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2017年に国際気象機関(WMO)のInternational Cloud Atlasが30年ぶりに改訂されました(ICA2017)
これに合わせて当ページも改訂・リフォームしました。 (2022年2月記)
1.10種雲形+1とできる高さ
 雲は大きく10種に分類され、これを10種雲形と呼びます。
どれも対流圏内(地表付近から約13000mまで・緯度によって変わる)にでき、できる高さによって3つのグループに分けられています。

 1.
上層雲(高さ5000〜12000m) 
     →巻雲・巻積雲・巻層雲

 2.
中層雲(2000〜7000m)
     →高積雲・高層雲・乱層雲

 3.
下層雲(2000m以下)
     →層積雲・層雲・積雲・積乱雲


 ただし、積乱雲は下層から雲頂部は上層まで、乱層雲は中層から雲底は下層へ、雲頂は上層へ広がっています。

 また、飛行機雲自体は10種の雲形には含まれませんが、発達して10種雲形の雲に変化していくことがあります。
 2.雲の大分類 
  10種の雲形は、それぞれ「見た目の形=種」・「並び方・厚さ=変種」・「部分的な特徴」・「付随してできる雲」によって細分化されています。もちろん、どの種・変種の名称もつかない10種雲形だけの雲もあります。
 2017年に国際気象機関:WMOによって新しい国際雲図帳(International Cloud Atlas)が発表され、雲がいくつか追加されました。 → ICA2017とその改訂点・新しく加わった雲 NEW!
NEW
 ※1:赤字は、International Cloud Atlas2017で新しく加えられた雲。  ※2:MotherCloud・SpecialCloud(特殊な雲)は上表に含まれていません。
 
雲の分類についてもっと知りたい人へ
@雲の分類を決めている組織:WMO・分類のバイブル国際雲図帳:International Cloud Atlas とは? NEW!
A雲の和名(日本名)はどこで決められたのか?
 本サイトにおける新しい雲の和名の扱い。
 NEW!
B雲の分類名(学術・英語名)・ラテン語源とその和名対照一覧表(PDF) NEW!
C雲の分類の歴史を探る。   NEW!
 
3.雲の表情: 10種雲形 と 特殊な雲&飛行機雲
 雲のサムネイルをクリックすると各雲形のページに移動できます。 
高さ 名称
学術名

号 
   特徴や見え方d
上層雲


5000〜  12000m



巻 雲

Cirrus
Ci  別名:すじぐも・しらすぐも

最も高い所にできるため薄い。
上空の強い風に流されてできるハケで掃いたような繊維状の構造が特徴。
 
巻積雲

Cirrocumulus
Cc  別名:うろこぐも・さばぐも

無数の半透明で小さな粒状の雲片の群れでできている。
青空に小石を敷き詰めたように見え、うろこ雲とも呼ばれる。秋の雲と言われるが、秋に多いわけではない。
巻層雲

Cirrostratus
Cs 別名:うすぐも・かすみぐも

全天をうっすらと覆うベール状の雲。
薄いので青空が透けて見え、時にはその存在に気がつかないこともある。条件によっては写真のように繊維状の構造が見られることもある。色々な大気光象をつくる原因になる。 
中層雲


2000〜  7000m



高積雲

Altocumulus
Ac 別名:ひつじぐも・まだらぐも 

中くらいのかたまり状の雲片が集まってできる雲。
羊の群れに見えることから「ひつじ雲」とも呼ばれる。
雲底に灰色の影ができることが巻積雲と異なる。朝夕には大変美しい景色をつくる。 
高層雲

Altostratus
As  別名:おぼろぐも

全天を一様に明灰色〜灰色に埋めつくす雲。 
太陽はこの雲を通して輪郭がぼんやり見えるか、存在が分かるくらいのことが多い。 立体感のない風景をつくり出す。
乱層雲

Ninbostratus
Ns  別名:あまぐも

雲底はむらのある暗い灰色。
比較的弱い雨を長い時間降らせる。全天を暗灰色に染め、空はほとんど見えることがない。
下層雲


2000m
以下
 

積 雲

Cumulus
Cu 別名:わたぐも

雲の代表選手。
大きな雲片が、形を変えながら豪快に流れていく。雲底がうす暗く影があるので立体的に見える。
層積雲

Stratocumulus
Sc 別名:くもりぐも、うねぐも、まだらぐも

 大きく平べったいかたまりの雲が寄り集まって空いっぱいを埋め尽くすように並ぶ。
隙間からわずかに青空が見えることも多い。
昼は地味だが、朝夕に陰影が付いて立体的に見え大変美しい。 
層 雲

Stratus
St 別名:きりぐも

地表に最も近い所にできる。低いときには、地上十数メートルの高さにできる。山や高層建築に接することも多く、中にいる人から見れば「霧」となる。
 厚い雨雲の下にできることが多く、天気が良くなり気温が上がると、たちまち消散してしまうことが多い。
積乱雲

Cumuloninbus
Cb 別名:かみなり雲・にゅうどう雲

雲の暴れん坊。この雲が頭上に来ると激しい雨と雷で大荒れになる。背が高く、その厚さは10000mを超えることも。雲の下では真っ黒な雲底しか見えないが、遠くから見ると巨大な雲の柱に見える。この雲がさらに発達するとカナトコ雲ができる。
その他 特殊な雲

Special Cloud
  2017年の国際雲図帳の大分類表に組み入れられた6つの特殊な雲=SpecialCloud 。航空機や工場・火山など地表付近の局所的な要因で発生し、通常の雲へと遷移していく雲たち。
これまでは通常の雲とは別項目で扱われていたが、自然の雲へ変異・移行する雲として一般の雲と同様に扱われるようになった。
 NEW
飛行機雲 航空機が対流圏上層を飛行するようになってから現れた人工の雲。10種雲形には含まれない。
たった80年ほど前に現れた雲の新参者だが、この雲から発達し自然の雲と見分けられなくなる雲も多い。2017年3月に改訂された国際雲図帳(International Cloud Atlas)で晴れて正式に雲の仲間入り。
積乱雲は雲底が低く「下層雲」に入れることもありますが、強烈な対流によって雲頂は対流圏界面に達するため「対流雲」として分けて扱う場合もあります。

 
Akinoko’s ワンポイント・レッスン

紛らわしい雲を見分けるには
巻積雲 : 高積雲
巻層雲 : 高層雲
積 雲 : 層積雲

 
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