前世紀前半、祖国日本に見放された一人の芸術家がフランスにいた。
この日記はその芸術家、藤田嗣治に魅せられた貧乏サラリーマンが
無謀にもコレクターに成らんとする苦難の記録である。
尚、本人は結構幸せらしいが、寄付は随時受付中である。


2004/プロローグ 2004/01 2004/02 2004/03 2004/04 2004/05 2004/06 2004/07
2004/08 2004/09 2004/10 2004/11 2004/12 2005/01 2005/02 2005/03 2005/04
2005/05 2005/06 2005/07 2005/08 2005/09 2005/10 2005/11 2005/12
2006/01
2006/02 2006/03 2006/04 2006/05 2006/06 2006/07 2006/08 2006/09 2006/10
2006/
11 2006/12 2007 2008 2009 最新の日記



2004.04.01
今日はH君に入札を頼んだヤフーオークションの『クリステミス』の最終日だった。
さすがはプロ。終了間際に入札してくれたようだ。
よし!と思ったら、あれって自動延長っていうのがあるのね。それってヒドイシステムと違う?
終了時間が10分ずつ伸びて伸びて、12時を回ってしまった。ごめんH君。
頼んだのを後悔、反省した。次回は自分で出来るようにしよう。

結果はなんとかゲット。これでダメだったら申し訳なさすぎる。

ありがとう。H君。



2004.04.02
早退して『クリステミス』と『婦人の友』の入金をした。
夕方メールを確認すると入金したばかりなのにもう発送したとの連絡が有った。どちらもだ。
両方、月曜日には届くと思う。
入札後すぐにメールが来るし、発送は早いし、ちょっと入金が遅かったら評価が悪くなって
しまうのだろうか? ヤフオク、なんか疲れる。



2004.04.03
『婦人の友』が届いた。
古いのは仕方ないが肝心の表紙に何かの○○○のような焦げ茶の物が付いていた。
取っといて欲しかった。
背表紙の明色美顔水の広告はインターネットの方が綺麗だった。やっぱりというか、
当然というか明色美顔水の広告の絵は藤田ではなかった。

猫のクリステミスは残念ながら今日は届かなかった。

早速、出品者の評価を入れると折り返し出品者から私の評価が入った。
これで評価1個。『猫と女とモンパルナス』を入札出来るだろうか?



2004.04.04
『クリステミス』が届いた。

しょぼい額装だが本物だ。ガラスにカビらしきものが、、、、。
状態は良好と書いてあったがシッポのところに小さな穴が開いていた。

まあ、いいか。安いし。

『 クリソテミス 』
1930年
挿画本『猫の本』の中の挿画
コロタイプ
総部数 500部
本サイズ 33x25cm

銀行のネットバンキングに加入申し込みをした。
始まった当初は銀行へ行かないと手続き出来なかったのが、いつの間にかインターネットで
簡単に申し込めるようになっていた。これで度々会社を早退して銀行の窓口へ行かなくても
24時間インターネットで入出金が出来るようになる。
なんて便利〜。ちょっと無駄使いの危険な香りがするが。



2004.04.06
ネットの画廊屋さんへ頼んでおいた『Les・Montparnos』が入荷したとの連絡が入った。
皮装備されたもので、欲しいのはオリジナルなのでちょっと悩んだが、こういうのもたまには
良いかなと、購入する事にした。
第一毎度の事ながらとってもお安いし。



2004.04.07
お安いオークションの欲しかった3つであるが、今回は挿画本の『四十雀』だけ入札する事にした。
欲しいのは挿画本でバラしたものではないのを思い出したのだ。今後『ラ・フォンテーヌ20の寓話』
はもちろん今回のそれをバラしたライオンだけだってお目にかかる事は無いと思うが本をバラすと
いう行為事態嫌いなので、それを買うのは趣旨に反している。でも実はちょっと欲しい。



2004.04.08
お安いオークションの下見会の日だったので挿画本の『四十雀』の状態を問い合わせた。
エディションN0.とカタログに書いてあったシミが絵の部分にも有るのか確認した。
残念ながら絵には少ないが全体としてはシミの無いページはほとんどないそうで、はっきり言って
状態は良くないという事だった。

あんまり汚いのは嫌だ。でも二度と出ないかもしれない。
どうしよう。買うなら今晩中に書き込まないと。

例のタマネギちゃんを購入した画廊にまた動きがあった。
たまねぎちゃんとどっちにしようか悩んだ少女の下にいた安いおばさん(十分高いがそこで
一番安い)がいなくなっていた。よく見ると版画の猫も数が減っているような?
ああ”〜心配だ。少女が売れちゃったらどうしよう。

少女よ、5年がんばるんだ!



