前世紀前半、祖国日本に見放された一人の芸術家がフランスにいた。
この日記はその芸術家、藤田嗣治に魅せられた貧乏サラリーマンが
無謀にもコレクターに成らんとする苦難の記録である。
尚、本人は結構幸せらしいが、寄付は随時受付中である。


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2004.11.03
蛍光灯が宅配便で届く予定だったが届いたのはこっちだった。7日着予定に指定されているが
多分間違いではなくて、居るだろうと解っての事だ。宅配はかなりのお得意様ですっかり読ま
れているようなのだ。
さて、届いたのは挿画本保存用の箱だ。
以前、大きいのを一個買ったが、入り
きらなくなってしまったのだ。あまり
重ねて入れるのもイヤだし、1個づつ
入れられるように小さいのをいくつも
注文した。
今回注文したところは、大きさも自由
に指定出来て、1個から作ってくれて、
安かった。アドバイスも親切だった。






2004.11.04
昨日着くはずだった洗面所の蛍光灯が届いた。
洗面所の蛍光灯は小さくて暗くて、ずっとイヤだと思っていた。おまけに丸くてUVフィルムが
貼れないのには困っていた。
とうわけで大きくて四角いのを買った。これならUVフィルムも貼れる。


電気をつけたら、家で一番明るい場所になった。
なんで早く変えなかったんだろう。



2004.11.7
お高い方の安い方のオークション( お高い方のSオークションには高い物ばかりの近代オークション
と比較的安い物が出品される近代オークションPART2とがある )の書面入札をそろそろしなくては
ならない。( 当日オークションに行けない場合は書面で入札も出来る。)

今回、3つ欲しい物があるが予算は決まっている。
私としてはA、B、Cに予算の全部をそれぞれ入れるのがいいと言ったのだが、EMHが
『ばかものめ!』と言うので( ばかものめ!は最近EMHのお気に入りの言葉だ )、2案として
A、Bに全予算を分割して入札し、Cは実際現場に行ってA、Bの落札価格を確認した上、あまりを
上限にオークションに参加するといいのではいう案を発表した。5日ほど前の事である。

入札の締め切りが近づいたので申し込み用紙に記入し始めた。A、Bいくらにしようと言うと
『 やるか!』と言い始めた。全部会場で参加すると言うのだ。いいけどさ〜。パドルを下ろし
そびれてもの凄い金額で落札しちゃったり、違うやつに入札しちゃったり、なんといっても
入札しそびれちゃったらどうするんだ。 このオークションは開始から15秒前後で終わっちゃう
ようなのだ。それに緊張して手がプルプルしちゃったら恥ずかしいじゃないか。

とまあ、心配ごとはいろいろあったが、結局3つとも会場で入札する事になった。A、BはEMH、
Cは予算が残っていたとしても少ないはずなのでわたしがやろうと思う。(←意味不明?)

『下ろせ! 下ろすんだ!!』(EMH)            けけけけけ〜〜〜(とも)



2004.11.10
延びて延びて延びて、待っていたレゾネ1がついに届けられないとの連絡が入った。
どうせなら、もっと早く言ってくれ。



2004.11.12
明日は初めてのオークションだ。
緊張するなあ〜〜〜



2004.11.13
ついに初めてのオークションの日が来てしまった。
夜、オークションでの変な夢を見たようだった。EMHが占いによると2人とも今日はダメな日だと
言っている。いやな予感。

東京に入ると予感的中か、早速いつもの4倍くらいの渋滞にハマる。事故渋滞だった。
  午前中の下見会が終わっちゃったらどうしよう。

予定より40分くらい遅れて銀座に到着。渋滞で時間がかかったのでまずはトイレと思ったが11時前で
まだ百貨店は開いておらず、そのままオークション会場に直行する。
  あ”〜〜〜トイレ、トイレ。トイレの表示は、、、、無い。。。。。。

