前世紀前半、祖国日本に見放された一人の芸術家がフランスにいた。
この日記はその芸術家、藤田嗣治に魅せられた貧乏サラリーマンが
無謀にもコレクターに成らんとする苦難の記録である。
尚、本人は結構幸せらしいが、寄付は随時受付中である。


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2005.01.02
車の点検に行った後、銀座まで行って来た。
毎年恒例のプランタン銀座の版画バザールを覗いたら版画ではないフジタの葉書が数枚あった。
中に去年の暮れに買った葉書の落款型のサインと同じ物があった。それを見て ”フヂタ”と書い
てあるようだとEMHが言った。う〜ん、そうかもしれない。



2005.01.06
少し前に、今年はお嬢さん達の保護の為に、エアコンを使わない事にすると書いたが、今のところ
何とかなっている。




2005.01.07
どうも、細い物ばかり年中買っている為、ちっとも小っちゃいお嬢ちゃんにたどり着けない。
それで家計を引き締めることにした。

”美味しい物は1日我慢してみる。”
”欲しい物は最低1週間我慢してみる”ことにした。
大抵の場合は要らなくなる。食べたくはあまりならないが。



2005.01.08
破滅する〜〜〜。
車の点検2回目の帰りに、かねてから気になっていた水彩の小っちゃいお嬢ちゃんを見に行った。
今まで見た藤田の中で一番書き込んだ感じがする。写真よりずっとずっと良かった。欲しすぎる。
でも先日見た水彩の猫(これもよく書き込まれていた)と比較するとちょっと高いとも思う。

色々画廊の方と話している中で最近は挿画本を集めているという段になって、気になっていた
『四十雀』の欠品かもしれない話をしたら確認してくれた。残念ながらその通りで、本当は私の
買ったエディションは絹摺り一枚が付いているということだった。絹摺りを額装した物は見か
けたことが無いがバラで市場に出ることは無いのでしょうかと言ったら、何度か扱ったことがあ
るとのことだった。探さなくていいから、あったら教えて欲しいと言っておいた。でも、また
そんな細い物を買っているとますます小っちゃいお嬢ちゃんから遠ざかってしまうけど。
ちなみにこの画廊には目黒区美術館の図録があって、ここには詳しい情報が載っている。前から
探しているのだが目黒区美術館に在庫はとうに無く、古本も売っていない。この画廊でもやっと
手に入れた物なのだそうな。知りたいことがあったら連絡くださいとおっしゃってくれた。あり
がとうございます。



2005.01.09
欲しい。。。。。
画廊のHPに載っているのをコピーして壁に貼ってみた。かわいい。。。。



2005.01.10
今日も欲しい。。。。。
等身大
のお嬢ちゃんをG5の壁紙にタイル状に貼ってみた。ちょっと恐かった。



2005.01.11
まだまだ欲しい。。。。。

去年の暮れに葉書を買った画廊から『世界の古書・日本の古書店』というカタログが届いた。
その中に『小さな職業人』が載っていた。落札した物より版木がついて絹摺りが2枚付いた上位の
物だ。しかも落札価格より大して高くない。
あ”〜このところ負けっぱなしだ。コレクターの道はやっぱ険しい。



2005.01.12
画廊から何も言ってこない。どうでしょうか?とか今まではすぐにメールと電話をくれたのに。
他所で色々買っていると言ってしまったせいで不快に思っているのか。はたまた貧乏人を相手に
しても始まらないと解っているのか?う〜ん、それは確かだ。
なんか、何も言ってこないし、なんか腹立って来た。いらいらする〜。段々お金を拾っても要ら
ないかなという気分になって来た。後4日もすれば要らなくなると思う。  多分。。。。。。



2005.01.14
昨日、額用のUVカットのアクリル板が届いた。
年末に買った葉書の額がガラスだったのだ。今まで買った中でガラスだったのは初めてだ。
額ごと変えたいと思ったがなかなかこれと決められず、とりあえずUVカットのアクリル板だけ
購入した。額は、、、ずるずるとそのままになりそうな気がする。



2005.01.16
一週間我慢したが、やっぱり欲しい。。。。。

少々の物を買うのを我慢して家計を引き締めてどうにかなるものではない。気分が落ち込んで
やる気がなくなるし、いっそのこときっぱり諦めて小物を買って気を紛らわそうか?

そういえば欲しかった洋服は要らなくなったが、CMを見て久しぶりに食べたくなったペヤング
ソース焼きそばは買って来てしまった。



2005.01.17
年末に注文してあったポスターが
アメリカから届いた。結構本物っぽい出来だ。

こういうフジタも好きなのだ。
というか、嫌いなフジタが無いので困る。











モンマルトルのムーラン・ドゥ・ラ・
ギャレットのポスター



2005.01.19

ヤフーオークションで落札した香月泰男のリトグラフが届いた。
香月泰男は好きな画家の一人だが
レゾネも画集も持っていない。
このリトグラフは見るのも初めて
だったが、このシリーズの他の作品
は他のオークションやHPで見ており、
シリーズの他の作品と見比べても本物
と思えたので入札した。