2004.04.09
結局昨晩『四十雀』を安い値段で入札した。

挿画本でお世話になっているネットオンリーの画廊さんからメールが入っていた。
頼んでいる『猫の本』がアメリカのオークションで別刷りの版画シートが欠けているのに関わらず
1万4950ドルもの高値で落札されたとの情報だった。

まずい。4〜5年前に比べかなり高くなっているそうな。



2004.04.10
代車で久しぶりに佐倉にある川村記念美術館へ行った。
ここはお気に入りの美術館で何度も行っている。
入り口の貸しギャラリーで展示会をしていた。
この手の展示会は今までの経験から
いって、あまり期待してなかったのだが、
ただ、車の点検が終わるのが夕方の5時
以降という事で、時間がありすぎたので
帰りに寄ってみる事にした。
はっきりいって、時間つぶしだったのだ。

それなのにそれなのに、なんと!
ぜんぜん知らない人の絵を買ってきて
しまった。全く知らない人だった。
水墨画と水彩と油彩と画風の違うもの、
それぞれに引きつけられるものがあった。
佐倉で見かけたパチンコ ハッ〜ピィ〜〜〜〜
本当にハッピーなのか?
これ良いね。いやこれも良いなあ。あれはどう?
一通り見た後、ドクターが言った。
”これ買おう。”
桜島の絵だ。
”はあ?”
”、、、、、ん〜そうだね、でも桜の木も良いし、アルゼンチンの黄色い絵も好きだし、、、、”
”いや、これ買って帰ろう。”
ちょっと顔が紅潮している。
”まあ、時間はたっぷりある事だし、ちょっとぶらぶらしてこない?”
私も欲しいとは思っていたが、もう少し考えた方が良いのではないかと思って、
とりあえず、一旦外に連れ出した。
なんといっても壊れた二人である。少し冷静にならないと。

いつものように藤棚まで行ってベンチに腰を下ろした。
特に絵の話はしなかったように思う。
とりとめの無い話をしばらくした後、ギャラリーに再び戻った。

私も買うつもりだったが、
”さて、どうする? 後ろの黄色い絵も良いと思うなあ。ホント言うと実はあの女性の肖像も
欲しいんだけど。ちょっと高いけどね。あれ? ちょっと、、、、、”
ドクターは私の言葉に生返事をしつつ奥へと進んだ。
”あの、、、桜島の絵が気に入ったんですが。”
あれあれあれ、言っちゃった〜。まあ良いけど。女性は高いし、私もその桜島が一番気に入ってる。

こうして壊れた二人は又一枚絵を購入してしまった。
一枚は安くても、何枚でも欲しくなりそうなマズイ予感がする。普通のサラリーマンなのに、、、。

現金の持ち合わせが少なかったので、あの絵が欲しいが今日は持ち合わせがないと言うと
後で入金してくれれば送ります。先に一万でも入れていただければ今お持ちいただいてもと
おっしゃってくれたので、とりあえず持ち合わせの3万だけおいて、後は振込にさせてもらった。

絵を買った日は家に帰るのが楽しみだ。
早く早く。宅配便なんて考えられない。
”生活に困らない程度にしてくださいね。”絵描きの奥さんが言った。
う〜ん、全ったくだ。私たちは壊れている。しかも二人一緒で止める人がいない!!

お互い何度も何度もありがとうと言い合った。買ってくださってありがとう。
譲っていただいてありがとう。最後の最後に絵描きさんの言った”これで生きて行けます。”
は内緒にしとこう。


家に持ち帰って、壁にかけてみて、ほっとした。
やっぱり買って良かった。
”ねえねえ、この絵、風景なのにね、笑ってるんだよ”

後であまりに陳腐な言葉で恥ずかしくなった。なんか子供みたいだ。
でも、よく言う事かもしれないが、実際にはそんな絵を見た事が無かったから
思わず言ってしまったのだと思う。怒ったようなとか、泣いてるようなとか、何かを訴えている
とかいうんではなく、風景なのに笑っているっていうのは今まで感じた事が無い気がする。
バカと思われるかもしれないけど、ともかく自分がそう思って幸せなんだからそれで良いと思う。

ホント! 連れて帰って良かった!

