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大気光象1: 虹
虹は雨粒でできる、最も有名な大気光象。ただし、全周つながった虹を見ることはそれほど多くなありません。また、継続時間が短いことが多いので規模が大きく、明るい割には目撃のチャンスは少ない現象です。ただ虹はある程度予測可能なため、コツを覚えれば遭遇する機会も増えます。
虹には多くの不思議があるので下記の「虹を見る視点」を知っておけば、虹に出会ったときにさらに楽しめます。

日没直前の素晴らしい光景 2023年10月

虹の寿命は短いことが多いため、予想・待ち伏せが有効

虹をバックに記念撮影をする家族

夕方、迫る積乱雲の下にできた虹  8円周魚眼レンズで

積乱雲の雨脚にできた空中虹
 
1.虹のキホン
【虹を見る視点】

@自分の影(の目の位置:対日点)を中心に、つまり太陽を背にして見える=虹は
太陽の反対側にできる。

A明るい内側の主虹は視直径約42度の大きさで赤色が外側

B副虹は視直径約54度。色順は主虹と逆で、赤色が内側になる。

C主虹と副虹の間は他の部分より暗い。これをアレキサンダーの暗帯という。

D虹は両端よりも頂点部分が暗いことが多い。

E虹の形は
太陽高度によって変化する。 

12月午後1時の虹
太陽高度が高いとき、虹は「お皿を伏せたような形」に見える。
     
      
 フルダブルレインボーは結構貴重

フルダブル・レインボー

普通の(並の)虹)。
虹が2本とも全周しっかり繋がって見えることはかなり少ない。フルダブルレインボーと(勝手に)名付けている。
 
 虹は何色か?
日本では、主虹の色は上から赤橙黄緑青藍紫の7色とされているが、アメリカ・イギリスは6色、フランスやドイツなどは5色とされ、文化とも密接に関わっている。科学的には、波長は連続しているので色は「無限」といえる。
   
 塊状の雲の雲底部は狙い目

太陽と反対側に塊の雨雲(積乱雲が最もよい)があるときはチャンス。


左:真夏の積乱雲の雲底の虹
 驟雨と時雨を狙う 

 夏季、積乱雲と共に突然やってくる驟雨と虹

時雨れる11月〜12月は虹の季節。雲間から太陽が覗く一瞬が勝負
   
 太陽高度が高いときの虹  空の下の虹

虹は太陽高度と共に形が変わり、日没時にほぼ半円となる。高度が42度を超えると虹は現れない。

虹を作る雨粒は風に流されながら落下するため、雲の真下でなくても虹ができることがある。
  
 降水に映る虹  空中虹

 雨脚がスクリーンになって、虹を作っている

降水雲の真下の一部分だけ虹ができている。
 
 株虹  赤虹

 地表と接する部分だけの虹

夕日の赤い光でできた虹。
  
 過剰虹  白虹・霧虹

7色の内側にさらに色がくりかえし見える部分を過剰虹という。



水滴が10μm程度以下と非常に小さい時にできる白っぽい虹。
2020年5月8日朝 十勝幕別町にてKさん撮影(許可を得て掲載してあります)
 memo
多くの場合、虹の継続時間はほんの数分間。明るさのピークはさらに短いことが多く、この瞬間を写真に写し止めるのは結構大変です。さらに、フルレインボーは視直径が84度もある巨大な現象であるため、その全容を1枚に収めるには、広角レンズが必須。

というわけで、虹を「予想して」+カメラを「常時準備」しておくのが虹を写す「コツ」
 
  
   
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