この動物シリーズか『5月7日上野動物園
にて』というシリーズをずっと欲しいと
思っていたが、なかなか人気の画家で
高くて買えずにいた。今回思いのほか
安く手に入れる事が出来た。
ここの美術品のオークションは壮絶な偽物
も多いが、 ちゃんとした業者も出品しており、
これのように稀に欲しい物が出るので、
ばかばかしいと思いつつもチェックをせずには
おれない。
『動物シリーズ石版画集』より動物園にて
                 1970年
上野動物園の入場券の上に摺ったみたいになっ
ているところが楽しい。入場料は¥100。

今回落札した物はシートとマットだけで額が無いので、早速、銀座のヤタヤにでも行って額を作って
もらおうと思う。



2005.01.20
EMHが誕生日のプレゼントを予約したので来週休みはとれるかと言い出した。
誕生日だからといって予約して取りに行くって、一体どうしちゃったんだろう?と思ったら、
小っちゃいお嬢ちゃんを予約したと言う!!!
お嬢ちゃんを見に行ってから1週間立っても10日立ってもちっとも元気にならず、ますます
落ち込んで、ついには会社を休んでしまった私の事を気遣って購入を決心、、、、、、、、
なんて、、、甘い。 一番欲しかったのは本人だ。そうに違いない。間違いない。それが証拠に
なんてすっきりと晴れ晴れとした顔!

お嬢ちゃんは先週から百貨店の展示即売会にお出かけ中なのを戻してもらうという。たまねぎ
ちゃんの時もやはり百貨店の外商に貸し出し中なのを戻してもらっている。途中で戻したりして
画廊の信用を落としはしないか心配だ。値段も展示会では倍の値段を付けてあるそうで、即売会
で売った方が画廊としては良いのではないだろうか? 第一出品取り消しでキャンセル料は掛から
ないのだろうか?

色々心配な事はあるが、早速、月曜日にとってあった休みを火曜日に変更し、それまでEMHを
困らせてはと遠慮して止めていたパソコンの壁紙をお嬢ちゃんにして、たまねぎちゃんの横に印刷
したお嬢ちゃんを貼ってみた。たまねぎちゃんを中心に右に葉書、左に小っちゃいお嬢ちゃんに
なった。EMHが祭壇みたいで良いねと言った。

上川さん、色々ありがとうございました。来週伺います。



2005.01.21
何時かここへ行きたいと思っている。



2005.01.22
迷宮美術館の今日のテーマは名画の値段だった。版画の値段当てのクイズで解説に出て来た方、
どこかで見たようなと思ったら、以前、挿画本の『エロスの愉しみ』を購入した画廊の店主だった。
おしゃれなおぢさんだとは思っていたが、今日はポケットチーフもちゃんとして更におしゃれな
おぢさんである。だから解らなかったというわけではない。
ところで、おぢさんはフジタの奥様の君代夫人と食事をされた事があるとおっしゃっていた。
うらやましい。君代夫人。どんな方なんだろう。お会いしてみたい。



2005.01.23
あと2つ寝るとお嬢ちゃん。。。。

ここのところずっと、頭がうすら痛く、食べると速攻下痢だったのが、嘘みたいに調子が良く
なって来た。



2005.01.24
ちっちぇーお嬢ちゃんは今頃どうしているだろうか? 知らないおぢさんに嘗めるように見られて
いないだろうか? 心配だ。。。。
いや、おばちゃん達に囲まれて『まああああ小さい!○○○円ですってよお!うっそお〜〜!!』
とかイジメにあってないだろうか? 
予約する前にお出かけしていると教えてもらわなくて良かった。心配で更に具合が悪くなってしまう。



2005.01.25
今日は待ちに待った誕生日。ちっちぇーお嬢ちゃんを迎えに行って来た。

まずはこの間落札した香月泰男のリトグラフの額を作ってもらうべく、小説にも出てくる有名な
銀座の老舗、あこがれのヤタヤに行ったが、なんと!!移転していた。ヤタヤがあったと思われ
る店の前でウロウロしていたら、その店の中から人が出て来て『ヤタヤさんですか? 移転されま
したよ。』と言って移転先を書いた紙をくださった。見ると近くではなく、今日行けるところで
はなかった。仕方なく他のお店でオリジナルの額ではなく出来合いの物に入れてもらう事にした。
イメージしていた物とは違うが結構良さそうな気がする。1週間ぐらいで出来るそうだ。実は葉書
も持参しており、葉書はヤタヤのイメージではないようだが行ってみて合いそうなサンプルがあっ
たら頼もうと思っていたのだが、そういうわけでそっちは額装せず持って帰ることにした。急ぐ
ものではないので、ゆっくり考えてその内良い物に入れてあげたい。
さて、
お昼を済ませ、いよいよ約束の時間に
なった。先方にも私へのプレゼントと
言ってあるという事で、照れくさいので
直前まで私は顔を出すのを止めようかと
悩んでいたが、なんともあの画廊が好きで、
やっぱり付いて行く事にした。

