3 点描派,後期印象派

スーラー,シニヤツク,セザンヌ,ルノアール又,ゴッホ,ゴーギヤンらの作品を,注意してみることにしましょう
如何でしょうか.作品は存在感を取り戻しています.
 点描派のスーラー,シニヤツクの作品はどうでしょうか.遠くからみると混色にみえますが,近くでみると,一点,一点が原色に近いですね.そして点の配置,間隔によって形態を表していることが解ります.
点描派の作品はいわゆる,正混合を用いています.これは写真のフイルムと同じ原理です.ところが点の配置は物の存在を現しています.これは点によるデッサンです.話しがもとにもどりますが,正混合ですと画面は明るくなります.彩度が落ちず,明度が増すからです.負混合(色を混ぜること)では画面が暗くなります.点描による芸術は,絵の具という純色と,点という造形要素を最大限にいかした時代であったと感じます.
ルノアールの作品はどうでしょうか?女性の肌の感じや量感がとてもよく伝わってきます.色彩もとてもきれいですね.
デツサンで物を表すとなりますと通常黒から白そして黒という調子になりますが,この場合,寒色系から白系そして暖色系へと移行していっています.
セザンヌの作品はどうでしょうか.男性的な感じで,キャンバスの中を色面で彫こんでいるようです.寒色は後退して見え,暖色は前進して見える性質をりようしています.モチーフを単純に色面でとらえ画面全体が色階となり呼応しあって協奏しています.
ゴツホの作品は異質ですね!彼の筆跡には,心の内面が表現されています.またそのために強い色彩と流れるような点描を用いているようです.

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色彩

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形態の把握
1:点描,2:色から色,3:色階

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筆跡

セザンヌの作品です.
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