絵描きさんは小川憲一(号豊実)さんという方です。



2004.04.10
『四十雀』を落札できたようだ。連絡は無いがHPに落札金額が出ている。
私はそれより高く入札してる。でも連絡がまだなのでなんか心配だ。
入札しなかった二枚の挿画本の一部はもし入札していたら一点はぎりぎり落札出来たが、
もう一点はダメだった。二点とも評価額を上回るかなり高い金額だ。
まずい。日本も全体に値上がりしている。

『 Les Montparnos 』が届いた。
やっぱ買うんじゃなかったかな。
誰かが自分仕様に皮装丁したわけで、なんかお古って気がしてちょっと。
    挿画本『レ・モンパルナス』
    
1959年 
    総部数 1000部
    これは挿画本を皮装丁したもの



2004.04.11
桜島を購入する時、これも欲しいと思っていた奥様の肖像の油彩も譲ってもらう事にした。
XX万はちょっと高く、お二人が出会った頃の絵のようだし売りたくないのかもと思うと
申し訳なく、どうしようと思ったがなんだかとても欲しかったので電話してしまった。

”XX万で?”
いいのですか?というニュアンスだった。
XX万は普通のサラリーマンで、しかも一枚買った後ではとても辛いが、欲しいと思った絵の
値引きは出来ればしたくない。
その価値を認めての購入で、裕福だったらお年玉を付けたいくらいだ。

早速この間登録したネットバンキングで入金した。便利だ。
小さい絵を付けてくれると言う。どれがくるだろう? 楽しみ。



2004.04.14
お嬢さんたちのUVケアと家に帰った時の家の中の暑さったら無いのと、
ついでに私のUVケアの為に、家中にUVフィルムを貼った場合の見積もり出しを依頼した。



2004.04.15
小川憲一さんから絵が届いた。
購入した絵以外に小さい絵が2つ!と、欲しいと思っていた小川さんの本と葉書のセットに手紙が
入っていた。ありがとうございます!
小川さんが送ってくれた2つは購入した二枚とはまたタッチが違って、こういうのも欲しいと
思っていたものだ。今度はこういうのを譲ってもらおう。ああ、それに実は水墨画も一枚欲しい
のだ。まずい。人物ももう一枚欲しいし、際限なくて困る。

ドクター改めEMHエリックが奥さんの絵と私は少し似ていると言っている。本当だろうか?

本の表紙の子供達の集合の絵、とっても素敵だ。これの原物を見てみたい。
広島に行ったら、見せてもらおう。何時になったら行けるのかは解らないけど。

EMHエリックがほとんど書かない手紙を書いている。長すぎのような気がするが。
画像をHPに載せちゃうけどいいか断っておいてと頼んでみる。
HPは便利だが絵は画面で見るのと違う。画面で見ると良いが実際は?だったり、その逆だったり
が多いように思う。載せるのも良し悪しだ。ただ、もしかしてこのページを見てくれた人の頭に
名前が残っていて、個展を覗くきっかけにでもなってくれれば良いなあと思う。

昨日依頼したUVフィルムの見積もりが届いた。
二人で 7・8 時間で出張費8000円との事だった。自分でやるのはかなり大変だし、時間もかかる
ので頼む事にした。

エリックが夜、蛍光灯の傘にUVフィルムを貼ってくれた。

← 上から光が漏れてるけど?
白く見えるとこにUVフィルムを貼った。

他のやつもよろしくね〜。
ドラムの横とかキッチンの出窓の上と横とか洗面所の蛍光灯とか
上の光の漏れてるとことか、、、。



2004.04.16
ヤフーオークションに『猫の本』の二版が出ていた。
これはオフセット版で、安くてもこれはいらない。



2004.04.17
ビックカメラのポイント約5000円をプラスして除湿器を買った。
でも一週間しないと届かない。
晴れてめちゃくちゃ暑くなるのも困るが
雨でジメジメも困る。除湿器が届いて
UVフィルムを貼るまで、みんながんばる
のよ〜。

