稲の束の作り方とハザの立て方

稲刈り・・一度に3株くらい(分けつ数にもよりますが)刈り取ります。

 立って刈っても  腰を落としても

自分にとって楽な姿勢で刈り進みます。
刈り取ったら穂の向きが一定方向になるよう整列させて置くと後の作業がはかどります。

結束準備

結束用のワラは、もち米のワラが適しています。切れにくいので。

あらかじめ水に浸しておき、使う前にはワラシベを落として、長いワラばかりになるよう準備しておきます。

結 束

束の大きさは?

両手でつかめるくらい
小さめが扱いやすい

まとめ方は?

ワラを5本くらい使って、一重に巻いたら
ワラを持って、束を持ち上げ、
引っ張ってしっかり締めます。

ワラを結ぶの?

ワラとワラを結ぶことはしません。

ワラの端同志ををねじり合わせたら、
それを2つに折り曲げて、輪の方を、
束の根元の方向(上方)にねじ込みます。

いろいろな方法があります。これは一例です。

いずれにしてもワラの摩擦で結束するというのが道理です。

オピーピーカムークには
また違ったやり方が図解されています。

ハザを
立てる

イネを掛けるものをハザと呼びますが、地域や伝統でそれぞれ異なった呼び方、立て方、素材があります。実習田では手元に竹があったのでそれを利用しています。稲掛けは先人の知恵のたまもの。地元のベテランにその「うんちく」を教えていただければそれもまた楽しみですね。
立てる方向も地形、気候にそれぞれ応じましょう。
まず3本のうち
1本の支柱に
すべり止めに一重の輪を作り、
次に、続けてその上に3本まとめて三重に巻いていきます。
出来上がり。

左の1本だけ縄が一巻き余分に巻いてあります。

正三角錐になるように立てました。

支柱の1本をハザ木と同じ方向、つまり外側に向けておくようにします。

イネを掛けるハザ木を横に寝かせて置き、おおよその位置を決めたら、反対側にも同じように支柱の用意をします。

イネはずっしりと重いもの。重量のバランスが全体に均等にかかるよう、両端にも相応のイネが掛かるように、配分を考えて支柱の位置を決めます。

位置が決まったら、よく安定しているかどうか確かめます。体重をハザ木にかけてみてしっかりしていれば大丈夫でしょう。

縄で縛るのは支柱だけ。
ハザ木と支柱を固定すると倒れた時『抜き差しならん』状態になるのを防ぐためです。

これでよしと思ったら、支柱を打ち込みます。人がいたら、支柱の足元を踏んで押さえてもらっておくといいですね。

両端の支柱は3本で支えますが、中に立てる支柱は2本です。

ハザ木に添って打ち込んでいきます。

やはり支柱だけを縄で固定します。

角度、向き、間隔など、いろいろ流儀があるでしょう。

参考の一例としてご覧ください。

イネを掛ける

イネを掛けて、ハザ干しする一ヶ月の間にハザが季節風で倒れたり、
イネの重みでハザ木が折れたりすることもあります。
時々田んぼに足を運んで無事を確かめましょう。
半々に分けてもいいのですがそれでは数が多く掛かりません。
効率良くハザに掛けたいので8:2位に分けるようにします。

分量の多い分と少ない分が交互に重なるように掛けていきます。

束を分けるとき、ばらけないようねじり目は避ける心配りを。

稲掛けは、束を差し出す役と、掛ける役の二人の分担で行うと、とてもやりやすい作業です。

順々によく詰めて、乾燥しても緩まないように、押し込んでいきます。

ことに2段に掛ける時は、下がしっかり掛かってないと落下してしまいます。束を掛けたら、ぽんぽん束をたたいて、高さを均一にしながら詰めていきましょう。

最後に落下防止に両端をヒモなどで固定して完成です。

スズメなどの被害が予想されるなら、ハザのまわりに、木綿糸を張っておきます。糸の高さは穂の位置になるように。