ひととおりざっくり見た後、目的のコーナーへ行った。
  あ”〜 今回は良い挿画本がいっぱい有る。状態も素晴らしい。きっとちゃんとしたコレクターが
  亡くなったに違いない。評価額、全体に安すぎるんじゃないのか? お買い得かも。ブラックなんか
  もすごく欲しい。 
午前中が下見会で午後からオークションだ。
いつものお気に入りの ”響 ”でお昼を
済ませ、ちょっと早かったがとりあえず
会場へ向かった。
会場を覗くとまだ開いていない。目の前
のコーヒー屋さんに入って待つ事にした。
  トイレトイレ、、、、なんかおなかの
  調子が、、、、。
と、トイレと描いてあるドアを開けると
そこは店の外だった。目の前にトイレは
あったが『このトイレは自動ロックです。』
と書いてあった。ドアの開閉は青で人が入って
いる風ではないが開かない。開かない〜〜〜っ!!
入りたいときは店主に言って開けてもらわない
といけないのだろうか?
ええい!もうちょっとで開場だろう、がまんしよと思っていたらEMHが突然店を出ると言う。
でもまだ会場は開いていない。一体何時からだろう?んで、どこ行くさ〜? トイレ〜トイレ〜 
松屋向かい のビルの”響 ”のお気に入りの
豚角煮丼。
お味噌汁に惣菜バイキングが食べ放題で
たった1050円。バイキングの野菜の天ぷら
と野菜のしゃぶしゃぶ、デザートの杏仁豆腐
がとても美味しい。EMHのオススメはビビ
ンバの石鍋に入ってくる銀ダラ焼き飯。
これもとても美味しい。
お昼を頂いた辺りまで行かないとトイレは無い。
仕方なくそこまで戻ってトイレに寄って、
また舞い戻った。途中開場時間を聞こうと電話したが通じなかった。なんで下見会で聞かなかった
かと言うとオークション開始が2時だと思っていて、会場はその前で別にいつ行っても開いている
だろうぐらいにしか考えていなかったのだ。ところが行ってみると開いていない。
2時というのは
開場時間なのかな?と言う事になったのだ。
3回めのトライで会場が開いていた。初めての方と
いう受付があったので、そちらに行って手続きを
した。あらかじめ準備万端サインをして持って
いった入場券は半分だった。
『これは、、、、???』
受付の方がその半分の紙を持って言った。
『 あっ、ではこちらのほうにお手数ですがもう一度
ご記入願います。』
新しい紙をくれたので、もう一度サインをし
たら、
半券をくれた。
『 、、、、それから、 こちらは記念にお持ちくだ
さい。』
あらかじめサインをした分もくれた。いらないって。
それから、初めてなので身分証明書(私は免許証を
出した)を提出して登録カードに記入した。
大胆にも歴史的遺物の携帯を人前に出し、自身の番号
を見ながら登録カードに記入していたら携帯の電源
がキレて最後まで書けなかった。携帯、人目にさらすんじゃなかった。

なんとか受付を済ませ、パドル(番号を書いた団扇状のやつ。オークションで入札する時上げる
やつ。)を頂き、1F奥の席で始まるのを待った。前に金額の出ているモニターがある。なんか席が
少ないし、全然座ってないなあ?しばらくすると受付で聞いたオークションの説明と同じ説明をす
る声が聞こえてきた。音が小さいのでなんだ〜? と思っていたら、そのうちxxx番、xxx円
xxx円、xxx円、、、、、まるでオークションをしているよう、、、、、、
『えっ!』『どこだ!どこでやっているんだ?! ここじゃないよ!』
EMHが立ち上がった。
あわててすぐ後ろの受付に戻って聞くと、やっぱり場所が違った。オークションはB1Fだった。
私たちのくつろいでいたそこは待合所だったのだ。行くともう席はいっぱいで周り中に立っている
人が居た。そうだよなーあんなに席が少ないはずは無いよなあ〜。2、3人しか座ってなかったし、
受付をした他の人たちは何で座らないんだって。金額を表示しているモニターも大きなスクリーン
だ。真ん中にオークショニアがいて本当にハンマーを叩いている。作品が次々出てくる。う〜ん、
オークションだあ〜。空いている壁の前に場所をとった。

途中、オークショニアが交代した。無理も無い。一人ではムリだ。激しすぎる。大体一作品15秒
前後ではなかっただろうか?もの凄いスピードで進んでいく。お高い方のオークションだともう
少し時間がかかるようだ。お客さんの方は見ているとNOの書いてあるパドルの挙げ方も人それ
ぞれだ。自分の限界まで挙げっぱなしの人とその都度挙げたり下げたりしている人、胸元でちょっ
とパドルを上に向かせるだけの人、ペンを挙げる人、手を上げる人色々だ。初めてなので挙げっ
ぱなしが良いかもと思った。だって早くて挙げるだけではなく下ろすタイミングさえ解らないん
だも〜ん。そのうち慣れると思ったがしばらくして決心した。パドルを挙げるのはEMHに任せ
よう。

