FEBRUARY 18のDIARY  『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』

 

 昨日の日記にあまり面白くない映画の話しをしたので、その口直しのためなのかどうなのか、たまたま何気にWowWowにスイッチを合わせたら、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』をやっていた。ビデオも含めると、この映画を観るのは3回目だが、いつ観ても本当にイイ映画だなと思う。記録映画なので、別に俳優が演技しているわけではなく、キューバのミュージシャンたちがトークをしたり演奏したりというドキュメント・タッチの映画なのでこれといって見せ場があるわけではないのだが、この映画の魅力は、見る人の心を暖かくするのと同時に、生きる希望をもたせてくれるところだろうと思う。ちょうど、今受験シーズンだが、受験に失敗して人生に悲観している人にこそ、この映画を観て欲しい。きっと、受験ぐらいで悩んでいる自分がバカらしくなるに違いない。
 この映画と「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」というCDアルバム、コンサートをプロデュースしたアメリカのミュージシャン、ライ・クーダーは、おそらく50才は越えている立派な中年なのだが、このブエナ・ビスタのミュージシャンたちの中にいる姿を見ると、ライ・クーダーが滅茶苦茶若く見えるぐらい、ここに出ているミュージシャンは年寄りばかり、というよりベテランばかりだ。90才を越えたピアニスト、ルベーン・ゴンザレスのピアノは今でも華麗だ。一緒に歌うオマーラ・ポルトゥオンドのおばさんも80は越えているのかな(越えてないかもしれない)。でも、このおばさんはまだまだ綺麗で、歌がホントにイイ。キュ−バの音楽は、今はメレンゲという早いテンポの音楽が主流になってきているけど、ここで演奏されるようなソンというゆったりとしたリズムのラテンはとっても気持ちがいいし、心が本当に和んでくる。
 音楽ってホントはこういうことを言うんだよなと心の底から思えたのは、ハワイアンのピアニスト、マーティン・デニーの演奏を聞いた時、フィービー・スノーの歌を聞いた時、ジュリアード弦楽四重奏団のベートーベンを聞いた時とこの「ブエナ・ビスタ」の演奏を聞いた時ぐらいだろうか?おそらく平均年令70才は優に越えているこのキューバのベテラン・ミュージシャンたちの演奏は単なるナツメロ・バンドではなく、「生きた」音楽をやっているし、私たちに人生の意味をさりげなく教えてくれる。キューバは、経済的にも地理的にも日本の対極にある国だが、この国を見ていると、今日本にあるモノでホントに必要なモノは、ほんの10%もないんじゃないのかと思えてくる。だって、彼らは、人生に必要なモノは心の暖かさしかないと本気で思っている人たちなのだから。

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