ジョイフルで湿度計を買って来た。
今までのは針で見にくかったので
デジタルにした。

最高湿度と最低湿度を記憶出来る。
最高温度と最低温度も記憶出来ると
良いんだけど。




2004.04.19
UVフィルムを買って来た。

今日はキッチンの蛍光灯に貼ってくれた。













2004.04.20
『 四十雀 』が届いた。

電話で聞いた通り状態はあまり良くなかった。バラして売るには汚くて向かないかもしれない。
でも本としては十分だと思う。もちろんバラすつもりは無いので大変お買い得だったと思う。
今後二度と市場に出ないかもしれないし。
挿画本『 LA Mesangere 』 (四十雀)
1963年フランス オリジナルリトグラフ21点 
総部数 261部 箱サイズ 40.4x30.5cm 
直筆サイン有り
2つに折って重ねて箱に入れてある。
そういえば、二度と市場に出ないかもと書いたが、現在売っていると書いてあるギャラリーが有る。
そこへはEMHが前に一度別の物を、今回オークションに参加する前に私が一度『四十雀』の値段を
問い合わせているが、EMHには無いと言う返事、私には全く連絡無しだ。稼働していないのかと
いうとそうではなく更新されている。無いと言った物も現在も尚HPに載せている。全く信じられ
ないギャラリーだ。



2004.04.21
フランス額装飾入門が届いた。
額装をなんとかしないとカビカビになると騒ぐだけの私と違ってEMHはいつも
黙ってやるべき事をやる。
でもそこに載ってたのはおしゃれでキレイな額装で私の知りたい保存の為の額装に
ついては全く触れていなかった。

除湿器が届いた。
結構大きい。
60cmくらいある。
はっきりいってジャマである。

もうすぐ梅雨時、カビは湿度75%以上になると発生するらしい。お嬢さんたちのほっぺに
ボツボツが出来たら大変だ。75%は私も嫌だし、毎日毎日、湿度と温度が心配で心配で、
髪が白くなりそうだったしで、除湿器を購入した。お嬢さんたちの好きな環境は温度20度、
湿度55%ぐらいらしいのだ。これでちょっと、安心した。



2004.04.22
家に帰ると室温27.5度、湿度49%だ。
昨日届いた除湿器、自動にしておくと温度が高くなると湿度を低くするなど温度に合わせて
湿度を調整する優れものだ。UVフィルムを貼ったらなんとか夏を乗り切れそうな気がする。

ただ温度によって湿度が変わる自動設定は人間にとっては快適だが、お嬢さん達の為には
湿度を一定に設定しておいた方が良いかな?




2004.04.23
お金はもうすっかり無いのにこの間届いたお高い方のオークションの安い方のカタログ
(お高い方のオークションにはお安いカタログと、とんでもなくお高いカタログとが有る)
のヘナチョコな水彩が欲しいと思ってる。こんなことでは5年後はもちろん10年経っても
20年経ってもお嬢さんを迎えに行けない。やっぱり、はたききって買うしかないのか。
(はたいても無いけど。)
ちなみに欲しいと思っているヘナチョコな絵というのがスゴい。水彩でサインは無いけど
鑑定書付きで藤田なのに評価額が15〜30万なのだ。コレクター心をくすぐる珍品の香り。
欲しい。。。。



2004.04.29
小川憲一さんが
5/12〜18に鹿児島の山形屋なる百貨店で個展をされるようだ。
東京近辺でなくて残念だ。
今度は何時見れるのだろう。



2004.04.30
お嬢さん達のUVケア&暑さ対策の為、ガラスにUVカットフィルムを貼ってもらう事にした。
全部となると一人では大変だし、なかなかうまく貼るのは難しい。やはり専門家に任せようという
ことで、インターネットで検索して相模原の会社に大体の広さを測って見積もり出しを依頼した。
シートの大きさで幾らという簡単明瞭な会計で、職人さんの人数に関係無しだし、1日で出来る
という事だし、金額的にはインターネットで申し込むと10%OFFで更にフィルム貼りは始めた
ばかりという事で、こちらも10%OFFと会わせて20%OFFだったので、これはもうお願いする
しかないだろうという事になった。

今日は28度以上になるだろうという予想だったのが、午前中はちょうど気持ちの良い感じで、
なぜか午後には曇ってきて、じっとしていると寒いくらいだ。乾きが遅くなるので貼るのには
良かったかも。その上、5月になると言っていた美術品の保存箱が明日届く事になった。
3月に頼んだのだがメーカーの都合で5月になってしまうという事で、はっきり何時とも解らな
かったのだ。

なんて素晴らしいタイミング!
紫外線対策と保存箱と、完璧だ!

ちょうど今朝、保存箱って何時届くの?って話をしたところだったのだ。そういえば、
ゴールデンウィーク、横浜からじゃあ何時くるかなあって言って庭を見たら車が止まってたし、
今日のラッキーアイテムはタマネギだそうだし、もしかしてタマネギちゃんのおかげかも。(おバカ)

それにしてもラッキーアイテムがたまねぎってのは????


TOPへ  美術鑑賞Lab TOPへ