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知っておきたい雲と空のキホン
別に知らなくても雲は楽しめるんだけど、雲を見れば見るほど「?」と感じることもいっぱい出てきます。
それはさておき、ここではいくつかの雲と空の基本的な知識をどうぞ。
1.雲ができる場所

雲は大気の最下層、地表からおよそ1.5kmまでの空気の層=対流圏にできます。

これは大気の厚さ約800kmの約1/50、地球の直径約13500kmの1/900でしかありません。例えば、直径90cmの地球儀があったとすると、雲ができる高さは地球儀の表面からたった1mmほど=厚めの紙くらいの高さと言うことになります。

この薄い大気層で、雲や雨・雪・季節風・台風など私たちにおなじみの全ての気象現象が起きているのです。
    
2.雲ができるわけ

空気が何かの原因で上に持ち上げれたら、上空の気圧が低いために膨らみます。
空気には膨らむと温度が下がるという性質があり(
断熱膨張)、気温が下がると中に含まれていた水蒸気が水滴となって小さな水滴や氷の粒(氷晶)ができるのです。

こうやってできた水滴の集まりが空気中に浮いているのが雲です。
    
3.雲が浮かんでいるわけ
雲を作っているのは直径が0.01mmほどととても小さい水滴です。

空気には粘りけがあるため、水滴が落下する速度は直径でほぼ決まります(
終端速度という)。0.01mmの水滴が空気中を落下するときの速さはおよそ1cm/秒です。つまり100m落下するのに3時間近くかかるわけです。
また、1cm/秒で落下すると言うことは、1cm/秒以上の上昇気流があれば「落ちてくることができない」と言うことでもあります。

雲粒が大きく成長して重くなると、落下速度が速くなって、はじめて雲から下に落ちてくることができるのです。
    
4.空が青いわけ

地球の大気はおもに酸素や窒素、あるいは水分子などの小さな粒からできています。その他にも小さなエアロゾルと呼ばれる粒子もたくさん浮かんでいます。

太陽からの光は地表に届くまでになこれらの粒にあたって跳ね返り、巻き散らかされます(
散乱という)。そのとき、波長の短い「青色」の光が最初に散乱されるため、散乱された光が私たちの目に届いてそらが青く見えるのです。
   
5.夕焼けが赤いわけ

太陽高度が低くなると、太陽光は地表に沿って長い距離を進んで私たちに届きます。地表付近は大気が濃く、水蒸気やエアロゾルも多いために、太陽光はどんどん散乱されていきます。

波長の短い青から緑、黄の順に散乱されて失われ、最後に残って私たちに届く赤い光が夕焼けの原因をつくるのです。

   → 夕焼けのページへ
      
6.雲は予測できるか?
よく聞かれる質問です。答えはYesでもNoでもあります。ちょっと長くなりますが場合に分けて説明します。
Yesといえる場合 その1: 天気の変化に伴う1〜2日の大きな雲の変化は予測できる場合もあります。
@前線や台風が接近することがわかっている場合。
A太陽の暈などの気象現象が現れている場合。
B雲がだんだん低くなったり、厚くなったりと時間経過と変化がわかっている場合。

@の場合、天気が悪くなることがすでにわかるのですから、雲の変化も予測できます。特に温暖前線が接近するときには右の図のような変化が1日ほどの間に起こる可能性があります。またAの暈は温暖前線の前面の巻層雲でできることが多いため、温暖前線の接近を知らせる可能性があるのです。

温暖前線の接近と典型的な雲の変化

Yesといえる場合 その2:例えば目の前の積雲がこれから発達するかどうか、というような「この後数分間〜数十分間の変化」は予測できる場合もあります。

例を挙げると、積雲系の雲は左のように雲頂を見て、輪郭のはっきりした「カリフラワー状」であればこのあとも発達を続けます。反対に輪郭がほつれ始めたら、成長は終わり消散していく過程です。このように短時間での予測は成り立つときもあります。

Noである場合: このあとに美しい雲があらわれるか、おもしろい現象が起きるかなんてことは、誰にも予測できません。
地上にいる人間が見ている雲の範囲はたかだか30〜50kmの範囲でしかありません。この範囲に次にきれいな雲、感動的な雲がやってくるか、なんていうことは誰にも予測できないのです。たとえ、気象衛星で監視していても、この(地球規模から見れば)針の先ほどの範囲の雲が、地上から見たときに次の瞬間にきれいかどうかは予測できないのです。ましてや、雲の姿は太陽光や他の雲とのコンビネーションによって劇的に変わります。そういう意味では、雲は予測できないといえます。


でも、予測できないからこそ、私たち雲の愛好家は毎日ドキドキ、ワクワクしながら刺激的な日々を送っていられるのです。
            
7.雲の名前のつき方
雲の名前は本当に似たような物ばかりで、雲に興味を持った人が最初にぶつかるのが、この「名前の壁」です。でも基本をおさえておけば、そう難しくはありません。

〈雲の名前のルール〉
【ルール1】:高さ

名前の頭に「
」の文字がつくと高い場所
」がつくと中くらいの高さにできる雲

【ルール2】:形(右写真参照)
名前に「
」が入る雲は、かたまりの雲
」が入る雲は広く空を覆う雲

【ルール3】:雨
」の文字が入る雲は雨(雪)を降らせる

この3つのルールが組み合わさって雲の名前が付いています。例えば高くて、広がっている雲は、=巻層雲というわけ

「層」と「積」がつく雲の表情の違い
関連リンク → 雲の種類はどうやって見分ける?
    
オマケ  だれが雲を分類したのか?
雲の分類は紀元前から試みられていました。でもそれぞれが勝手に名前をつけて呼んでいたため、大きく広まることはありませんでした。
19世紀始めに、イギリスのアマチュア気象研究家ルーク・ハワード(1772〜1864、右写真、wikipediaより)が雲の基本形(雲類)を7種に分け、
ラテン語で命名しました。

ハワードの分類は広まりましたが、19世紀後半になると、これに加えて多くの国の観測者がさらに勝手に名前を加えて使うようになったりして、混乱が生じてしまいました。そこで、1887年にハワードの分類とその名前をもとに、国際会議で10種類の雲の分類と名前が決められたのです。

その後、何回か改良が行われ、現在世界中で使われている「10種雲形」となりました。この国際会議は現在もWMO(世界気象機関)として引き継がれています。(ところが、ややこしいことに名称はラテン語のままなんですよねぇ)


つまり、雲の分類はルーク・ハワードが基礎を作り、現在WMOが管理していると言うことになります。

〈参考資料〉雲の発明 リチャード・ハンブリン 小田川佳子訳 扶桑社2007
     
オマケ2 雲に関する役に立たない知識
雲を見ていると哲学的になって、余計なこともたくさん思いつくようになります。それはそれでおもしろいのですが、バリバリの「雲を知りたいいっ!」てな人には全く役に立たない話をいくつか。
→ 雲に関する余計な知識のページへ   
  
  
  
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