
じられる作品がある。
岡鹿之助は藤田の紹介状を手にパリに渡った。まもなく藤田を
訪ねて行ったが、藤田は3、4日前にフェルナンド・ヴァレーと
離婚してそこを出て行った後だった。彼はその場でその藤田が
住んでいたアトリエを借りた。藤田の描いた岡鹿之助の住む
元藤田のアトリエの絵がある。最初は藤田からの影響だろうか、
岡鹿之助はルソーについて評論を書いたり、ルソーを日本へ
紹介している。
松本竣介とルソーというのはちょっと無理があるような気もしたが、
松本竣介を持ってくるのか〜なんていうのも面白くて、こういう企画物も好きだ。
ちなみに松本竣介は38歳で若くして亡くなっているので作品数が少なく、あまりお目にかかれないので貴重だ。

藤田が一点しかなかったのは残念だったが、ルソーの『熱帯風景、オレンジの森の猿たち』が見れただけでも行って
良かったと思った。個人蔵らしく(出品目録によると他の個人蔵は個人蔵と書いてあるが、これは空欄になっていた)
この先見れる機会は無いかもしれない。
横尾忠則の『眠るジプシー女』他のツソーのパロディーは知っていたが実際に見るの初めてで、こんなに小さい作品
なんだと意外に思った。横尾忠則は好きだが、『眠るジプシー女』は悪趣味なだけに思えた。
ルソーのパロディーでは青木世一と言う方の作品が面白いと思った。
ルソーの『フットボールをする人々』を立体的に組み立てるキットで、実際に売っていた物かと思ってしまった。
(売ればいいのに。)

おみやげには世田谷美術館収蔵の「フリュマンス・ビッシュの肖像」の顔の『ルソーキャンディー』(金太郎飴)を
と思ったら売り切れだった。聞いてみたら定番品でたまたま在庫切れで入荷待ち中との事だった。残念。

お昼はレストランでルソー展の特別メニューにしたが、どこがルソーなのか判らなかった。

美術館の中庭には、上品な御婦人方がキウイと言っていたが、多分アケビがもの凄くいっぱい成っていた。近所(自生)
でもあんなには見かけない。写真だとキウイみたいだし、いっぱいにも見えないけど、いっぱいある。


美術館の外に出たら後ろを歩いていた若い女性二人組が、展覧会で見て好きになる画家って今までいなかったんだけど
松本修介、好きになっちゃうかもって言っていた。良い企画展だったじゃないか。
こういう企画展って知らない人に出会えるのも良い。常設だと色々な人の絵があるのだが、以外にちゃんと見るのは
好きな人だけで他の記憶とか新しい出会いってなぜかあまりないような。テーマを考えながら、へ〜とか言いながら
見てると、新しい出会いがあるような?
世田谷美術館はたま〜に行くけど、イヤな記憶の無い、いつもいい気持ちで帰って来る。企画もいいし、建物の感じ
とか全体に良い感じで、良い休日だったなあという感じ。結構好きな美術館の一つだ。



2006.11.19
買っちゃった。


さすが藤田、
この人魚には 
おケツがあった。


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