AUGUST 23のDIARY 『モードの切り替え』

 

  自分の中で、今はライティング・モード(つまり、原稿を書くモード)と、今はミュージック・モード(作曲したり、演奏したりというモード)を交互に入れ替える。昔は、これが一日の中でも器用にスイッチがすぐに切り替えられていたのだが、最近は、一日単位とか一週間単位で入れ替えていかないとなかなか切り替わらない。 この20年ぐらい、この2つのモードを仕事としてスムーズにスイッチングしてきたつもりなのだが、最近はこのスイッチングがターボで切り替わらずに、間に何かクッションを入れないといけなくなってきている。 例えば、 間に一日そのどちらでもない日を故意に入れるとかしないとなかなか次ぎの仕事にかかれない。「年のせい?」とばかりは言えない。昔は、俺は器用だ、何でもやれるんだという過剰な自信(過信かもしれないが)でやってこれたような気もする。でも、だんだん仕事そのものの深さとか責任(社会的な責任という意味ね)とかを考えると、一つ一つの仕事をそんなにうかつにはできないなという感じになって仕事そのものに構えてしまうのではないかなと思っている。もちろん、キャリアが長くなればそれだけ仕事そのものに対する慣れとか自信は若い時よりはあるのだが、逆にコワサもそれだけ知るということなのかもしれない。
 で、先週までは完璧にライティング・モードだった。そして、今週からはミュージック・モード。来月末からキャロル・セラのレコーディングが始まるし(私がプロデュース)、ライブも近いし(次ぎのライブは、9/14)、今日は、久しぶりにスタジオ・ミュージシャンをやったし、先週まで頭の中にびっしりと入り込んでいた原稿用紙の残映が一挙に取り払われてしまった。
 今日のスタジオ、古くからの仲間のヤン富田くんに呼ばれてフルートを吹く。彼とは、3年前に私が音楽をやっていたNHK・TVの『まちかどドレミ』という番組にゲストで出てもらって以来だ(けっこう長く会っていなかったな)。私は、昔からスタジオに呼ばれても、これはどんなアーチストのためのレコーディング?とか、これは何の番組の劇伴なの?とかは一切聞かないで仕事をやってきたので、今回も彼の仕事が何かのコンピレーション・アルバムの一部であるとしかわからないで演奏した。自分としては、与えられた譜面とプロデューサーの指示通りに仕事をするのがミュージシャンの仕事だと思っているので、いつもそうやっている(自分がプロデュースをする場合は、その逆で、自分が呼んだミュージシャンに私の意図がどれだけ伝えられるかが勝負になってくる)。
 レコーディングそのものは何の問題もなく終わる。私としては、久しぶりにヤンくんやベースの松永くん、ギターの田村玄一くんなんかと久しぶりに会えるのが楽しみで行ったようなものなので、話しの方に花が咲く。最後には、案の定というか、元ミュートビートやメロンで演奏していたミュージシャンたちのうわさ話になる。何だか同窓会的なノリで、これは絶対に若いミュージシャン同士のレコーディングにはないものだろう。ヤベエ、ヤベエ(笑)。

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