MARCH 26のDIARY  『アカデミー賞のキッカイ!?』

 

 Wowwowでアカデミ−賞の授賞式の中継を見た。いつも総合司会は喜劇畑の人から選ばれることが多いが、今年はスティーブ・マーティンが司会をしていた。こういう喜劇役者の人たちの話術の巧みさには毎度のことながら驚かされるが、一体どこまでが台本通りで、一体どこまでアドリブでしゃべっているのだろうかとつい思ってしまう。
 直前に舞台でしゃべっていた人間のアクションからことばまでをもネタにして笑いを引き出す術は一朝一夕には出来上がるものではないだけにTVを見ながらスティーブ・マーティンのことばのウマサにずっとひきつけられ通しだった。今年の候補作とか俳優に関しては、昨年ほどの興味を引かれないのは確かだったが、それでも『グリーン・デスティニーCrouching Tiger ,Hidden Dragon』(タイガーとドラゴンが逆だったかな?)という台湾の映画が4部門も受賞したのは興味深かった。台湾映画といっても、ほとんどハリウッド映画なのだろう。それだけ、台湾の映画界がアメリカの映画界と直結しているのだと思う。日本の映画が久しく低迷を続けている間に、香港映画、台湾映画、インド映画、そしてイラン映画までもがどんどん日本などを尻目に世界的に進出を始めている。日本も資本だけは出してきているようだ。日本資本で作られたハリウッド映画も何本かあるらしい。しかし、問題はそんなことではないような気がする。
 日本映画が構造的に陥っている問題を解決しない限り、日本映画が、日本の俳優がハリウッドで賞を取るなどということは絶対に起らないような気がする。その能力がないわけではけっしてないのにそれができないの構造的な問題や社会的な問題がそこにあるからだ。台本を英語で書いてそれをハリウッドに売り込むぐらいの気持ちがなければ、今の日本の映画の未来もけっして明るくはない(その点、工藤夕貴はえらいと思う)。せっかく、少しずつ日本映画に対する関心が高まってきているのだから、日本映画とハリウッド映画を結び付けるプロデューサーの一人や二人いてもいいのではないだろうか?
 そんなことを考えながら『グリーン・デスティニー』の受賞を見ていたが、作曲賞のアトラクションは面白かった。候補作品の5曲をヴァイオリンのイツァーク・パールマンとチェロのヨーヨー・マがオーケストラと演奏していたのは圧巻だった。やはりパールマンはうまい。ヨーヨー・マももちろん素晴らしいけれども、パールマンの音の素晴らしさには圧倒された。それにしても、それにしてもである。この受賞式のBGMはすべて生のオーケストラが演奏していたが、大体どの賞も候補作が5作品ぐらいあって、そのどの作品が受賞するかは最後までわからないはずなのに、「オスカーはこの作品です」とプレゼンターはアナウンスすると同時にその映画のテーマが演奏される。それって、もうオーケストラは事前にどの作品が受賞するかわかっているわけでしょうと思ってしまう。オーケストラの人たちは、5作品すべての楽譜を譜面台の上に並べておいて、それが発表されると同時にその作品の楽譜だけを演奏し始める、わけがない。指揮者にしても、演奏者にしても、どれを演奏するかが前もってわかっていないことには楽譜の用意をしようがない。ということは、少なくともピットにいる演奏者には予めすべての受賞作品がわかっているとしか考えられないのだけど....。

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