行ってみてびっくり!!! なんと!!!
お誕生日という事で日比谷花壇の花束と
ワインとケーキを用意していて下さった。
かわいらしいピンクの花束と普段いただく
事の無いお高いワインに、
ケーキはとてもまいう〜でした。
おまけに記念にと言って、お嬢ちゃんと
一緒に写真まで撮っていただいた。
お嬢ちゃんもラッピングしていただきました。
オーナーと上川さんやスタッフの方にも
入っていただきたかったが、実は大変内気な私は言い出せなかった。残念。出来たら送って下さる
と言う。

こんな変な所に掛けているのかと絵画を大変愛しているオーナーを心配させるといけないので、
私は止めた方がいいと言ったのだが、EMHがお嬢ちゃんのコピーを壁に止めてあるところを
写したのを持っていってお見せした。上川さんがオーナーに見せたいので写真をいただきたい。
本物を掛けたらまた見せて下さいとおっしゃてくださった。
うへへ〜。そんなこと言うと本当に送っちゃうぞ〜。
全ったく、こういうのを親ばかというのだろう。

お嬢ちゃんを受取ると速攻家に戻った。
帰る道すがらのワクワクと緊張ったら。
事故らないようにはもちろんの事、
飛ばしすぎないでねとか。。。。。
いや飛ばした方が喜ぶかもとか。。。。(バカ)






花束はやっぱり車の後ろに載せて。
家に着くと早速、予定の壁に掛けて、
夜はちょっと勿体なかったけど
頂いたワインを開けた。
ワインはとても美味しいワインだった。
ワインに詳しいスタッフの方が選んで
下さったのだそうだ。ありがとうござ
いました。これとっても美味しいです。

早速、EMHが壁にかかった写真を
撮ってメールを送ったが、写真を添付
するのを忘れ送り直した。 興奮して
いるのかバレバレだ。
こうして、1年も経たないうちに2枚目の
お嬢ちゃんが我が家にやって来た。

今までで一番幸せな誕生日だった。
オーナーはじめ上川さん、スタッフの皆様、
本当にありがとうございました。
おしゃれにマントルピースの上(そんなもん無い
けど)とか、おしゃれなコーナーとかではなく
いつも一緒、いつも見ていられるところに掛けて
いる。ここは温度湿度とも一年を通して安定して
いて、実は環境からいってもここが家で一番の所
でもある。
そして何よりEMH、ありがとう。
大事に大事に大事にします。

それにしても藤田嗣治を2枚もなんて、普通のサラリーマンにしてはかなり無謀と思われるかもしれ
ないが、普通に働いていれば1年で買えなくもない。ただそういう価値観を持った2人がこうしている
のも、好きな画家が同じで、同じ物を素晴らしいと思えるのは大変幸せで色々なことを運命に違いな
いなんて恥ずかしい事を考えてしまっている。

一年前に木版の少女を購入したら、次は本画が欲しくなってしまった。水天宮の画廊へHPのTOPに
載せていた油彩を目当てに行ってみたが見せてもらえなかった。あの頃は、といってもほんの一年前
なのだが、まだあまり少女の絵を見たことも無く、予算もあり油彩といえど買えない事は無く、買え
るんだと気がついたばかりで浮き足立っていたし、もしかして見せてもらっていたら勢いで買って
しまったかもしれないのだ。そうしたら、たまねぎちゃんもちっちぇーお嬢ちゃんもここにはいない。
あのとき見せてもらえなかったのさえ運命と思えてくる。

たまねぎちゃんを初めてHPで見たときフジタといったらこういう子だと思った。ところが、どこを
見みてもそんな顔のそんな表情の子はいない。ところが一体どうしてだが私のイメージの中では
たまねぎちゃんこそがフジタの少女だったのだ。今回の小っちゃいお嬢ちゃんはHPを見て、2人
してこの子知ってるんだけど何処に載っていたかな?と言ってあちこち探したが見つからなかった。
もちろん、何処にも載っているはずは無く、そんな風に感じただけだった。これはもう迎えに行か
なくてはと思ってしまったのだった。

こうして5年後にもう一枚買おうと思っていたのがたった1年で2枚目を購入する事になってしまった。
5年待っててと言った『猫を抱く少女』には申し訳ないが5年後は無くなった。EMHはその内
またずっしり暗くなって、俯いて電卓を叩いてはハ〜〜とか言い出すに決まってると言って取り
合わないが、本当にもう満足しているので次はもう無いと思う。ただ私がそう言っても、たまねぎ
ちゃんは言わないだろうが、ちっちぇーお嬢ちゃんが ”猫ちゃんのお友達が欲しい”とか、
”私ってバラが似合うと思う”とか、”フランスの風景が懐かしい”とか、”裸のおねえちゃんが
欲しい”とか我がままを言い出すかもしれないが。

やっぱお花が一番似合うのは私よね。



2005.01.29
ちっちぇーお嬢ちゃんのいた画廊から伺ったときに記念にと撮っていただいた写真が届いた。
おしゃれなフォトフレームに入れてある。
すごくお安くしていただいた上、プレゼントやらお写真やら、申し訳なさすぎる。よお〜し!
もう一枚買っちゃうかあ〜なんて気持ちはあってもお金はない。


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