初めは版画で評価額より大幅に高くなる物はほとんどなかったが、藤田のリトグラフが評価額の
2倍になった時はちょっと動揺した。もともとの評価額が低かったからよね。。。。そう納得さ
せたのもつかの間、狙っている藤田の挿画本が近づくにつれ徐々に高い物が出てくるようになっ
てきた。うわ〜〜〜、ロートレックは2〜4倍だ!マ・マズイかも〜〜〜 
いよいよ狙っている藤田の挿画本のオークションが始まった。ちなみに狙っているのは藤田嗣治
の挿画本1点と藤田他多作家の挿画本と香月泰男の素描だ。3つもなんてずーずーしいと思うかも
しれないが評価額通りだったら3つ買える価格だったのだ。あれ?安くイケそう?と思ったのも
つかの間上がる上がる。マズイ、停まらない。こうなったらこれ一点狙いだ。私は決心した。
ついに今日最後にEMHと話したときの上限の金額を通り越した。EMHがパドルを下ろそうと
するのを挙げてと合図した。それまでライバルをチェックしていたのが、EMHが止めてしまう
のではと心配になるやら金額はどんどん上がるわで周りを観察するどころではなくなった。最後
のライバルを確認し損なってしまった。結局落札出来たのはこの初めの藤田の挿画本だけだった。
2つ目は残りの予算いっぱい入札したがダメそうなのでそこできっぱり止めた。止めるとすぐに
終了してしまい、ちょっと悔しい思いをしたが、こちらが引かなかったらどこまで上がっていた
やら。多分止めて良かったのだろうと思う。予算切れだし。階段の端に無理矢理載せていたお尻
も痛いので3つ目は見ずに退場した。その場でお金を払って落札品を引きとって帰った。

結局、3つのうち落札出来たのは第一目標のみ。評価額の2〜4倍というところだった。まあ初めは
これ一つに全額を当てるつもりだったし、大変状態が良く内容的に充実した完本と思われる物だっ
たので大満足だった。緊張のオークションの方もこのお安い方の近代美術オークションpart2の方
は結構気楽な物だと思った。今度は飲み物持参で早めに行って席を確保してゆっくり観賞したいと
思う。

念願の一枚。
これが欲しくて、欲しくて。
以前より某画廊に頼んでいたのだが
出なくて、最近他の画廊に出たので
正にこれ一枚だけでも買おうと思って
いた矢先の挿画本での出品。うううっ。

他の作品から想像して、すごく派手な
色合いなのかと思っていたら、以外に
落ち着いた色合いだった。


何だろう?と思ったら重ねて摺らないで
別々に摺った物が入っていた。


文章無しのカラーのスイートや各ステート
のスイート、モノクロのスイートと
絹摺りx1が付いていた。特装版ではない
が大変充実した内容で大変買得だった。

挿画本『Petits Metiers et Gagne-Petit』
          (小さな職業人)
1960年フランス 総部数261部 木版
箱サイズ37.5cmx29cm

直筆や版木が入った特装版や、摺られるもの(紙・絹等)
により6セットに分かれている。



2004.11.14
Mオークションで以前落札した『四十雀』が完本でないらしい事にEMHが気がついた。
絹摺り一点が欠品しているようなのである。他の挿画本もそうなのだが、印刷している紙が違う
とか、入っている物が違うなど色々なセットがあって、私の買った『四十雀』のエディションでは
文章の挿入されたリトグラフの他に絹摺りの直筆サイン入りが入っているようなのだ。
ぬわんと! 私のにはその大事な別摺りが入ってない! なんてこった〜。やってもうた。。。

今回、『小さな職業人』を落札したオークションにも『四十雀』が出品されていてカタログには端の
ほつれたようにみえる絹摺りと思われるサインの有る物が載っていた。エディションからいって私の
物と同ランクのものだ。この辺のランクのオークションは大丈夫だろうと思ってあまり調べず油断し
ていた。オークションのカタログにも確かに完本とは書いていない。オークションハウスにしてもレ
ゾネさえ記述が正しいとは限らない上、色々種類が有り過ぎて完本・完本でないとの表示は出来ない
に違いない。これからは自分でよく見極めなくては。でも、レゾネはフランス語でフランス語は辞書
を使っても文章が組み立てられないし、翻訳ソフトを使ってみても、チンプンカンプンな文章にしか
ならない。実は今回も絹摺りを絹色と間違えていた。まさか日本画でもあるまいし、絹刷りが有ると
いう考えに至らなかったのだ。知っていれば気がついたかもしれない。何もかもが初めての事で、他
の事だったら楽しいのだろうが、ことこれに関してはお金が掛かっているのでちっとも楽しくない。
日本語のレゾネが有ると良いんだが、、、、。コレクターの道は長く厳しいのだった。
これは今回落札した『小さな職業人』
の絹摺り。
今回のオークションに出品されていた
『四十雀』にもこれのように端がほつ
れているスイートが載っていた。



2004.11.22
この秋の相次ぐ台風やら地震やらでお嬢ちゃんたちの事が心配でたまらない。
この間から何度もしつこいようだが、お嬢ちゃんたちには足が無い!!


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