JUNE 1のDIARY  『変態的・大リーグ・ウォッチング

 

相変わらずアメリカの野球中継をよく見る。それほど頻繁にTVを見る人間ではないにも関わらずこの野球中継だけはよく見ている。イチローが出ているからに他ならないのだが、本当はシンジョーの方の試合も生中継で最初から最後まで見てみたいと思っている(シンジョーが阪神にいる時は、阪神の野球なんて自分から見ようなんて気はさらさらなかったのだから変な話だが、要するに、阪神というチームが好きではなかっただけのはなしだ)。
 信じられないかもしれないが、TVの音声はいつもヘッドフォンで聞く。スピーカーの音声は完全に絞っている(まあ、これには特殊な事情があるのでここでは説明しないでおく)。この聞き方(見方?)をしていると時々面白いことがある。音楽のステレオ感は申し分ない(ヘッドフォンの方がエコー感も多いし、MTVを見るにはうってつけだ)。後、ホラー・ビデオの臨場感は、「こわさ」倍増でけっこうイケる(逆を試すと、ヘッドフォンでホラーを見る時の楽しさがわかると思う。つまり、音を全部絞ってホラーを見てもほとんど「こわく」はない)。大リーグを見る時は、左のチャンネルで日本語の解説を聞きながら、右のチャンネルで英語の解説を聞く。何でそんな面倒くさいことをするかと言うと、日本語の解説と英語の解説がまったく違うコンセプトでしゃべっているのがよくわかるからだ。日本人の野球そのものに対する姿勢とまったく同じで、日本の野球解説はあまりにも真面目すぎると思う。それこそ、野球を見ている時は野球のこと以外考えてはいけないとでも思っているかのように、野球のことしかしゃべらない。それに対して、アメリカの放送の解説は、ボールの種類がどうのとか、こういう時はこう攻めた方がいいといった野球のテクニカルな話しももちろんするが、どうでもいいこともよくしゃべる。アナウンサーが突然自分の奥さんの話を始めたり、選手のゴシップ話しをしたりするし、何しろアナンサーと解説の人のしゃべりがタメ語(英語でそんなのがあるわけないが)なのが面白い。日本の野球解説だと、アナウンサーがエラそうな評論家に遠慮がちに「お伺い」をたてるような会話でちっとも面白くないが、英語の解説は友達が二人でしゃべっているようなノリだから、笑いが絶えない(あの連中は本当によく笑う)。それに、ファインプレーをした時とか、ホームランを打ったりする時の驚き方が、よくまあこれだけ大袈裟に騒げるなと思うほど驚きを素直に表現する。そんなところが面白くて、つい英語の解説も一緒に聞いてしまう。それなら、いっそ日本語の解説ななんか聞くのをやめて英語だけ聞けばいいではないかと思うだろうが、いちおう日本の解説も気になるので(こういう態度が日本人的と言えば日本人的なのだろうが)、結局いつも日本語と英語を片方ずつの耳にさらして野球を見ることになる。かなり変態趣味のような気もするが、けっこうハマっている。

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