NOVEMBER 7のDIARY『CMレコーディング』

 

 久しぶりのCMのレコーディングで楽しかった。北陸地方の大きな銀行がクライアントなのだが、曲だけでなく歌詞まですべて書いたのは初めてだ。以前に「フランス厨房」という食品のCMをやった時は、フランス語の歌詞を書いたこともあったし、建設会社のCMの時は英語の歌詞を作った時もあった(この時は、私は歌まで歌ったのだ - 仕事として歌ったのは、後にも先にもこれ一回きり)。でも、日本語の歌詞を書いたCMは初めてだったこともあって、今回のCMの仕事、殊の外楽しめた。クライアントも代理店もできばえと曲をいたく気に入ってくれたのが何よりだと思う(ここに来るまでの経緯は紆余曲折いろいろあったのだけれども)。
 CMの仕事で一番大事なのはスポンサーであるクライアントが気に入ること。これが百パーセント。これがなければ、この仕事そのものが成立しない。今までやったCMの中でも、化粧品のCMなどは、商品の性格上キレイでオシャレというイメージがあるので、画面だけでなく音楽にも細かいチェックがはいる。クライアントの業種によっては、音楽に関してはまったく何も言わないところもある。いろいろあるクライアントの中でも化粧品は音楽に関してウルサイことにかけては定評がある。今回のクライアントは銀行で、金融業界のCMをやったのは今回が初めてなので、おそらくこういう体質のクライアントだろうということを、私は代理店よりもかなり先に読んでいた。音楽の選定からコンセプトからキャスティングから何から何まで、途中で五転も六転もしたにもかかわらず、結局私の最初に思った通りになった(私のやりたいようになったという意味ではない)。こういった読みは、やっぱり長年こういう業界で仕事をしていると身についてくるものなのだろう。途中の変更にも、若い頃はかなり右往左往していたけど、今回は何もアワテルことはなかった。多少ハラがたっても、その腹の虫は自分の腹の中で処理するしかない。普通の楽曲と違い、CM音楽は、クライアントとその商品の宣伝という目的が果たされなければ何もならないわけで、すべてがこれに向かって行かなければならない。きっとそのやり方を自分なりに会得したということかもしれない。
 でも、今回の楽曲はクライアントだけでなく、私自身もけっこう気に入っているので、このCMが北陸地方(石川、新潟、富山とかいった地方)でしか見ることができないのがちょっと残念だ。

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