FEBRUARY 18のDIARY 『春と入試』

 

 また入試問題が届く。今度は昭和女子大学から。前回私の文章(「オーケストラとは何か」)が大学の入試問題になったのは十年ぐらい前の聖心女子大学だったが、その時も国語の問題。昨年の末は、「音楽はなぜ人を幸せにするのか」が進研模試の高校の国語問題として使われた。そして、今回の昭和女子大学の入試も同じ著書からの出題だ。きっと、私の文章は国語の入試問題になりやすいのかもしれない。でも、実際自分で入試問題をやってみると、けっこう解くのに苦労する。自分で書いた文章なのに、「こういう使い方をしていたっけ?」みたいな設問に出くわして驚くような部分もあった。大体において、国語の問題なんて正解があってないようなもの。この問題の答えにしたって、私の答え(つまり作者の考える答え)とこの問題を作った大学の先生の答えはきっと違っていると思う。試験の正解はあくまで問題を作った大学の先生が考える答え。私の答えはあくまでも作者の意見としての答えであってそれが必ずしも正解ではない。そんな風に考えると、やけに曖昧な世界だなとも思う。別に、私の文章は文学的にどうのこうのという文章ではないが、それでも解釈はいかようにでもなる。ことばとか文章というのは本当に難しいものだ。
 まだまだ朝夕は寒いが、それでも確実に春の足音が聞こえてきている。日中の日ざしと風にはどことなく春の香りがして、もうほとんど春ですよとどこかで告げられているような気さえする。ただ、個人的に春はあまり好きな季節ではない。寒い冬から解放されるのだから嬉しく思って当然なのだろうが、すべてが浮き足だって浮かれている春という季節が昔からあまり好きになれないでいる。多分、自分がヘソ曲がりなせいなのだろうが、世の中にフレッシュマンが目立つ頃になると妙に気分が落ち込み気味になってしょうがない。特に、昨年の春は23年も一緒に連れ添った愛猫のシューシューが他界したこともあって、春を楽しむ余裕はさらさらなかったような気がする。
 今年は、4月20日のちょうどイースターの日に逝ってしまったシューシューのために何かイベントでもしようか?それとも、まったくシューのことは忘れて外国にでも旅行しようかと、今からあれこれ考えたりしている。やはり、私にとって春は何となく落ち着かない季節なのかもしれない。

ダイアリー.・トップへ戻る