前世紀前半、祖国日本に見放された一人の芸術家がフランスにいた。
この日記はその芸術家、藤田嗣治に魅せられた貧乏サラリーマンが
無謀にもコレクターに成らんとする苦難の記録である。
尚、本人は結構幸せらしいが、寄付は随時受付中である。


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2004.05.05
一旦は押し入れに入れた保存箱では有るが、心配していた通り湿度が高いようだ。
今日のような雨の日は70%を超えてしまう。70%といったらカビの発生する湿度ではないか。
とりあえずサッフォーの下に移動した。でも今度はポトスが水を吐くんではないかと心配だ。















← 白いのが保存箱。これで20000円!




2004.05.06
ブタちゃんの貯金がたまったので、『東洋の知識』という挿画本を買おうと思っていたら
他に二冊欲しいものが有ったので15分くらい悩んだ末、三冊買う事にした。予算オーバー
なのでEMHに借りる事にした。申し込んだだけで購入出来るかまだ解らないが、早々に
コレクションリストに追加した。

先にリストに入れたりすると却って無かったりして。



2004.05.07
予感が当たってしまった。三冊の内、残念ながら『YUKI』は私より早くクリックした方がいたようだ。
追加作品が有るといつもTOPページにNEWと記載される。今回はまだNEWとなって無かった
時点でクリックしたのに他にも好きな人がいるんだなとライバル意識を燃やす。メラメ〜ラ

メールに一ヶ月くらいで購入しそびれた物より状態の良い物を入荷出来るとの事だったので、
お願いした。HPに載っていたのは画面で見ても状態が悪いようだったので買おうか止めようか
ちょっと迷ったのだ。かえって買えなくてよかったみたい。



2004.05.08
ヤフーオークションに出ている挿画本の『夜と猫』、追いかけていたがまだ丸一日有るのに
すでに29000円になってしまった。どうもあまり経験の無い人が何人か入札している為
高くなっているようだ。今回は見送る事にした。

お安いオークションのカタログが届いた。絶対というほど欲しい物はなかったが、ゆくゆくは
欲しいと思っている挿画本の『八景』があった。
入札してみようか? でも評価額が決まっておらず ”成り行き”だ。いくら入れたら良いんだろう?



2004.05.11
『東洋の知識』と『東京ロマンス』が届いた。

挿画本『 東洋の知識 』
1925年
木版 120点
総部数 1960部
『東洋の知識』は木版がかわいらしい。
『東京ロマンス』は日本の出版社の物で
ごく普通の文庫本なので紙がボロボロで
劣化が非常に激しかった。

表紙と中身を別々にして、表紙だけ
中性紙に挟んで保存箱にしまった。
中身は他の挿画本に良くないかもし
れないので中性紙に包んで別の所に
置いた。
       『 東京ロマンス 』
       
昭和22年 挿画10点
表紙だけ 中性紙で包んだ。EMH作成
EMHが二つを保存箱へ仕舞う前にすでに保存箱に入れてある物を出して一枚ずつ開いて
空気を入れている。偉いなあ。いつもの事ながら感心する。彼は騒ぐだけの私とは違う。



2004.05.21
お安いオークションの入札をした。
『八景』は止めて、木版の猫と自画像二枚組を入札した。
評価額が画廊価格に比べて1/8くらいなのだ。
思わず入札せざるを得ない評価額だ。といっても絶対欲しい物ではないので評価額程度で
買えるのなら欲しいという事で評価額より1万ちょっとだけ高い値段で入札した。

これで買えたらものすごくラッキーだ。



2004.05.22
オークションの落札結果がアップされた。
中に3点ほど評価額を3〜4倍も上回るものがあった。特にリトグラフ2点は珍しい物ではなく、
そのうちの1点なんか毎回このオークションに出てくるものだし、もう1点の木版にしても、
4〜5倍はないだろう。画廊で買うのと変わりない。物によっては画廊より高いくらいの価格だった。
二人程おばかがいたのかもしれない。困るなあ。そんな事されると評価額が上がってしまう。
いや、もしかして意図的なつり上げ? それとも全体的に値が上がってるのだろうか?
まずいなあ〜。

ということで全く擦りもせず落札出来なかった。



2004.05.23
頼んでおいた『夜と猫』と『ユキの告白』が入荷されたとの連絡があった。

『ユキの告白』は、ほぼ新古本の状態、『夜と猫』は2冊有るが、どちらも外観は大分痛んでいる
ようだった。2冊あるうちの程度の良い方をお願いした。

これで後、頼んであるものは『猫の本』と『foujita』のオリジナル版画付きだけだ。
この辺はいくら待っても出てこないかもしれないが。出たとしたら一体幾らになるやら。
特に『猫の本』は買えない場合も有るかも。この前情報を頂いた別刷りシート無しのオークション
ハウス・スワンでの落札価格くらいだったら良いんだけど、それじゃあ画廊さんの利益が出ないだ
ろうし。『foujita』はオリジナル版画付きは美術館やら著名な収集家のところに行っていて、まず
出ないだろうという事なので、こっちの方はそのうちオリジナル版画付きでないやつを頼もう。



2004.05.27
『ユキの告白』と『夜と猫』が届いた。
『ユキの告白』は聞いていた通りの新古本という感じの美本だ。ユキの書いた藤田が面白い。
『夜と猫』はかわいらしい綺麗な絵本という感じだ。
よくこれをバラして額装してヤフーなんかに出品している人がいるが、それは無いだろうと思った。
これは全くの本だ。ばらすなんて、、、、。
挿画本『 ユキの回想 』
藤田による表紙と他に1点の挿画
挿画本『 Night and the Cat 』(夜と猫 )
1950年  挿画12点  本サイズ24.8x18.2cm



2004.05.28
まずい。。。
6月10日のボーナスまで15000円しか無いのに37Lも入ってしまった。
そこだー! あのおねえちゃんやー!
いかにも慣れてなさそうな見た事の無いお姉さんのところにしたのに。る〜ちゃんは入りにくい
はずなのに。最近セルフが流行っていてお客が少ないので何でも良いからめいっぱい入れろと
言われてるのかもしれない。
どないするんや〜。後13日。



200405.30
『ねえねえ、ボーナスが出たらこの木版の猫ちゃん買わない?』
『う〜ん、これ入札しようかと思って。良くないかなあ。』
突然EMHがヤフーオークションの鑑定書付きの自画像を買おうと言い出した。
私は良いけど。良いの?好みとは思えないけど。小粋でおしゃれな藤田というより、
どんくさいデブの変態おやじという感じだ。今までだったらいくら安くても絵が気に
入らなかったら買わなかったのに。気に入ってるってこと??

私の方は最近落ち込み気味でコレクター魂がしょぼんとしていたのが、藤田を主に収蔵している
美術館のHPを検索して、なんだ美術館でこの程度かと俄然やる気を盛り返していたところで、
気になっていた木版を購入しようと思っていたぐらいなので全然OKだ。やるじょ〜!

参加するからには勝たなくては。でももう一日半くらい有るのにすでにXXXXXX円だ。
皆さん、飛ばし過ぎでは?



2004.05.31
ダメそうと思っていたが、やっぱりダメだった。
入札しようと思っていた時点の4倍以上の値段で落札された。
でもアレはやっぱりいらなかったかな〜? あれが部屋にあるところを想像出来ない。
部屋に有っても楽しくなさそうなのにな。皆さんアレ買ってどうするつもりなんだろう。


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