MAY 2 のDIARY  『大リーグは面白い』

 

  もともと野球が大好きなせいか、この頃大リーグの試合をTVで見るのがけっこう楽しみになっている。昨年も野茂の試合をよく見たりしていたが、今年はイチローとシンジョーが同時に大リーグにいるせいか何か面白くてたまらない。大リーグの試合を見た後に日本のプロ野球を見るとなぜかつまらない。ヤクルトのファンなので、神宮球場に時々行ったりするし、最近J-skyTVでもヤクルトの中継をよくやってくれるので見たりするがいまいち面白みに欠ける。ましてや、巨人戦などは、これが同じプロ野球かと思えるぐらいつまらない。
 何が違うのか考えてみた。楽しみ方が根本的に違う。私もアメリカにいた時、近くのセントルイスのブッシュ・スタジアム(カージナルスのホームグラウンド)によく行った。以外と入場料は高かったので、4偕席の一番高い所しか買えなかった。一番てっぺんの所だ。選手は、米粒ほどにしか見えなかったが、それでもすごく楽しかったことを覚えている。アメリカの野球場の雰囲気は、本当にそこにいるだけで楽しい。野球を見ることそれ自体がアミューズメント・パークにいるような雰囲気を味合わせてくれる。その雰囲気は、今TVで見る大リーグの中継からも十分伝わってくる。
 そう、ここが違うのだ。観客の楽しさが違う。精一杯観客のことを考えながら野球をプレ−する、見せる。プロだから当たり前と言えば当たり前なのかもしれない。客あってのプロ。スポーツもエンタテインメントもまったく同じこと。何か野球と映画、似ているなと思った。二つ共、アメリカが最も大事にしている娯楽。アメリカが世界一と信じている娯楽だ。単に技術の問題ではない。クオリティの問題でもない。この二つ、アメリカが他の国に絶対に譲れないものなのではないだろうか。レベルだけ見れば野球はキューバが世界一。日本だって、技術的にみればけっして見劣りはしていない。イチローやシンジョー、ササキだけでなく、マツイが行ってもイシイが行っても十分通用するはずだ。そんな問題ではない。映画も、レベルだけ見れば日本だってそんなにレベルが低いわけではない。クオリティに関しては、インドだって、フランスだって、アメリカにけっして負けているとは思わないだろう。でも、そんなことではない何かがアメリカの野球と映画にはある。それは、楽しみ方の差。レベルがどうのこうのではない、楽しみ方の差がそのままこの二つをアメリカの代表的な娯楽にしているような気がする。
 日本がこの二つの娯楽でアメリカを追い越すために必要なことは、まず映画の楽しみ方、野球の楽しみ方を覚えること。これ以外にないような気がする。肝心の試合に背を向けて笛や太鼓だけ鳴らしているような連中がいるような野球場では絶対にアメリカを追い越すことなんかできやしないんじゃないだろうか。

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