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大気光象4: 彩雲・光・地球影など
とても美しい七色の現象。
光環と彩雲はどちらも大気中の微小水滴、氷晶、あるいは固体粒子による太陽光の回折による現象であり、原理的には同じ現象。
両者は普通、太陽を中心にして同心円状であれば光環、太陽に接することなく、雲の形状や厚さに左右されて不定形で、雲に着色があると彩雲とされる。観察にはサングラスが必須。
 
 光環

日光環
巻層雲による光環。光環は巻雲・巻層雲、あるいは高積雲・積雲などの周辺の薄い部分で見えることが多い。

花粉光環
春先の杉花粉によってできる光環。写真のように非常に鮮やかになることがある。
 

巻積雲による月光環 
巻積雲による月光環。雲片模様になっている。雲中の水滴の大きさの均一性がよくない場合、このように光環の色がはっきり分離しない。

巻積雲による日光環
左と比べると月でも太陽でも同じ現象が起きていることがわかる。しかし、太陽の周囲の現象は、太陽が明るいので気づかれないことが多い。

雲がないところで光環が欠けていることから、光環の成因が雲粒であることがわかる。

  

巻積雲による日光環
巻積雲による日光環。上光環より色の分離がはっきりしていることから、粒子の均一性がよいと言うことがわかる。
  
   
 彩雲
太陽の近くを薄い雲が通過するときに見える。太陽に近いほど見える頻度が高いので、多くの人は眩しくて気がつかない。注意していれば雲のある日はほとんど毎日のように見える、普通の現象。ただ、時にはビックリするほど鮮やかに色づいた雲が見られる。

真珠色に輝く彩雲。時には驚くほど鮮やかに色づいて輝くことがあるが、ほとんどの場合は太陽が眩しくて気づかれない。

雲の縁辺部分は雲粒が蒸発しつつあるため、雲粒が小さく、彩雲が鮮やかになる。雲の縁辺部に沿って見えることも多い。
         
彩雲と光環は同じ現象
太陽・月を中心に同心円状にできたものを「光環」、雲の厚さや形状に沿うような不定型なものを「彩雲」と呼ぶ。
さて、上の写真はどっちだと思う?
 
光環から彩雲へ 2023年10月
   
彩雲・光環は太陽の近くに現れる色鮮やかな現象です。観察にはサングラスを忘れずに、できれば太陽を街灯の傘や木々で隠すと見やすくなります。
    
 薄明光線・半薄明光線(光芒)
雲間から漏れる太陽光が、大気中の微粒子で散乱されることで光の筋として見える現象。放射状に広がっているように見えるが、これは遠近法によるもので、実際は太陽光はほぼ並行光線。
太陽から伸びるものを薄明光線、太陽の反対側で収束しているように見える物を半薄明光線という。まとめて、「光芒」と呼ぶこともある。

下方への薄明光線
層積雲の隙間から漏れる薄明光線。このような姿を「天使のはしご」と呼んだりする。

上方への薄明光線
一部分が積雲の影になって、影が上方に放射状に広がっているように見える。左の薄明光線とは真逆の薄明光線。

反薄明光線
薄明光線が頭上を越えて、太陽と反対側に収束していくように見えるのが薄明光線。
おまけ
薄明光線もいくつかに分類することができる。

1.光の筋が下方に伸びるもの(左上の写真)
2.光の筋が上方に伸びるもの
3.影が下方に伸びるもの
4.影が上方に伸びるもの(右上の写真)

※Akinokoの分類であり、学術的な分類ではありません。
   
地球影
地球が球体ため、夜明け前・日没後、太陽と逆方向の空に地球の影が映ることで起きる現象。空気が澄んでいるほどはっきり見える。

オーストラリア・エアーズロック(ウルル)と地球影
透明度が高いほど地球影は明瞭に見える  

飛行機から見た地球影
写真右側に太陽があり、影は左に行くほど幅が広くなる
    
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