本文へスキップ

区別しにくい雲の見分け方のポイント
雲に興味を持ち始めて、最初に突き当たる壁が「雲の種類の判別」です。雲に限らず植物、昆虫、岩石など、自然を学ぶときには「種類の判別」がスタートであり、深く知るため、そして長続きするための基本です。
さいわい、雲の基本的な分類はたった10しかなく、コツを知れば判別はそんなに難しくはありません。ここでは、迷うことが多い3つの雲のAkinoko流判別法を解説しましょう。

1.巻積雲と高積雲の見分け方
巻積雲 高積雲
別 名 うろこ雲・いわし雲 ひつじ雲
高 さ 上層雲:5000m〜10000m 中層雲:2000m〜7000m
表 情
全体の特徴    小さな小石が無数に敷き詰められているように見える  中くらいの塊の雲がたくさん並んでいる
雲片の大きさの目安 視直径が1°未満。
手を伸ばして小指を伸ばしたときに、
小指に雲片が隠れる大きさ。
視直径2°以上
手を伸ばして,人差し指を伸ばしたときに、指からはみ出る。

雲片が真っ白で、腕を伸ばして小指に隠れるほどの大きさなら間違いなく巻積雲
雲片の色 空の青色が透けて見える、または
真っ白
白色だが、雲底には明灰色の影がある
キーポイント : 雲の色と大きさに注目せよ!
   
  
2.巻層雲と高層雲の見分け方
  巻層雲 高層雲
別 名 かすみ雲 おぼろ雲
高 さ 上層雲:5000m〜10000m 中層雲:2000m〜7000m
表 情
全体の特徴 太陽の日差しが射す。
空の青色が全体的にかすんだように白っぽく見える
何となく全体にモノトーン
地上の
景色にも陰影がなくなる
 
白っぽいが、空の青色が透けて見える 明灰色〜灰色の平坦な色
太陽の見え方 太陽がはっきりと見える。
  
何となく太陽の輪郭がぼやっとして見えるか、太陽があることしかわからない
影のできかた 地上に自分の影の輪郭がはっきりと見える。
影がはっきりしないか、見えない。
その他の特徴 太陽の周りに暈(22°ハロ)ができることが多い
注意点 書籍等に「巻層雲は暈がある」と書いてある本が多いですが、巻層雲でも暈ができないこともあります。 高層雲でも上層の氷晶が原因で暈がうっすらと見えることがあります。
  
キーポイント : 判別に迷ったら「自分の影」を見よ!!
     
Akinokoのワンポイント・アドバイス
雲の濃さが高さの判別の目安となる!
大気上層は空気が薄く雲を作る水蒸気の量も少ないため、高い雲ほど薄い雲になり空の青さが透けて見えることが多くなる。

       
3.積雲と層積雲の見分けかた
積雲 層積雲
別 名 わた雲 うね雲・まだら雲
高 さ 下層雲:数100〜5000m 下層雲:数100〜5000m
表 情
全体の特徴 厚みのある大きな塊状の雲が青空の中に浮かんでいる 厚みのある高さのない塊状の雲が空を広く覆う。
隙間から青空が少し覗く
雲片の特徴 雲頂部が盛り上がっている 隙間がなく、雲頂がほとんど見えない。
白色で雲底に灰色の影 全体的に明灰色〜灰色の雲底
キーポイント : 青色と灰色の面積比、雲片のつながりに注目せよ!
それぞれの雲片が独立しているか、お互いに接続して大きく膜状に大きく広がっているかがまず判別の1歩
  
Akinokoのワンポイント・アドバイス

雲は連続した自然現象であり、はっきりした境界がないため、判断が難しいことも。


    
雲の種類や特徴をもっと知りたい時は

450枚の写真で全種類の雲の姿がわかる本
新・雲のカタログ(草思社)
アマゾンサイトへ

当サイトの全ての画像・文章の著作権はMurai.Akio=Akinokoにあります。
無断使用等はご遠慮ください。
 


Topへ戻る